画家の上野紀子さんが亡くなられました。
上野さんといえば「ねずみくん」が代表作のようになっているけれど、ねずみくんとは画風の違う、油彩で描かれた黒い帽子の少女とか、ちょっと暗めのシュールな世界もわたしは好きでした。
むかしむかし、大学出てすぐの頃でしたが、雑誌のお仕事で、上野さんにインタビューをさせていただいたことがあります。
鉛筆画に使う紙は、ちょっとでも傷があったり、手の脂がついただけでもう駄目で、取り扱いにとても気をつかうのだということなど…今でもよく覚えています。
一度だけ、幼年童話の絵を描いていただく機会がありました。
エプロンのポケットにうさぎを飼っている女の子の話。
ひさしぶりに出して見たけれど、この絵が、ほんとうに可愛い。
上野さんって、お小さいときはこんな女の子だったんだろうな…としみじみ眺めました。
『ポケットのはらでかくれんぼ』(文研出版 1984年)