さかな

魚屋さんの店先のささやかな素話...。

大きなかぶ。

2007年01月11日 | 店先から
お客さまに大きな大きなかぶ、いや大根をいただきました。

『大きなかぶ』って、知っていますよね^^。

 おじいさんがかぶをひっぱって、
 おばあさんがおじいさんをひっぱって・・・
 うんとこしょ、どっこいしょ。

これが、犬や猫、最後はねずみだったかしら・・・。

この単調な文とみんなで力を合わせて!
みたいな物語、私は好きです。

**ごちそうさまでした**



*** *** ***

昨日の夕方、小さな女の子が店に入ってきました。
続いてママとおじいちゃんが入ってきました。
女の子は、店に入るといきなり咳き込み、
口からピンク色した何かを吐き出しました。

(何っ!?入れ歯かっ!?)
とビックリした私。
落ちたものをよく見れば、ガム。
まだ口に入れて噛み始めたばかりのジューシーなそして大きなガムでした。
Uの字型になっていたので、思わず入れ歯と思ってしまいました。

女の子は、しまったという顔でガムを見て、
すぐに私を見ました。

(落ちちゃったね。どうする?ママに言わなきゃだよ・・・)
私はニコッと女の子に目で合図しました。

しかし・・・
女の子はしばらく落ちたガムと私を交互に見て、
そしてプイッと知らん顔。

(あ~これは、早く取らないと誰かが踏んでしまう)
ほかのお客さまのレジをしながら、焦る私。
しかし、あれだけ大きなガムを吐き出したのに誰も気づかない。
お客さまのレジを終え、急いでティッシュを2,3枚掴んだら、
別のお客さまがレジに・・・。

ガムに気を取られながら、レジを打っていると、
外からやってきたお客さまが、
ブニュッとガムを踏み(あっ踏んじゃった・・・)、
続いて、女の子のママがガムをブニュッ(ああっ、また踏んじゃった・・・)、
その後、ダンナもガムをブニュッ(おいっ気づけよ・・・)、
レジを終えた、女の子のおじいちゃんが最後にガムをブニュッと踏みつけて、
とうとうガムはペッチャンコ。

店を出るおじいちゃんとママと女の子。
最後にもう一度、女の子と目が合いました。

(あーあ、み~んな踏んじゃったね。)
私は肩をすくめて、女の子を見つめると、
女の子は、またプイッとして、

「ママー、ガムちょうだい。」
と、ママにおねだりしたのでした。

そして、ペッチャンコのガムを私が片付けましたとさ(泣)。

めでたし、めでたし。

さかやさんの『大きなかぶ』ならぬ『大きなガム』のお話でした。
おそまつです^^;。


しっかし、みなさんあまり下を見ていないようで・・・
これでは、お金が落ちていても気づきませんね(笑)。
そういう私も、ワンコのウ○○をよく踏むヤツでありました^^;。

大きなかぶから、こんな汚いお話で終わってしまいました。
お食事中の方、ごめんなさい。