映画「ヒトラー暗殺、13分の誤算」 原題「エルザー」
1939年、ミュンヘンの酒場で暗殺しようと手作り爆弾を埋めこむ場面から始まる。
なぜエルザーは、決起したのか。
政治に関心を持たない、人妻と恋愛ちゅうの音楽好きの家具職人。
ミュンヘンの「白バラ」大学生のように高等教育を受けたわけでもない、貧乏な田舎者ゲオルグ・エルザー。
自分の頭で考えて、行動する。
逮捕されたあと氏名・住所を訊かれると黙秘する。ハミングする。そして歌う。しかし、婚約者を連れてこられると自白することに。
ひとりでやったと言っても、信じない秘密警察。黒幕がいるはずだ。英国の手先だと「物語」を捏造しようとする。
「だれに言われたわけでもなく、自らの目と頭で大きな危険を察知し、だれにも相談せず1人で動いた。無力だからとあきらめたり、だれかがなんとかしてくれるだろうと任せたりはしなかった」
ひたひたと田舎にファシズムが沁みこむ状況は、池田浩士の本を読むと更に判る。
オリヴァー・ヒルシュビーゲル監督はインタビューで「主人公はエドワード・スノーデンのようなひと」と表現してた。なるほど。