閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

くまモンの謎

2013-11-09 20:07:36 | 

 

近頃はやりの・・って、もうだいぶ前からいるらしいけれど、
「ゆるキャラ」等と呼ばれる着ぐるみマスコット人形のたぐい。
スポーツチームから地方自治体から各種商業施設まで、
国じゅうのあらゆるところできりもなく増え続けている。
あれはもしかしたら現代の妖怪の一種ではなかろうか、
と疑いはじめた。
最初から飼い馴らされた設定の妖怪。
そう考えないと理解できないようなのが多数いる。

わたしは「ブーフーウー」の時代から着ぐるみがどうも苦手で、
ディズニーランドにも行ったことがないし、
イベントで見かければ必ず避けて通る。
目がどこ見てるのかわからないし、話も通じなさそうだし、
むやみにばたばたと手を振り回したりするので怖い。
人間というのは、表現をするとき、言語だけでなく、
多彩な表情や身振りしぐさを無意識のうちに使っている。
微妙な角度で首をひねる。髪をさわる。薄く笑う。ちらっと舌を出す。
そうしたきめ細かな表現を封じられた、とらわれの身の彼らは、
かろうじて自由な部分をばたつかせるしかない。
気の毒で見ていられない。

・・なぁんて言っていた閑猫ですが、
なぜか突然「くまモン」のファンになってしまいました(笑

なにしろ「熊」である。発想がまっすぐでシンプルだ。
もともと擬人化された熊は絵本などで見慣れているせいもあって、
二足歩行していても違和感がない。
にょっきり脚の生えた「山」だとか、目鼻をつけた「芋」だとか、
あるいは説明を聞かないとわからない、聞いてもわからない、
ご当地名産よせあつめキメラ妖怪的マスコットと比べれば、
くまモンは、ものすごく自然で受け入れやすい。
(わたしは「ふなっしー」を「バナナ」と思っていたんですが、
あれ、梨なの? そう? 「東京ばな奈」に似てない?)

「ぱかっ」とあっけらかんな表情もまた良い。
笑っているようでもあり、まじめなようでもあり、
とぼけているようにも、困っているようにも見える。
能面ではないけれど、ひとつでいろんな感情を表わすことのできる
オールマイティーなデザインだ。
この顔のおかげで、こまかい表現ができない着ぐるみのイライラが
かなり軽減されているのではないかと思う。
いや、中のヒトにはさまざまなご苦労があるだろうけれど、
(あ・・すみません、中のヒトって言っちゃ駄目?)
イライラしてないように「見える」ので、こちらもずいぶん気が楽だ。
癒される、という言葉を適用してもいいような気がする。

そして、動きが上手。
ぽてぽてしているがハリボテではなく柔らかい素材のようで、
お辞儀も踊りも驚くほどなめらかにこなしている。
ちゃんとそのためのトレーニングを積んだプロなのだろう。
やたらと無駄なジェスチュアをしないので気持ちが良い。
立っているときはぼけーっと立っている。
直立不動・・とはいかず、ちょっとゆらゆらする。
そのうち、飽きた、というように、もそもそ移動したりする。
まるで大きな幼児のようだ。
すべて計算された動きだとしたら、すごいと思う。

このあたりで「くまモン」の実物に会える可能性はほぼゼロだが、
もしもどこかで見かけたら、積極的に寄っていくかもしれない。
写真だって撮ってしまうかもしれない。
ちょっとおなかをさわらせてもらったりしちゃだめでしょうか。
握手なんかできたら「きゃあ♪」と喜んでしまいそう。

熊本は亡父の出身地でもある。
若いときに郷里を離れて、そのまま戻ることのなかった人だが、
少年時代を過ごした山村の話は好んでしていた。
わたしは2度しか行ったことがないけれど、
くまモンに肩入れしたくなるのはそのせいだろうか。
子どもの頃、「おてもやん」の古いSP盤レコードをよく聴いた。
うろ覚えながら、歌えと言われれば(たぶん)歌えます。
踊りはできませんけどね。

(くまモンのどこがいいんだろう?と思って
「謎」のカテゴリーで書き始めたのですが、
書いているうちに謎じゃなくなってしまいました。
熊がいない県なのに熊本、っていうことのほうが謎)

 

本日の「いいね!」

くまモン関連の動画はお好きに検索していただくとして・・

スノーベア (動画)

コーラはぜんぜん飲まないんですが、このCM可愛い。

 

コメント
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