池上優游涵泳

「料理と散歩と仕事で海外」「ベトナム生活あらかると」改め、「池上優游涵泳」として日々を綴っています。

妖怪とヒトの境界線展

2019-08-29 18:07:03 | 見学・観賞

最近ペースがちょっと鈍っていた、ジャガイモの消費。

今晩は、最後の”インカのめざめ”で酸辣土豆(ハノイの河内老成都の美味しかったなぁ)

ピーマンも一個残しがあったので、ベランダから熟した鷹の爪を摘んで、

黄色、緑、赤で彩り華やかに、鷹の爪の辛さも自分が育てた故に愛おしくもあり(笑)、金麦も進みます♪

 

さて、最近、夏休みの自由研究と称して、近隣の博物館を観てまわっていますが、

行くと、入口などに、他の博物館、美術館や、イベントのパンフなどが沢山置いてあって、次はここ行ってみようというモチベーションを得ます。

そんなパンフの一枚が「妖怪 ヒト ファンタジーからリアルへ」でした。(郷土博物館だったかな、もらってきたのは)

 

幽霊は実際に見えてしまう故に、あまり好きではないのですが(怨念とかぶつけられると、ほんと洒落にならないし)、

妖怪というか、妖怪モノはかなり好きです。

小説の”しゃばけ”シリーズはずっと読んでいますし、

漫画の”ぬらりひょんの孫”は、ベトナムにいる時、日本食屋に置いてある数巻を読んで、面白くなったので、東京出張で全巻大人買いして、ベトナムに持って行きましたし(もちろん、アニメも今は亡きanitubeで観ました)、

欧米のモンスターとは違って、人ではないけど人っぽい、ちょっと見た目は不気味だけど愛嬌もある、でも人の業だけをそのままに具現化した切なさも纏っている、そして人と生活圏を共有する身近な存在とでもいいましょうか。

 

で、場所はというと川崎市民ミュージアム

まあ、歩いていけないことはない。多摩川台公園の川向かいくらい。

ゴジラに壊された丸子橋を川崎側に渡って、スタジアム目指して歩けばいいので、片道1時間半はかからない。

(これを徒歩圏と呼ぶかどうかは、異論あろうかとは思います)

 

問題は時刻。

公園に行くだけなら、暑くなる前、早朝に行けばいいのですが、ここが開くのは9:30。

ここしばらくは、朝から暑かったし、観た後、南中時刻に、1時間半かかって帰ってくるのもキツイ。

8/11(日)は、14:00から木原浩勝氏のトークショーがあるので、それに合わせて行こうかとも思ったのですが、あの日歩いて行ったら熱中症で死んだかもしれなかった。

結局、引き伸ばして、ついに今日行きました。

しかし、昨日より、8℃も高かったという今日行ったことが懸命だったか、というと”違う”と断言できますけどね(汗)

 

さて、この企画展、どのようなテーマかと言うと、

「近世から近代にかけて人々が抱いた恐怖や畏怖の対象が、妖怪から人間――ファンタジー<異界>からリアル<現実>になっていく様子を、「妖怪」と「ヒト」の境界線に注目し、市民ミュージアムの多様な収蔵品約100点から辿ります。」

写真撮影禁止でしたので、ざっくり展示の流れを説明をしますと、

最初のセクションでは、身近な存在であった妖怪の代表、河童について(清水崑の漫画(子供の頃に見た黄桜のCMの河童)などの展示)、そして鳥山石燕竹原春泉などによって妖怪の名前とイメージが一般に浸透していったことが紹介され、

次のセクションでは、妖怪とヒトの境界線として、人の業というか、恐ろしさを妖怪に映して風刺画化されたり、江戸時代から明治時代にかけては錦絵として妖怪(または幽霊)のイメージが拡まっていく様子、

最後のセクションでは、近代化(モノだけでなく、ヒトの精神も)によって、妖怪は消えていき、妖怪によって幻想的、間接的に表現されていた、ヒトの業、恐ろしさが日清・日露戦争で現実化、表面化していったことを紹介しています。

 

感想としては、

百鬼夜行絵巻相馬の古内裏のような有名な妖怪画などの展示を期待していくと、ちょっと肩透かしを受けます。

江戸時代の妖怪図鑑のようなものの流行で、妖怪の名前とイメージが、一般的に広まっていく様を、展示された絵本からみるのはいいのですが、

(駄菓子屋の玩具の絵のようなイメージから広まっていったんだなぁ、と)

最初の河童の漫画と、日清・日露戦争の錦絵の展示は、ちょっと強引な感じを受けましたね(苦)

展示を盛るための、テーマ後付けのような。。。

まあ、一番怖いのは人間、という台詞はお馴染みですが、

そもそも、妖怪とは古くから怖いものだったのか?

人の恐ろしさを具現化したものだったのか?

精神の近代化で、妖怪というバーチャル表現ではなく、戦争で人の恐ろしさがリアル表現されたのか?

というのは、なんか違和感があります。

 

まあ、内容はパンフとHPで確認してから行ったので文句は筋違いだし、200円の企画展ですしね。

でも、妖の出てくる時代物の小説にも度々登場する鳥山石燕の絵ってどんなだろうと思っていたところ、その絵本を見られたし、

パンフレットに印刷されている、月岡芳年の”葛の葉”もいいですね。縋っている稚児は安倍晴明ですかな。

(”ゆらりひょんの孫”のファンなので、私は蘆屋道満派ですが)

歌川国芳の作品の展示はちょっと、、、でしたが、却って、ちゃんと観に行こうという気になりました(苦)。

河童のセクションを強引と言っておいてなんですが、

豊後で捕まったという河童の絵から、河童のイメージがスタートしたような感じも、興味深かったです。

 

それと、件(くだん)の剥製が展示されていました。

牛から産まれて、必ず当たる予言をして死んでしまう生き物。

さて、本物か?気味の悪い迫力はありましたけどね。

 

ところで、こちらの川崎市民ミュージアムは、等々力緑地内にありまして、

まずは、緑地内を散策して、9:30の開館に合わせたので、

次は、等々力緑地を紹介したいと思います。

 

また、川崎市民ミュージアムの常設展(無料)も、なかなかのものでしたので、そちらも追って紹介しようと思います。

ではでは



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