23年前に観た地味な映画なんですが、私の中では忘れられない作品です。
監督は「小栗康平」さん。昨年紫綬褒章を受賞されました。
10年に1・2作品しか手掛けないという寡作な映画監督さんです。
主人公は在日の青年。
その恋人役として…当時二十歳(写真)だった、今や渡辺謙さんの奥様・南果歩さん。
彼女の役は、日本人の親に捨てられ、在日の養父と日本人の養母に育てられた少女の役でした。
自分を捨てた親を恨みながらも、在日の養父に対しても、日本人の養母に対しても、距離を持って見ています。
恋人の胸にすがって…
「いやぁ! 日本も、朝鮮もいやぁ!」と泣きじゃくる姿が切なかったです。
私は在日でも何でもありませんが、
アイデンティティが確立していないと、人間はこうも不安定なものなのかと、
痛感させられます。
それは、国籍に限らず、言えることです。
パンフ持ってるなんて、うらやましい!
「伽耶子のために」…観られたんですね。良かったですね。私も忘れられない作品です。
とても切ない映画でした。
サンジュン(主人公)を演じた方も、とてもいい味出してましたよね。後にも先にも、この映画以外には一切役者はやってないとパンフにはありました。在日の彫刻家の方…ともありました。今は何やってらっしゃるんでしょうね?気になります。
つくづく観といて良かったぁ…と思いました。
全作品といっても5本だけですが、5回券を購入し、まず最初に、昨日この作品を見てきました。
一晩寝て起きた今朝のほうが感動が深くなってるなんて映画、滅多にありません。
記事にできるほど言葉がまとまるには、まだまだ時間がかかりそうです。
公開時に劇場でご覧になったというのはスゴイなあと改めて思います。
だけど、小栗さんの映画は見る側にも、すごく集中力が要ります。
こちらも、じっくり気合を入れて観ないことには、理解できませんよね。
逆に見る側の、こちらの真価が問われる作品だと思います。
もう一度気合いを入れ直して見てみようと思います…。
そうなんですか…。
私は、「泥の河」と、この作品しか観てないんです。
この「伽耶子のために」は映画館でみました。パンフレットも今も大事にしています。ほんとに深い映画でした。
「眠る男」は観てないです。「死の棘」と「埋もれ木」は、まだじっくり見てないです。
年のせいか、最近こういう映画を見るのに、すごいエネルギー要ります…。というか子供に邪魔されて、ゆっくり見れません。自分だけの時間がないです…
お金に余裕があるときにDVDボックス買おうかなと思ってるんですが、なかなか…。