チェロ五十代からの手習い

57才でチェロに初めて触れ、発見やら驚きを書いてきました。今では前期高齢者ですが気楽に書いてゆこうと思います。

今度の定期演奏会では「完投」を目指すぞ!

2010年02月02日 23時09分48秒 | オケの練習
 今年の3月でチェロを初めて手にして三周年を迎える。出演した演奏会は過去5回。今年5月で6回目だ。
最初の演奏会はまるで夢の中の出来事のように現実感がなかった。演奏もただただ真似事に過ぎなかった。その後の演奏会でもどうして弾きこなせない部分のがあって、落っこちてばかりだった。

 でもこの5月の演奏会のメインはベートーベンの第6交響曲「田園」。サブはカリンニコフの第一交響曲。絶対「完投」(つまり落ちることなく全てをなんとか弾きこなすこと)を目指そうと思っている。カリンニコフも、「田園」もだ。

 どちらが難しい曲かといえばデリケートな演奏が求められるのは「田園」だと思う。でも指揮者も常々「この曲は練習さえすれば絶対できるから」と言っているように、なんだかこれまでの演奏会とは感覚が違ってきている。チャイコフスキーやらシベリウスに比べるとベートーベンはオーソドックスということと同時に、自分の技術が積み重なってきているからだと素直に感じるのだ。

 最近全体練習でも思いっきり弾けるようになってきた。先輩たちの陰に隠れてこそこそしていた自分とは違ってきた。チェロの一員として役立ちたいという気持ちになってきたのは、やはりボーイングの技術が向上しているからだと感じる。あのプロレッスンで3年近く続けてきたダウンボーイングばっかりの練習で、どうやら音が違ってきているのだ。速いアップダウン、アルペジオに弓が追いついていっている。

 それから左のポジション取りのバリエーションの幅が格段と広がってきていると思う。第4ポジションから上で演奏することはこれまであまり無かった(無論どんな曲でも必ず出てはくるのだが・)。つまりA線の倍音のAくらいまでしかほとんど使わなかいですましてきたが、最近ではD線、G線の4ポジションから上の音を多様できるようになった。D,G、C線などでのハイトーンは4ポジションを使わないでも低位置で弾けるのだが、それでは力を溜めて前へ前へと押し出して行くような表現が求められる部分には対応できないと感じている。

 「田園」のようにチェロパートが重要な主旋律を担うことが多くなってくると、低い弦でもそのまま移弦しないで指をスライドして途切れの無い演奏をしたほうがメロディーを美しく伸びやかに演奏することができると気づいたのだ。また4つの弦全体に渡る分散和音などでも、左手の移動を4ポジションを加えながら行うことで、スムーズかつ正確な音程を取れることが分かってきたからだ。

 最近そんな弾き方に「目覚めた」ところなので、オケの全体練習でのチャレンジの結果飛び出しミスが多くなった。指揮者に見つかったり、あるいは見過ごされたりしているが、われながら果敢に「田園」にチャレンジしていると感じる。以前は”飛び出せなかった”のだから自分の積極性の表れだと褒めてやろう。音もよく出るようになってきて「使えるチェロ」の一員に近づいてきたと自己評価できる。

 そんな姿が目に留まるからだろうか、今チェロの入団希望者が練習に参加されているが「3年も経っていないのにそこまで弾きこなせるんですか」などとお褒めの言葉をいただくとちょっと嬉しくなる。その人の姿は2年半前にオケの初練習に参加したとき、全く手も足も出ず、ただただ「見学に専念」している自分と同じだ。そんな自分がよくここまでこれたなーなんて感じたりしている。

 というわけで、今度の定期演奏会こそ、全ての音を出せる初めての演奏会にすべく、毎晩少しずつでも練習している。 
コメント (2)
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