陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

台湾総統選候補者・馬英九氏は本当に独立を否定するのか

2008-01-20 18:32:29 | 台湾関係
 台湾立法院選挙で圧倒的な大勝を得た国民党、3月下旬の総統選挙に向けて一段と運動に力が籠められているようだ。有力候補者の国民党前主席・馬英九氏は、「統一せず、独立せず、武力行使せず」のスローガンで精力的に動いている。

「独立せず」、総統選候補者・馬英九が「三つのノー」政策を主張―台湾
1月18日18時33分配信 Record China

2008年1月16日、台湾で国民党の総統選候補者・馬英九(マー・インチウ)氏は台中関係について、「統一せず、独立せず、武力行使せず」という「三つのノー」政策を採用すると話した。人民網が伝えた。

翌17日、馬氏は再び「三つのノー」政策に触れ、「独立せず」とは新憲法を制定したり、あるいは台湾共和国、台湾国といった国名をつけないことだと話した。民進党の対立候補・謝長廷(シエ・チャンティン)氏が「台湾国の総統を目指す」と話しているのに対し、馬氏が目指すのは「中華民国台湾」、あるいは「台湾」の総統であり全く異なる立場だとして、独立路線に反対の意を示した。

馬氏によると過去8年間にわたる民進党政権は台湾独立を目指そうとして、台湾内部の分裂を生み出してきた。そればかりかアメリカとの関係にも影響するなどマイナスの影響ばかりだったという。馬氏は急激な変化は過ちで穏和な中道的政策をとるべきと主張、海外に対し台湾は「平和の担い手」であって、「トラブルメーカー」ではないことを示すべきだと主張した。(翻訳・編集/KT)

最終更新:1月18日18時33分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080118-00000027-rcdc-cn


 今年58歳の馬英九氏、ハーバード大学大学院卒で法学博士、容姿もスマートで台湾の若者や女性に人気があると言う。出自は香港・九龍で外省人である。中共とは、交流しても飲み込まれない(統一には反対)の姿勢だが、中共政府は彼を組み易しと見抜いているようである。米国政府、少なくとも国務省は、馬英九氏に理解を持っているはずだ。

 台湾国民は、総統選でどのような判断をするのであろう。2006年9月に<中正(蒋介石)国際空港>は、その名前を変えて<台湾桃園国際空港>とした。また、台北市にある大理石で建造された<中正記念堂>は、<台湾民生記念館>と改名され、中正・蒋介石色を打ち消すよう動いている。台湾人にとって、蒋介石+国民党は残虐な「2.28事件」と30年以上に亙る「戒厳令」布告で印象は極めて良くない。台湾独立を否定する馬英九氏は、蒋介石即ち「中華民国」から離脱するのも否定するのであろうか。

 人口の85%を占める台湾内省人(本島人)は、内心独立を求めているはずだ。台湾は、人口2300万人、内政、外交、国防において独立国として十分に機能しているし、民主主義と自由貿易体制を維持している。外貨準備高も2600億ドル、一人当たりのGDPは29、300米ドルに達し、人口・経済規模共にオーストラリアに匹敵する立派な独立国家である。国民党の引き摺る「中華民国」の名を捨て去れば、「台湾共和国」となって何の不思議も無い。

 馬英九氏に台湾独立の意思が無いならば、台湾総統になるのは拙いと思う。彼の言う中道は「ごまかし」のように映る。現在、台湾人は経済的安定を指向する一方、民進党の汚職問題に辟易して、立法院を国民党に委ねたが、彼らは国家としてのアイデンティティーを求めて民進党の謝長廷氏を総統に選ぶように思えてならぬ。また、そうあって欲しいと願う。

 国連加盟の国民投票は否定されて一向に構わないだろう。賛成多数が得られたとしても、中共が存在する限り、台湾の国連加盟は不可能である。それは、中共解体まで待たなければならない。蒋介石は、1971年の屈辱を堪えて国連に踏みとどまるべきであったのだが、それは今更言っても仕方が無い。

 まず、「中華民国」を離脱、そして「台湾共和国」として独立することを国連加盟とは分けて考えた方が得策だ。スイスのように、永世中立国の構想もあるのではないか。

 全く別な話であるが、レコード・チャイナが馬英九氏暗殺の可能性を報道している。そんなことが起きれば、中共の積極的干渉を招くであろう。台湾では、大きな選挙の度にこうしたテロ襲撃事件が伴うようだ。成熟した国家として、全ての候補者の安全を守りながら、冷静な選挙と投票が行われることを期待する。
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1 コメント

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TB有難うございます (小楠)
2008-01-21 09:19:45
台湾情勢は直接日本の国防、経済に影響するので、
本来無関心ではいられないはずですが、政治家も
マスコミも危機感に欠けているようですね。
これに加えてアメリカの大統領選挙でも、日本の
マスコミは民主党中心の報道が目立ち、その問題点の
指摘が全くされていません。
日本の国民が自国の危機に関する事項でも、なかなか
知らされない状況をもっと問題視して改善運動を
するべきなんですが。

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