閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

2012-11-05 09:44:28 | 日々


地面の草の上にふわりと落ちていた。
まだ落ちて間もないように新しかった。
こういうものを見つけるのは奇跡に近い偶然。
とてもうれしい。

かすかにグレイがかった白で、先がレモン色。
長さは3センチ足らず。
何の鳥だろう。
Mに資料棚にある羽図鑑を調べてもらう。
キセキレイ。カワラヒワ。アオジ。
このあたりで見かける鳥のうち、黄色いところのある鳥を
つぎつぎあたってみるが、どれも違う。
形からみて翼ではなく胸のあたりの羽?
それが3センチあるということは・・もう少し大きい鳥?

図鑑では、アオバトという鳥の羽が非常に似ている。
見たことのない鳥だけれど、いないとは言い切れない。
いるのかな。
アオバトという鳥は、生きている姿はなかなか見られないのに、
羽はなぜかよく見つかる・・と、この図鑑には書いてある。
ちなみに、アオバトの「アオ」もブルーではなく
オリーブグリーンから黄緑、そして胸は黄色い。




リュウノウギク。
白花の野菊の一種。

玄関前の芝とススキの斜面に、1株だけひっそり生えて、
25年間、増えもしなければ減りもしないでいた。
垂直に近い崖の石のわずかな隙間の土に根をおろしている。
こんなので大丈夫なのかと思うような細い細い茎だ。
毎年、地味な白い花をさがしては、ああいたね、
よしよし、と無事なことを確認していた。

野草は採ってこないで、自生する場所で観賞するのが基本だが、
この夏、大雨のあとに、根ごと抜けて下に落ちてしまっていたので、
緊急保護した。
平地では他の植物に負けて、生きのびるのはむずかしいと思う。
どこかに引越しさせようと見回しても、猪が掘り返さない場所で、
鹿に食われない場所で、草刈りのとき間違って刈られない場所が
思いつかなかったので、とりあえず、庭に仮植えしておいた。

環境がかなり違うので駄目かなと思っていたら、
いったん葉が枯れたあとから新芽が出て、小さいながら花もついた。
平らな地面に植えても、直立せず、枝分れして下へ横へと伸びたがる。
あまり花壇向きの植物とはいえない。
さし芽でふやして、あらたな永住の地をみつけてあげましょう。

 

本日のにゃんこ・・

 

じゃなくて、わんこ!
(ですが、閑猫式分類ではネコ科に入る・・笑)
ミニチュアちりめん細工。
鎌倉のおみやげにいただきました。
ありがとうございます~♪

 

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同じ空の下

2012-11-04 14:34:27 | 日々


たとえば、同じ雲、同じ虹を一緒に見ることができるのは
どれくらいの範囲だろうか。
ほら、いま、あの雲がきれいだよ・・と教えてあげられる人は
何人くらいいるだろうか。

人との距離は3通りある。
ふつうに声をかけて届く人と、
電話やメールや手紙の届く人と、
何もとどかない人。
それは必ずしも地理的な距離と一致するとは限らない。


 

『嵐が丘』をまた読み始めた。
「1801年」という年号から始まる。
日本でいえば江戸時代の話である。
とにかく、この時代の人はよく歩く。
なにしろ馬に乗る以外は歩くしかない。
電話も郵便もないのだから、直接出向いて行くしかないのである。
スラシュクロス屋敷のロックウッドは、雪の降りそうな寒々とした午後、
「気軽な食後の散歩」の感覚で4マイル歩いてヒースクリフを訪ねる。
いちばん近い「お隣」が彼の家なのだ。
もっとすごいのはアーンショー氏で、リバプールまで片道60マイルを
徒歩で3日で往復している。
1マイルが約1.6キロメートルだから、60マイルは96キロメートル。
熱海か小田原くらいから東京まで歩いて行って帰ったことになる。
マイルやポンドの換算はおっくうでつい飛ばして読んでいたが、
あらためて考えてみると大変な旅だ。
この人、リバプールに何の用事があったのかな。
馬を何頭も持っているのに、なぜ乗って行かなかったんだろう。
読み古した小説だけれど、読むたびにまた違うところに目がとまる。
面白い。
読んでしまったら『ジェーン・エア』もまた読もうっと。

 

 

いつもの空、いつもの場所。
雲釣り師、まだ飽きる様子がない。

 

 

たまにはこんな複雑雲も釣れるし。

 

 

こんな光もすくえるし。


 

わあ、右から何か変なのが来たよ~。
と騒いでいるうちに・・

 

 

どっしりとひろがって居座ってしまったのでした。

 

 

