猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

残り火

2023-04-09 21:42:32 | 日記
2022年のデンマーク映画「残り火」。

建設会社の社長クリスチャン(ダール・サリム)は、妻レオノラ(ソニア・
リヒター)、高校3年の息子ヨハンと裕福で幸せな生活を送っていた。が、
彼は自分の会社の建築士である若い女性セニア(スス・ウィルキンス)と不
倫をしていた。クリスチャンはもうレオノラに愛情はなく、離婚して若く
美しいセニアと結婚しようと考えており、セニアからも離婚を迫られてい
た。ある日夜中にクリスチャンの携帯電話にメールが来たことで、レオノ
ラは彼の浮気を疑う。

不倫をテーマにした心理サスペンス。建設会社の社長クリスチャンは自分
の会社に勤める若くて美人なセニアと不倫していた。セニアからは「いつ
奥さんと別れるの?」と迫られ、クリスチャンも早く妻のレオノラと離婚
したいと考えていた。ところがある日セニアが夜中にメールを送ってきた
ことで、レオノラはクリスチャンの不倫を疑う。更にはパーティーの時に
クリスチャンとセニアが関係を持っている現場をレオノラが目撃してしま
う。レオノラが見ていることに気づいたセニアは挑戦的な視線をレオノラ
に送り、レオノラはショックを受ける。
夫婦の息子のヨハンは幼い時に大病を患い、レオノラはヨハンの看病や世
話のために仕事を辞めキャリアを捨て、ずっと家族に尽くしてきたのに、
夫に裏切られたことに激怒する。そしてレオノラは以前夫が金融詐欺事件
を起こした時も隠ぺいを手伝っていた。レオノラは愛人と別れないならそ
のことを警察に通報すると脅す。だがクリスチャンはセニアと別れること
ができない。レオノラとセニア両方から決断を迫られ、窮地に立たされた
クリスチャンはレオノラを殺害することを決意する。
女って怖い、と思わされる映画だった。セニアは愛人の立場なのに早く離
婚することをクリスチャンに迫るし、レオノラは夫の過去の犯罪を脅しに
使って愛人と別れさせようとする。不倫したクリスチャンが1番悪いのだ
けど、強い女たちの板挟みになっているクリスチャンが少し気の毒に思え
てくる。クリスチャンはちょっと気が弱いタイプのようだ。そんな男が強
い女たちから迫られたら、生きた心地がしないだろう。彼はレオノラ殺害
を実行に移すが、とんでもないミスをしてしまう。
物語は中盤からどんどんおもしろさが増してくる。そしてゾッとする怖さ
もある。クリスチャンはレオノラの昔の同級生に会って驚くべき話を聞か
される。レオノラにも大きな秘密があったのだ。レオノラはサイコパスで
はないだろうか。好きな男に対する執着というか独占欲が異常に強いよう
だ。レオノラのような女と結婚し、うっかり不倫をしてしまったクリスチ
ャンにはご愁傷様としか言いようがない。これからクリスチャンはどうや
って生きていくのだろう。彼が不倫をしてしまったのが悪いのだが、地獄
のような生活が待っているであろう彼には同情を禁じ得ない。おもしろか
った。




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2 コメント

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時代設定は何か若干古めかと思いました。 (ウラジーミル・アスポン)
2023-04-11 23:16:30
高校3年の息子なら妻は、そこそこおばさんなので
若い女に気を写すのもありがちなんでしょうかね。

でも、ちょっとした浮気心でなく離婚までしようというのは極端な感じです。
浮気相手にも早く妻と離婚するよう迫られているんですね。

パーティーとか人前で派手な浮気をしているとは思えないけど、
妻は夫のクリスチャンとセニアが関係を持っている現場を目撃するんですね。
さすがにパーティーは人前なので、キスどまりですよね。
肉体関係とかではないですよね。

高3の息子は幼い時は病気がちなんですよね。
それを頑張って面倒見て、家族の為に尽くした妻は報われないですね。

クリスチャンは何と金融詐欺まで働いて、
隠ぺいを妻に手伝わせた事まであったんですね。
それなのに裏切るとは、詐欺がバレたら、どうしようという危機感が足りませんね。

窮地に立たされた夫は長年の妻より愛人を選び、妻のレオノラの殺害まで決意するんですね。
愛人は離婚を迫るし、妻は夫の犯罪を脅しに使い愛人を捨てるよう要求し、
夫のクリスチャンも大変と言えば大変ですね。

クリスチャンにも金融詐欺の犯罪を起こした重大な秘密があったけど、
妻のレオノラも、何か犯罪歴か、とんでもない問題行動が過去にありそうですね。

不倫したクリスチャンも悪いけど、ヤバそうなレオノラを結婚した事は、気の毒なんですね。

2022年の映画なんですね。時代背景は、メールとか出てくるので、
古そうではないけど、さらさらと聞いた印象では、舞台背景が40~50年前って感じもしますね。
ちょい古いぐらいな雰囲気です。
返信する
Unknown (杏子)
2023-04-12 08:58:53
>ウラジーミル・アスポンさん
コメントありがとうございます。浮気が本気になるのはありがちだと思います。
クリスチャンは不倫相手を本気で愛してしまったんですねえ。

若い不倫相手は妻より自分の方が若くてきれいという自信があるから、
「早く奥さんと別れて」と迫るのもよくある話ですね。

妻は確かに裏切られて気の毒ですが…この人の過去がわかると、
同情できなくなるんですよね。
レオノラと結婚してしまったクリスチャンの方に同情したくなります。
レオノラの過去は不倫とかと比べものにならないくらいヤバいです。

やっぱりヨーロッパ映画はおもしろいです。
不倫の映画もただの不倫では終わらない。

実際観たら時代背景が古いという感じはないですよ。
不倫は普遍的なテーマですね(・∀・)
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