「死刑でいいです --- 孤立が生んだ二つの殺人」 池谷孝司 真下周 共同通信社
2009年夏、16歳で母親を殺害し、3年間の少年院の後、大阪で見知らぬ姉妹刺殺事件を犯した25歳の若者の死刑が執行された。
「反省はしないが、死刑にしてくれていい」。
少年時代に広汎性発達障害と診断され、後に精神鑑定では人格障害とされた彼。
貧困と、家庭内暴力。打ちのめされるルポだ。
家族がいない、自助グループもない。疑似家族って、暴力団か宗教くらいしかない?
----------- 目次 一部 --------------------
1章 母親殺害まで (心閉ざし内面見せず/ 上下階に被害者、加害者 ほか)
2章 少年院 (「超長期」に戸惑う現場/ 埋もれた母親殺害事件 ほか)
3章 二度目の殺人 (絶望への旅路/ 支える人いれば ほか)
4章 では、どうすればいいのか (大人の発達障害と今後の処方箋/ 「発達障害をもつ大人の会」 ほか)
確かに青年、鼻筋とおってるし眼は切れ長で綺麗。おどろきました。1冊で読者に強い切掛を与えた記録なのですね。
私の俗っぽさを吐露すると…去年ネットサーフィンを適当にしていたとき、あまりに顔が綺麗な男の子の写真が目に止まり…しかも、その子が死刑囚で、さらに既に刑死してしまっているというのが信じられなかったのです。 私は当時、今以上にアホだったから、「顔が綺麗にさえ生まれれば、人生80%以上の確率でうまく生きられるだろうに…なんで、こんなことに…」と思いました。
そして、すぐに読んだのが、この「死刑でいいです」でした。これを読んだ直後、私の頭の中は60%くらい、すぐに死刑反対派に傾きました。
私は今は、都内の安田好弘弁護士のイベントに行ける限りで行くようにしてますが…この本を読む前までは安田弁護士のことを、『単なる変なオッサン』だと思ってました(本当)。死刑制度問題に興味が持てたのは、この本のおかげ…と…山地くんの美貌のおかげです(って、なにこのコメント…)。