近藤和子さんから教えてもらった。芥川賞もの。わしとほぼ同年の夫をなくしたひとの作。あれれ、国立二期校のあと臨時教員という境遇も、わしと同じ。川口図書館で半年も待った。浦和は一年待ちなんだよ、すこぶるなよだよ人気作。
最初の一頁で、涙。すこし進んで「オラダオメダ、オメダオラダ」、ジャズを踊る姿にわー。再度一頁に戻って涙。いったい何回、涙があふれたことだろう。
心の声、小腸の柔毛突起の言が呼びかける。うう。
70代の桃子さんは、負けてはいない。自由だ。夫を失って更に自由だ。革命的転換だ。転んでも歩いていく、そだっっっ。
玄冬小説、青春小説の対極なんだと。そんないいよう、あったよな。
宮澤賢治の「永訣の朝」にある「Ora Orade Shitori egumo」、嗚呼これも忘れてた半世紀。衝撃の小説、というか詩の躍動があるのだ。