まちづくりはFeel-Do Work!考えるより感じよう、みずから動き、汗をかこう!(旧“まちづくり”便利帳)

まちづくりの支援者から当事者へ。立ち位置の変化に応じて、実践で培った学びの記録。もう一人の自分へのメッセージ。

市民参加の壁を超える5つの視点(イノベーション普及理論)

2010-03-26 12:54:24 | まちづくりのキーワード
 ▲図は@IT情報マネジメント用語辞典より

まちづくりの実践者にとって、「イベントの参加者が集まらない」「ボランティアが集まらない」「プロモーションが次につながらない」など、市民参加に関する悩みは尽きません。

これと同じことは、ビジネスの世界でもあるわけで、そこでどんなアプローチを行っているかというのが参考になりそうです。
マネジメントの要となる2つの要素は「マーケティング」と「イノベーション」。このうち、既存のニーズに対応する「マーケティング」に対し、中長期的な視野に立ち、「既存の資源(人的・物的・社会資源等)に、新しい、より大きな富を与える仕事」を意味する「イノベーション」の中に、役立つヒントがありました。

その説明の前に、まず「イノベーション」がどのような過程を経て普及するか、一般的な知識を見ておきましょう。
イノベーションの理論において、世界的に最も使われるのが、米国の学者エベレット・ロジャーズです。彼は、新製品の普及がどのように起こるのか、普及と時間の関係を正規分布図で示しました。そして、普及の時間的なズレに着目し、イノベーションを採用する人を次の5つのカテゴリーに分類しました。

 1)イノベーター(革新者)2.5%
 2)アーリーアダプター(初期採用者)13.5%
 3)アーリーマジョリティ(初期多数派)34%
 4)レイトマジョリティ(後期多数派)34%
 5)ラガード(遅延者)16%

そして、製品の普及に大きな影響を及ぼす「イノベーター」と「アーリーアダプター」に如何にアプローチするかが普及のポイントと考えられるようになりました。ただ実際には、上記2者が占める初期市場に普及したかのように見えても、一般市場に普及しない商品もあり、特にハイテク業界においては、初期市場と一般市場の間にイノベーションを阻む深い溝(キャズム)があるとマーケティング・コンサルタントのジェフリー・ムーアは指摘しています。

市民参加においてキャズムがあるか否かは定かではありませんが、ロジャーズの理論によれば、イノベーション採用のポイントとして、次の5つの要因を挙げています。

 1)相対的優位性
 2)両立可能性
 3)複雑性(単純性)
 4)試行可能性
 5)観察可能性

これには補足説明が要りますが、社会活動にあてはめて考えると、以下のようになるのではないでしょうか。

 1)相対的優位性
  他の社会活動よりも優れていると認識される。
 2)両立可能性
  参加者の価値基準や社会規範と両立可能である。
 3)複雑性(単純性)
  複雑で理解しづらいということがなく、シンプルでわかりやすい。
 4)試行可能性
  本格的に参加する前にお試しの機会があって敷居が低い。
 5)観察可能性
  活動が目につき易く、他人が参加している様子を窺い知ることができる。

どうでしょうか?
これまで「なかなか人が集まらない」という活動は、上記のようなポイントに注意を払っていたでしょうか?
例えば、活動の成果が目に見えてわかりやすい“ゴミ拾い”や“山林の間伐”などでは、「複雑性」の面で優れているだけでなく、「知り合いが活動に参加し、汗を流した後に美味そうにビールを飲んでいた」等の様子を見聞きして参加する人も多く、「観察可能性」の面でも優れているようです。

以上の5つの視点を持って工夫することにより、悩みの種となっていたこれまでの活動が、共感者を増やし、今以上に広がる可能性が高まるかもしれません。
ぜひ目前に控えた活動から実践してみて下さい。

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中野 明
PHP研究所

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