普通アニメの場合劇伴はかなりギリギリにならないと発注が来ない(設定等が煮詰まらないため)ため、大概主題歌の方が先に作られるのですが、今回は「超速スピナー」と番組開始を意図的にずらした事もあり、劇伴と平行して主題歌を制作する事になりました。例によっておはスタ用30秒、ビデオ&番販用90秒、フルサイズをそれぞれ作らなければならないのですが、OPの場合30秒サイズのエンディングはフルサイズで言うところの2コーラス終わりになっていまして、そこにブレイクを作ってそれを30秒サイズのエンディングにしています。90秒サイズの方はフルサイズと同じエンディングを使っています。この「2番終わりのブレイクをTVサイズのエンディングにする」という手法は結構その後も使っていまして、最近作「仮面ライダーカブト」のOPなんかもこの手法です。TVサイズのエンディングは結構サクっと終わらなければならない場合が多くフルサイズのエンディングにするにはあっさりし過ぎる場合が多いので出来れば別の物にしたい。でもTVサイズだけのエンディングを別に作るとそれはそれでフルサイズを聞いた時ちょっと寂しい・・・という二つの欲求に答えた上手い方法だと自負しております。我ながら名案(笑)
またこの作品から積極的にオーディオソフトを使うようになり、各TVサイズの編集も自分でやりました。と言うか、当時レコーディングスタジオにおいてProToolsはオプション料金扱いだったんですね。TVサイズ編集のためだけには借りられないし、でも今時アナログマスターテープにハサミ入れたりMTRのサンプリングで編集するのも嫌なので、自分のDigital Performerで編集するようになりました。思えば「金色のガッシュベル!」(3年前)まで自分で編集してた覚えがあるので、結構最近迄オプション料金だったって事ですね。今じゃ逆に3348(一斉を風靡した48chデジタルMTR。当時録音スタジオの定番)がオプション料金の所さえあるそうですけど。ちなみに30秒サイズのイントロは拍の途中でぶった切るようなかなりキビシイ編集をしているのですが、こんな事が出来たのも自分編集ならではですね。(残念ながらビデオに収録されているのは90秒サイズなので、この30秒サイズを聞く事は現状ほぼ不可能です)
OP/EDはドラムTスクェア長谷部徹氏、ベース角松敏生インストツアー青木智仁氏、ギター松岡直也バンド今泉洋氏というこれまた高校~大学時代に一方的にお世話になった方々。これに更にエリック宮城ブラスセクションが乗るという超豪華布陣。歌も遠藤正明氏と水木一郎氏というこれまたアツい取り合わせで、ワタシの作品としては珍しく熱血な主題歌になりました。あ、あとおなじみポケモンキッズも(笑)。
OPはディレクターのアイデアで、「B-Fight!」という最初の歌詞の所にメロディーを無視して合いの手を入れる形にしたのですが(もともとその後の2小節と同じ譜割りだった)、これはハマって良い結果になったと思います。このコール&レスポンスに最適なパートのお陰で、遠藤氏のライブでは終盤のクライマックスの定番曲になっているようです。
しかしアニメそのものは若干不遇な面も有りました。アニメのデジタル化の過渡期に当たってしまい、アニメ制作会社のフルデジタル初作品であったため、多くの部分が試行錯誤の連続でした。演出の部分にもそれは及び、原作のファンからは「原作の熱さが全く生きていない」とお叱りを受ける事も多々あり、いたたまれない思いを何度もした記憶があります。同じ制作会社がフィルムで制作していた「超速スピナー」を見る度に「なんでこっちだけフルデジタルなんだよ」と嫉妬した事もありました。結果的に開始1年を待たずして打ち切りとなってしまうのですが、こういった作品のチャレンジのお陰でまたたく間にデジタルアニメ制作のノウハウが蓄積され、それからわずか2、3年で全てのTVアニメがフルデジタルになってしまったのですから、まあ一応果敢な先駆者だったって事で、それはそれで今となってはいい想い出でございます、ハイ。
またこの作品から積極的にオーディオソフトを使うようになり、各TVサイズの編集も自分でやりました。と言うか、当時レコーディングスタジオにおいてProToolsはオプション料金扱いだったんですね。TVサイズ編集のためだけには借りられないし、でも今時アナログマスターテープにハサミ入れたりMTRのサンプリングで編集するのも嫌なので、自分のDigital Performerで編集するようになりました。思えば「金色のガッシュベル!」(3年前)まで自分で編集してた覚えがあるので、結構最近迄オプション料金だったって事ですね。今じゃ逆に3348(一斉を風靡した48chデジタルMTR。当時録音スタジオの定番)がオプション料金の所さえあるそうですけど。ちなみに30秒サイズのイントロは拍の途中でぶった切るようなかなりキビシイ編集をしているのですが、こんな事が出来たのも自分編集ならではですね。(残念ながらビデオに収録されているのは90秒サイズなので、この30秒サイズを聞く事は現状ほぼ不可能です)
OP/EDはドラムTスクェア長谷部徹氏、ベース角松敏生インストツアー青木智仁氏、ギター松岡直也バンド今泉洋氏というこれまた高校~大学時代に一方的にお世話になった方々。これに更にエリック宮城ブラスセクションが乗るという超豪華布陣。歌も遠藤正明氏と水木一郎氏というこれまたアツい取り合わせで、ワタシの作品としては珍しく熱血な主題歌になりました。あ、あとおなじみポケモンキッズも(笑)。
OPはディレクターのアイデアで、「B-Fight!」という最初の歌詞の所にメロディーを無視して合いの手を入れる形にしたのですが(もともとその後の2小節と同じ譜割りだった)、これはハマって良い結果になったと思います。このコール&レスポンスに最適なパートのお陰で、遠藤氏のライブでは終盤のクライマックスの定番曲になっているようです。
しかしアニメそのものは若干不遇な面も有りました。アニメのデジタル化の過渡期に当たってしまい、アニメ制作会社のフルデジタル初作品であったため、多くの部分が試行錯誤の連続でした。演出の部分にもそれは及び、原作のファンからは「原作の熱さが全く生きていない」とお叱りを受ける事も多々あり、いたたまれない思いを何度もした記憶があります。同じ制作会社がフィルムで制作していた「超速スピナー」を見る度に「なんでこっちだけフルデジタルなんだよ」と嫉妬した事もありました。結果的に開始1年を待たずして打ち切りとなってしまうのですが、こういった作品のチャレンジのお陰でまたたく間にデジタルアニメ制作のノウハウが蓄積され、それからわずか2、3年で全てのTVアニメがフルデジタルになってしまったのですから、まあ一応果敢な先駆者だったって事で、それはそれで今となってはいい想い出でございます、ハイ。