ケミストの日常

大学化学系教員の日々考えること。
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教員の新規採用状況

2010-08-18 19:21:59 | 若者・就職・未来
学校教員の年齢構成
学校教員数の変遷

と学校の教員の状況を見てきました。

本来の意図は、『「若者の搾取」というキーワードで大学卒業者の就職の状況を見ていこう』でしたが、どうも数字を見ていると事情が違っているようで。

市場(需要)が縮小している中での雇用者の現実、とのことである程度は説明できてしまいます。
団塊ジュニアが卒業して以降は小学校、中学校、高校とも教員一人当たりの児童・生徒の数は大きく減少しています。
つまり、1人の教員が見る生徒数は年々少なくなって少人数教育に向かっている。
それでも新規採用が絞られているというのが現状です。



この新規採用の現状をもう少し追ってみます。
教員免許状取得者数及び教員採用者数、競争率の推移という中央教育審議会初等中等教育分科会の 教員養成部会(第54回)における配付資料資料に、過去20年あまりのこういった数値の変遷が載っています。

資料を見たら教員数の変遷で予想される採用状況となっています。

小学校ではH11で採用minimumで、H18はだいぶ持ち直して11588人。
中学校でもH11で採用minimumで、H18はだいぶ持ち直して6170人。
高校では、H18で 2563人でminimum。

他の数字もなるほどと思わないでもありませんが、とりあえず、置いといて。



学校教員統計調査の教員異動調査から新規採用の年齢分布を見てみます。
なお、こちらは講師含んでの数字で、しかも講師の数が学校基本調査と齟齬があるという、留意点があります。

H10年度資料のH9年度中の新規採用。

青が小学校、赤が中学校、緑が高校です。
全教育機関とも同じような年齢分布でほとんどが30未満での新規採用となっています。

これがH18年度中の新規採用になると。

新規採用年齢が高齢化しているのが確認できます。

教員採用「浪人」による影響と言ってもいいでしょう。
既卒者との競争で新卒での採用が減って、既卒者の採用も高齢化しつつあります。
採用者全体に占める新卒者の割合は、新卒者を22,23歳としても高校では17%程度、中学で22%程度、小学で29%程度。

教員採用「浪人」の多くは臨時採用や非常勤の講師として教育経験を積んでいきます。
忙しくて教員採用試験の準備に時間が取れないという状況の中で、何年も浪人を繰り返したり。
一方で臨時教員経験者について一部の試験を免除という流れもできてきています。

大学のテニュアトラックと似た状況でしょうか。

ある意味「合理的判断」ですが、それは、既得権益者を保護し、若者に不利益を強いるものである、というのがここでも確認できます。



ちなみに離職の状況も

意外と若年層ですぐ離職していく人数がいるのですね。
採用数自体少ない年齢層ですから、率にすると結構高くなりそうです。

なお、これらの数字には、臨時採用教員も含まれているようです。



こういった実情を踏まえたうえで、ようやく臨時採用などの非正規雇用について考えてみます。

小学校ではH11で採用minimumで、H18はだいぶ持ち直して11588人。
中学校でもH11で採用minimumで、H18はだいぶ持ち直して6170人。
高校では、H18で 2563人でminimum。

の教員採用数。
これに対してどれだけの任期付き教員が学校現場で働いているのか。

学校教員統計調査や学校基本調査はこれらの教員含むです。

H18年度について教員養成部会からの採用数と、学校基本調査の講師・非常勤講師など非正規採用教員数を比較してみます。

非正規は本務講師と非常勤講師の人数の合計です。
このうち、非常勤講師は教員採用を狙った人のほかに、社会人や退職者、本人の意思によるパートタイム勤務希望もあり、また、兼務もありで単純に比較できません。

それでもかなりの数の非正規採用教員が学校現場を支えているという現状が見えてきます。

非正規採用教員に関するいくつかのページ。

毎日新聞「新教育の森」(2003年3月17日)記事全文(写真は略
10万人が臨時教員/教員全体の数 横ばいなのに/失業の不安を抱えながら
学校で非正規雇用教員急増

他にもブログその他、非正規雇用教員を扱うサイトは多数。

時間がなくなったので、文部科学省の資料からどういった問題が見えてくるのかは、次回に。

続きは
非正規採用教員の現状



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