老いぼれよれよれ道中記

ひまなじっさまが、余生のあるうちはと、内外のおもしろげな街や村をほっつきあるく旅日記

第8次作戦=祖国に凱旋

2012年05月15日 | Weblog
♪・・泥水すすり 草を噛み 荒れた広野を 幾千里~

老兵敬助、今次作戦に出征以来、かかる異国での厳しき進撃を継続するにほぼ3ヶ月ぶりにして、かろうじて祖国に生還すれば、ここにその祖国凱旋の日記を略記いたす次第であります。

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■ 4月29日 <帰国前日>


翌朝8時のフライトであれば、ここは先手必勝と前日なれどこの日の夜遅く空港行を決断したるは、すでに前日記にて報告したるところ。

なれば、午前中は宿営にて最後のこのクアラルンプールの街にてバタバタと買い集めた郷里への土産となす戦利品を含め、装備や携行物のバックへの収納に鋭意奮闘すれば南国にしてエアコンなき安宿ゆえ、老体の汗、ひとかたならず。

くわえて、ほぼ3ヶ月間における戦塵の垢も、本来的に異国で生じたものであれば、これを本国に持ち帰るは不本意となし、<現地の垢は現地の水にて>の基本戦略により、最後の<シャワー>を敢行し時計を見れば、はや宿チエック・アウト時間の正午である。

<急がば、駆けろ>。2階の我が宿営部屋から、デカ・バックを階段を引き摺り降ろすようにして一階フロントに降ろしスタッフ氏にその保管を依頼したところで思わぬ局地戦が発生。

<このバッグを夕刻まで管理されたし>
<OKだ。ただし、3Rmを徴集させていただく>

おい、3リンゲといえば邦貨100円強。一泊、500円程度の安宿で、国際条約の決めがあれば別にしてそれはねぇだろう。
アジアの宿では、まず、泊まり客ならタダがあたり前。
それを、こんな安宿に5泊もしてやったわしに要求するとは!

反撃の敵意も湧くも、<敗北すれば、それこそ悲惨な結果に>

というのは、この午後の戦略。
空港泊まりであれば、早く突入するほど持久戦が長びき、これは避けたし。
出来れば、夜間、遅ければ遅いほどよし。

ならば、今回はこのクアラルンプールの街で観光らしきことをしておらねば、ここで相手側観光局長のお顔をたてと、思いついたのがかなり遠方になるが、隣県に位置する超デカ・モスクの偵察行。

これに、重装備を携帯してでは、勝負にならなければ、潔く相手側条件を受け入れ荷物管理を依頼。但し、その保管場所がなんと2階であれば、今度は降ろすに倍加の苦戦必定と思慮し、暫時、夕刻までこのフロント・デスクの陰に置かれたしと一矢を放てば、相手側は拒否。

なにをいうか。そもそもエレベーターなきはそちらの責任と、ここは強引に押し付けまるで逃亡するかのごとくホテルを出立。時にほぼ午後1時。

単騎出撃であればその進撃ルートは、手元のガイド本<地球の歩き方>を唯一の情報源にして、あとは宿で貰いし市内地図と手にする磁石で方角を定め・・
いうところの<按摩の手探り>状態にて進撃。


ただし、ここでの大問題は、唯一の重要情報たる<地球の歩き方>が多くの旅人から指弾されるごとく


 
腕が未熟で、写真でははっきりコンしませんが・・・・

<屹立するミナレットに感嘆。スルタン・サラフディン・アブドゥル・シャー・モスク。略。世界で4番目に大きなモスク。4本のミナレットが美しく聳えており、ブルー・モスクという愛称で親しまれている>

で、この案内文はよしとして、問題はそこに至る<交通アクセス>の説明。
これが使いものにならず迷うだけ。表記の中華街にあるクラン・バスステーションに行き<わし、ここに行きたいある>と現地人にモスクの写真を見せ、その名前を喚けど、そんなバスはないよ、とか別のバス停に行けの反応ばかり。

ここは、権威者というか専門家に聞け。待機中のバスにのりこみ、運転手に聞けば行くべきバス乗り場と、そこでのバス番号が


これが、<ブルーモスク>の尊称を持つ世界の四番目の規模を誇り、その上、多分、多分ですが、サンピエトロ寺院や本願寺など世界的宗教施設のなかで最も観光客が少ないであろう観光寺院の内部と正面であります。

これほどのモノが、片道3Rm<80円>の市バス料金だけで観光できるシアワセ。比べて、軒並み観光税を巻き上げる我が京都の観光寺院。
しがない年金暮らしのわしの足が、しかたなくアジアに向くのは当然ですわなぁ。

この拝観料タダの世界的デカ・モスク。各位さまには中華街はモノレール駅反対側の歩道脇から出る<U80番>市バスにて是非、お訪ねいただきますよう僭越ながら御案内させていただきました。



クアラルンプール・セントラル・ステーションから最終のシャトル・バスに乗りこの夜ひと晩、無料でお泊めいただいたその国際空港出発ロビーのひと隅がここです。

へい。広いロビーですからベンチが並んだ一角もありましたが、結構、先客が込んでおれば<わし、だれもおらんこの壁際でノンビリ手足を伸ばし・・<すいた所でどうもすんまへん>と横になれば、<それならミーたちも>と真似をする乗客が写真のようにね。

僭越ながら、この日はわしが、国際的に大和民族の新規開拓精神を褒示させていただきました。


■ 4月30日 <帰国当日>