まちづくりはFeel-Do Work!考えるより感じよう、みずから動き、汗をかこう!(旧“まちづくり”便利帳)

まちづくりの支援者から当事者へ。立ち位置の変化に応じて、実践で培った学びの記録。もう一人の自分へのメッセージ。

日本の村 小さい部落

2006-06-25 13:00:00 | おすすめ書籍など
日本の村―小さい部落

守田志郎著 農山漁村文化協会

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前回紹介した(社)農山漁村文化協会「現代農業」主張2005年10月は、「戦後60年の再出発 若者はなぜ、農山村に向かうのか」というタイトルでした。
これを読んだ時、かつて守田志郎さんが語った言葉の鮮やかさに、改めて脅かされます。以下は1973年に発表された文章からの抜粋です。「互助社会論」と共にお薦めします。

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「鉄とコンクリのつみあげをはてしなく続ける都市に暮らし、そのつみあげの大きさが人間の大きさを示すかのような錯覚に落ち込んでしまっているのが、日本の都市の人間なのだと思う。」

「住みついたのが昨日のことか十年前のことか三代前のことかを問わず、都市人間になる過程で、ほぼ確実に忘れてしまうことがある。「田舎から出てきた自分」ということについてである。「田舎」を「村」と言いかえてもよい。そして、もうひとつつめてみれば、そこにはほぼ例外なく部落がある。」

「都市人間ができていく過程は、一人の人間が具体的な動機をもって村を出るといった個別的な姿をとってはいるが、根底的には、おおむねその人つまり都市人間となるべきものを余計ものとしてはみださせていく作用が、部落のなかで不断にはたらいていることの結果だという点についてである。」

「はみだしの必然性の理解は、みずから蟠踞する日本という社会の性質を知るにも、またさらに、その日本という社会のなかでの都市を位置づけるのにも、このうえなく役にたとうと思うのである。」

「よそから物をとってくることもせず、領土を拡大するのでもなく、みずからきめた囲いのなかで作り暮らすという、人間としての一番本来的な存在のしかたを続けていくための、部落における約束ごとをつらぬく大切な原則を、波を立たせないという感じの物事の処理のうちに見なくてはならないようにも思えてくる。消極的に見せかけられてはいるが、そこには大変な積極性がひめられている。
啖呵を切り尻をまくり、そして荷物まとめて飛び出してくるなどということのほうが、よほど消極的な行動様式なのかもしれない。」

「部落の外に出てしまっている私自身にとって、厳存する部落はどういう意味を持っているのだろうか。とうの昔に市民革命を過ぎてきたことになっている日本のことである。だとすれば、私を含めて都市に住んでいるものが市民ということになるのであろうか。そうだとすれば、農村に厳存する部落の構成員として、日々そこで暮らし、米や野菜や牛乳や卵や蚕を生産している農家の人達は何なのだろうか。市民になりそこねたのろまとでもいうのであろうか。そういう理論にならざるをえないのが、日本での部落にかんする常識的な考え方見方なのだが、私はここになにか大きなまちがいがあるのではないか、と思うようになった。
 そう思いながらのことだが、日本における、市民と自負する私達の背広はしだいに色褪せはじめ、その足は大地から離れて、いとも頼りなげに遊離するかに見えてくるのである。
 いつしかその住む都市の巨大さに酔いしれている私達が、ふと心のどこかに不安のかげりをみるようになっている現在、その小ささという本性をけっして崩そうとしない部落の命脈のながさを知るとき、同時にわが住むありかにくらべてその重さのはかりしれなさに感じいるのである。」

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1 コメント

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感激しました!!! (啓嗣)
2006-06-26 01:05:11
大学院をやめた理由はまさにこのことかもしれません。



過疎地域を対象にするものの、語られる話は明るい市民社会像→まちづくり。



江戸時代と変わらないシステムと都市化する生活・・・その他多くの矛盾を孕んだ田舎=ムラに対する方策もないままに語られる「市民社会」「NPO」・・・そこに答えがあるわけも無く、ただただ、途方にくれていた自分がありました。



都市において(学問の世界において)、過疎地域を語るに値しない「立場」(=客観性がない)の自分ですから、氏のように自分を割り切れなかった自分にとっては、とても強い言葉でした。



こんな力強い言葉を自分もいつか持ちたいです。

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