本日のお持ち帰り品。

赤く色づいたカラスウリ。
BSアンテナのケーブルにいくつもぶらさがっている。
後ろには黄色い実のピラカンサの木。

宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』に出てくる「烏瓜の燈火」は
「青いあかり」と書かれている。
子どもの頃は、青=ブルーと思って疑わずに読んでいた。
ブルーのカラスウリが存在しても不思議ではない世界ではあるけれど、
この「青」は、おそらくグリーンの意味だろう。
夏の夜の話だから、カラスウリの実はまだ熟していない。
未熟な緑の実をくりぬき、かぼちゃランタンのように内側から照らせば、
光が透けてあざやかな緑のあかりになることが想像できる。

しかし、その想像と、実物のカラスウリが、いまひとつ結びつかない。
これでは小さすぎるのだ。
バースデーケーキ用のろうそくでも入らない。
本当に火をともすなら、もっと実の大きい「キカラスウリ」でないと。
(それとも、そういう風習そのものが、賢治の創作なのだろうか?)
キカラスウリの実が手に入れば、一度ためしてみたいけれど、
このあたりで自生しているのは見かけたことがない。
苗を取り寄せることは可能だが、これ以上強力なつる植物をふやすと、
そこらじゅう大変なことになってしまう。

 

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小菊

2012-11-02 17:37:25 | 日々


集合住宅で育った小学生のころ、お庭のある一戸建てというのは
ちょっとあこがれであった。
小ぢんまりした平屋で、垣根などあって、春にはつるばら、秋には小菊。
そんなのがいいなあと思っていた。
そういう家に住んでいる同級生は、屋上と地下室のある
鉄筋コンクリのアパートが珍しくてしょうがなかったらしい。
当時、3階建てというのは高いほうだった。
いまはそのあたり、高層マンションが立ち並んでいるだろう。

鉢植えで買った小菊を地植えして何年にもなる。
スプレー菊といって、背丈が低く、小さい花がたくさん咲いていたので、
そういう品種なのだと思って買ったら、そうではなかった。
2回摘芯をして、3度目に伸びてきたのをさし芽して、
それをまた摘芯して、薬品で矮化処理というのをして・・
と、同じように咲かせるにはたいそう手間がかかるものらしい。
その上、うちの庭は夏じゅう日陰になるものだから、
どうしてもひょろひょろと長くのびすぎてしまう。

それでも今年は自己流でさし芽をしたタイミングがよかったのか、
ひょろひょろながらも、いつになく花の数が多くてうれしい。
つぼみを見ていると、にぎった手の指を1本ずつひらくようにして
毎日少しずつひらいていく。その様子も可愛らしい。

 

 

 
昨夜。
まだ木枯らしというほどには冷たくないけれど、
風が強くなり、ごうごうととどろく音をたてて吹き荒れる。
このあいだから室温が14℃くらいになっても、えりまき、ひざかけ、
猫などかきあつめてしのいでいた。
もう11月に入ったし、Mも帰ってきたので、煙突掃除をしてもらい、
ストーブに火を入れた。
ああ、やっぱりあったかいなあ。
いったんストーブをつけると、18℃でも肌寒く感じることがある。
鍋をのせる、やかんをのせる、洗濯物を乾かす、なにかと便利なので、
きっと毎晩焚くことになるでしょう。

玄関の外の階段にセンサーライトを置いてある。
夜間に人が来ることはめったにないので、ふだんは外灯をつけない。
これは電池式で誰か近づいたときだけ点灯するからいいと思っていたら、
風でひっきりなしに舞ってくる落ち葉にいちいち反応するらしく、
気がついたらつきっぱなしになっていた。
電池があっというまに消耗してしまうので、やむをえず中に入れたが、
きっと夜中にうろうろする猫に反応してしまうだろうから、
ねんのため電池もはずしておく。
(あとでよーく考えたら、わざわざ電池をはずさなくても、
センサー部分を壁に向けておけばよかったのでした)
しかし、落ち葉の季節はずっと使えないのか。困ったね。

 

香川のMの展覧会にて、サンゴロウボックス(10巻セット)を
お買い上げくださった方、ありがとうございました!
わたしは「全15巻」だと思っていますので、ドルフィンシリーズも
読んでいただけたら嬉しいです。

 

本日のにゃんこ。

なんかちっこいみどりがいっぱい出たよ。
ここあるいちゃだめ?
(だめー)

 

 

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露の月・その3

2012-11-01 09:06:09 | 日々


のんびりしているともう霜の月がすぐそこだ。

 

パピルス。

 

ホトトギス。

 

エンジェルトランペットのつぼみ。
くるくる巻いた傘・・というより、湯葉みたいである。

 

だいじそうに抱えていた水玉を見せてくれました。

 

水玉楽譜。

 

 

秋明菊の名残の一輪。

 

 

本日のにゃんこ。


本日もフレンドリーなボクは、茶々姫さんとご一緒してます。
茶々さんのお耳はどうしてそんなに大きいの?
マドちゃんの声がよーく聞こえるようによ。
なんちゃって。ははは。

(うーん、マドリと仲良くできないのは、さんちゃんだけか。
2メートルが限界、ツーショットは永遠に無理かも;)

ふん、ひとりが気楽だぜ。

 

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