猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

希望の灯り

2019-05-20 21:30:47 | 日記
2018年のドイツ映画「希望の灯り」を観にいった。

腕や首の後ろにタトゥーを入れた無口な青年クリスティアン(フランツ・ロゴフスキ)は、
巨大スーパーマーケットの在庫管理係として働き始める。旧東ドイツ、ライプツィヒ近
郊。飲料担当のブルーノ(ペーター・クルト)は、クリスティアンに仕事のいろはやフォ
ークリフトの操縦の仕方を教え、クリスティアンにとって父親のような存在になる。通
路で、クリスティアンはお菓子担当の年上のマリオン(ザンドラ・ヒュラー)と出会い、
彼女の謎めいた魅力に一瞬で惹かれる。コーヒーマシーンのある休憩所が彼らのおきま
りの場所となり、2人は親密になっていく。間もなくしてクリスティアンはスーパーマ
ーケットの家族として受け入れられる。フォークリフトの試験にも見事合格する。クリ
スティアンはその間ずっとマリオンに恋をしていて、スーパーマーケットの同僚たちも
それを知って興奮気味に見守っている。しかし、2人はお互いの関係には慎重にならざ
るを得なかった。というのも、実はマリオンは既婚者だからだ。

旧東ドイツのスーパーマーケットを舞台にした人間ドラマ。主人公のクリスティアンは
寡黙で、あまりセリフがない。そのため時々心の中のセリフが聞こえると聞き入ってし
まう。仕事を教えてくれるブルーノはいい人で、そんなクリスティアンを温かい目で見
守る。統一前ブルーノはトラックの運転手をしていて、今はフォークリフトの操縦だ。
東ドイツ時代が懐かしいと言う。旧東ドイツの人々の悲哀を感じる、そんな映画だ。
クリスティアンが好きになったマリオンは、ある日から仕事を休み始める。夫がどうし
ようもない男で、彼女に暴力を振るうとブルーノから聞かされ、クリスティアンはマリ
オンを心配する。花を持ってマリオンの家に行き、夫が出ていった後こっそり家の中に
入るが、マリオンには直接渡せず花を置いてくる。
この映画には切ないシーンや美しいシーンがいっぱいだ。マリオンの誕生日を知ったク
リスティアンが、手の平にちょこんと乗る程の小さなケーキ(恐らく店の商品だろう)に
1本のろうそくを立て、休憩所で渡すシーンは童話のようにかわいい。同僚たちも東ド
イツ時代を懐かしみながらも、時代の波に流されて毎日を生きている。幸せな人、孤独
な人、いろんな人がいるのだろうが皆日常を過ごしているのだ。ある日スーパーマーケ
ットでは従業員たちがショックを受ける悲しい出来事が起きてしまう。それでも皆生き
ていかなければならないのだ。
スーパーマーケットのシーンでは客の姿があまり出てこない。これは従業員、労働者た
ちにスポットを当てているからだと思う。彼らの悲哀や尊厳に。人によっては退屈する
かもしれない映画だが、私はおもしろかった。ドイツ映画はあまり観たことがないけれ
ど、「コーヒーをめぐる冒険」も地味だけれどいい映画だった。
アキ・カウリスマキの映画みたいで、良かった。私の好みの作品である。




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4 コメント

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観たい映画です! (エレナ)
2019-05-21 04:48:25
興味深い内容ですね。スーパーという日常の世界が舞台なのも身近に感じますし…もしよろしければ、原題を教えていただけますか? DVD探してみたいな~と思いました♪
Unknown (杏子)
2019-05-21 14:49:08
>エレナさん
コメントありがとうございます。原題は「In den Gangen」で、Gangenのaにウムラウトが付いています。
原作もあるようですよ。
感動的な映画でした。オススメです(^o^)
有難うございます! (エレナ)
2019-05-21 22:20:28
こちらのタイトルでyoutubeに予告編が載っていました。タトゥーだらけの孤独な青年~、気になる展開ですね。教えていただき有難うございました^^。
Unknown (杏子)
2019-05-22 01:21:22
>エレナさん
コメントありがとうございます。いい映画ですので、是非ご覧になってください(^-^)

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