『正義の企画』ブログ 〔ヨイコト ガ ヒョウカ サレル オテツダイ ヲ シタイ〕

日本PR協会認定「PRプランナー」の個人ブログ。
その課題は企画と広報で乗り越えられる!〔終わらない男・米山哲司〕

「みえNPO検討会」の報告&感想

2010-09-08 18:02:33 | Weblog
先日、行われた「みえNPO検討会」の報告&感想を
主催者である「NPO法人みえNPOセンター 服部則仁さん」から
メールをいただきました。転記します。

・・・・・・・ここから・・・・・・・

●「NPOの新しいうごきを議論する-みえNPO検討会」ですが、
 9月3日、夜7時から9時まで、みえ市民活動ボランティアセン
 ターで、第3回のみえNPO検討会を開催しました。
 テーマは、「NPOの説明責任とその保証 公益ポータルサイト・第三
 者認証」で、日本財団CANPAN事務局の山田泰久さんです。

●おもしろかった。頼もしかった。もっと聞きたかった…

 進行役は、松阪市にあるNPO法人 Mブリッジ理事長の米山哲司さん。
 ご自分の意見を発言することを封印し、ポストイットを使わずに委員の発言
 でKJ法的に議論を進めた感じで、委員はたくさん発言できました。
 「結論を出さず、多様な視点を、議事録などで全国に発信する」との目的を
 満たせたと思います。(私の頭の中もフル回転でいろいろ考えました。開会
 の辞を述べただけなのに相当消耗しました。たぶん、検討委員の皆さんも…)

●三重県出身の、武蔵大学社会学部准教授の粉川一郎さんが助っ人で来
 てくれて、ツィッターで発信していただけたので、#mienpo はすばらしく充実
 しました。発言の要を読みとり、書き言葉にし、リアルタイムで発信するポス
 トイット。すごいですね。これなら、臨場感+議論の内容をいろいろと想像
 できます。テーマとその周辺についての脳細胞をたくさん刺激したのでは
 と思います。

●講師の山田泰久さんは、さすがに日本財団CANPAN事務局のキーマン
 のおひとりだけあって、検討委員の意見への的確な反応は驚くばかりです。
 また、翌日にはさっそく山田さんのブログに、事務局や粉川さんなどのツイ
 ッターの書き込みをまとめたものや、当日のプレゼン資料、最後に紹介され
 たいくつかのサイトなどをまとめてアップされていました。情熱ですね。
 http://blog.canpan.info/c-koza/archive/180

<以下は、委員の発言に刺激され触発されて、
 服部が極めて個人的に考えたこと、感じたことです>

●議論のテーマは、『第三者認証』と『NPOの説明責任』でした

・NPOへの評価と言ってしまうと、まず拒否からはじまる。いったい何様が
 個々のNPOを評価できるのかというのは、率直な意見。拒否の姿勢が
 ないNPOは、自らの活動に自信やプライドがないのかと、返って信用で
 きない。お互を認めてこその対等な関係でこれがベースだ。

・評価という言葉は、上から目線、上下関係を思わせる。評価する側の
 価値基準で判断するのは勝手だが、それぞれの評価者の嗜好に、
 NPOがいちいちつきあう理由はない。勝手な枠をつくって、一方的に
 あてはめるのがNPOを認めるという、対等な関係のやり方なのか?

・フェィス to フェイス でつちかった信頼の上に互いの判断があって、
 信頼にもとづいて認めてくれるのならうれしいし、つきあいができる。
 必要なら、相当程度の信用情報も、個別に提供もしよう。けれども、
 勝手な評価の「垂れ流し」の先には、いったいどのようなつきあいが
 あるのか?

・評価ではなく、「情報発信の程度」で認証の星の数を決めるやり方
 から、運営方法、事業の内容へと展開していくのかもしれないが、
 情報発信のリスク、デメリットはどう考えるのか。伝わらず、誤解さ
 れることも多いし、世間は、社会はそんなにやさしくない。不特定多数
 に向かって、胸襟を開いて語り合うことは不可能だ。顔の見えない
 相手は信用できないし、社会や世間はえげつない。つっこみどころは
 満載で、攻撃・排除しようと思えば、弱小NPOの公開情報の中には
 材料はいくらでもありそうだ。そのリスクにどう責任を取る覚悟がある
 のか?法人かどうか以前に、NPOはNPO自身を守る義務がある。

・認証にしても評価にしても、事業を伝えるのはもっと難しい。公開情
 報はあっというまに勝手に整理され、微妙なニュアンスや思いはこぼ
 れ落ちてしまうだろう。だが、NPOが伝えたいのは、この事業の情報
 なのだ。評価者や認証者とは、出発点がまったく逆だ。課題の存在を
 アピールし、事業や思いをどう伝えていくのかが、NPOの関心だ。
 情報公開や、運営改善は、それにどう貢献できるのか。

・比較的固定的なホームページなどでの基本情報発信と、日々の
 うごきを伝えるブログを組み合わせることで、そのNPOの様子を
 知ってもらうことができるというのはそのとおりで、インタビューを
 そのまま編集せずに音声発信するのも、話される内容+その語り
 などから伝わる雰囲気や人柄が、伝えたいこと。文字やフレーム
 では入りきらないことを伝える方法だと思っている。

・基本情報を公開することは、リスクとメリットがある。不特定多数に
 向けた情報公開は、そのNPOの信頼度を上げ、資金や資源が
 集まりやすくなる。説明責任を果たすことがあたりまえの社会に
 なってきていて、かえって公開しないことで、信用が得られない
 ようになってきている。助成金申請などでも、一定程度の情報公開
 がされているか、あるいはその公開情報を判断基準の一部にして
 いるところもある。公開しないデメリットは大きくなってきた。

・認証する側と認証される側の両方の立場から考えられる。たとえば、
 資金・資源の流れの中流を、評価者がダムをつくってせき止めて、
 下流にあるNPOのへの流れを自分たちの思うようにコントロール
 することは、NPOの多様性を押しつぶすことにつながる。評価者は
 自分たちが関心ある課題解決ばかりを見て、実は個々のNPOが解
 決しようとしている課題を見ていないのではないか。評価者が、
 木を見て森を見ないのは、中間支援のNPOとしてどうなのか。

・フレームによっては、支援する側が知りたいことはこれかとNPOが
 知ることもできる。ただ、公開の技術・表現力の差で、受け取られる
 印象も大きく違ってくる。そういう資源獲得のうごき自体がNPOを
 エンパワーメントしてきたことを思えば、情報公開は自分たちの活
 動の延長線上として、位置づけられるかどうかで判断するべきだろう。

・情報公開しないと、なんだか取り残される気分にもなってきた。
 ポータルサイトは、いくつかできてきていて、NPOが公開するポー
 タルサイトを選べるようになるのがいい。それぞれの基準や思惑
 の違いを、読みとることが大切かと。

・公的資金が投入されているところについて、民間が評価するのは
 有り。もっと踏み込んでNPOの応援としてのスタンスで、個別の
 NPOの一部の情報発信を支えるポータルサイトというのは有り。
 どういうフレーム・視点で伝えるかがポイント。

・もっとパーソナルなつきあい・信頼の延長上に、情報発信応援と
 いうのがあるのではないか。

・・・・・・・ここまで・・・・・・・

場を与えてもらっていること、改めて感謝いたします。
「会議はスポーツである!」


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