シャーロットの涙

☆映画と音楽、その他、芸術鑑賞記録と残しておきたい日々の雑記☆

マイTIFF

2012-10-29 00:04:39 | 映画祭
東京国際映画祭、閉幕…

あっという間に時は過ぎ。
やはりすぐには更新できないヘタレな自分;
更新するつもりって宣言しちゃった手前、義務感からなんとかPCを前にしておりまする。
でも自分にとって映画の感想なんて一言で書けるものでもないので、これだけ更新してないと頭の中のモヤモヤをなんて文章にしてよいものやら困ってしまうょ…

そうこうしてるうちに東京国際映画祭も最終日。
サクラグランプリは「もうひとりの息子」に決まったそうで…
監督賞も受賞したそうだから、一般公開もありえますかね。もしそうなら今度こそ見に行きたいものです。

自分を取り巻く環境も数年前とは全然違うので、映画一色な日々でもなくて映画祭へもなかなか時間を割けないのが自分でも寂しいですが。
個人的にはもっと土日に自分の見たい作品がウジャッっと詰まってくれていたらよかったのですが、別にワタシの為に誰もそんなスケジューリングを考えてくれるわけもないしwもう以前のように一日に3本以上もはしごなんて出来ないので。
…というか、言い訳ですね;

今回見た作品は以下3本。



・リアリティー Reality  監督:マッテオ・ガローネ








お客を楽しませることで人気の魚売りルチャーノは、素人の若い男女が共同生活する模様を映すテレビの「リアリティー番組」のオーディションを受けるように家族からそそのかされる。その気になったルチャーノは、徐々に夢と現実の区別がつかなくなっていく…。マッテオ・ガローネ監督によれば、ルチャーノは現代のピノキオであり、イノセントでナイーヴな子供の心を持ち、空想の中の冒険を生きている人物である。前作『ゴモラ』でイタリアの過酷な現実をドライに活写したガローネは、一転してフェリーニを彷彿とさせるような寓話的なブラック・コメディを通じて、夢と現実の間の微妙なバランスを描いていくが、現代社会の病める側面をリアルに切り取る姿勢は貫かれている。本作はカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、『ゴモラ』に続き2度目のグランプリをガローネにもたらした(TIFFサイトより)



イタリア人ってホントよくしゃべるというか言葉の情報量が多いなって思う自分なので、セリフ以外のところで面白さを感じさせてもらえると嬉しかったりするのだけれども、映画を耳でまず楽しみたい私にとってやっぱり音楽の使い方がポイントになってくる。
アレクサンドル・デスプラの音楽が、とってもツボだったな。

お話…とりわけ台詞とか映像へまず集中していたせいか途中までの背景音楽に関してはあまり意識が向くこともなく、どんな演出がされていたのかそんなに印象には残っていないの。
でもラストに撮影所にルチアーノが侵入していくあたりは、ものすごくファンタジックな音楽にワクワクしてきて。まるで子供が親に入ってはいけないよって言われている所へ内緒でそーっと行ってみちゃった、みたいな冒険してるかのようw
なので、ラストシーンは彼の妄想?ってちょっと思ってみたり。

でも物語を通して終始カメラ目線は現実感があふれていたな。
古い住居に住むたくさんの家族との本音トークとか、お料理する母の姿とか、お魚を仕入れたり売ったりする姿、ホームレスを追っ払ったり、オーディションを受けたりスターの追っかけしてみたり…
まるで自分の身近な出来事そのもの。
ちょっとした思い込みが妄想へと変わっていくのなんて誰だって起こり得るもの。それが周りの人間の何気ない一言がきっかけになっていたりもするもので、ルチアーノ一人に原因があるわけでもないと思うのよね。
誰だって一度くらいは一攫千金の夢をみるものだし、その夢から抜け出せなくなるのは明日の自分かも?なんてちょっと怖くなってみたりw

でもラストシーンは撮影所という非現実的な場所で生活する男女を垣間見たルチアーノが、現実を取り戻したように感じたのだな。
とってもシュールなシーンだった。

視覚的にはリアリティー、でも聴覚はファンタジック…なんだかそのギャップある演出が物語と違和感なくブレンドされていて、とっても面白かった映画。
ナポリの話を人づてに聞いているワタシ。イタリア南部の街の人々はホント陽気でおしゃべりで、家族の絆が強くて、魚介類もお料理も美味しそうで。
人間を見る目には、厳しさよりは暖かさをどこか感じる映画。
そしてそんな映画がやっぱり好きだ。







・マリーゴールド・ホテルで会いましょう The Best Exotic Marigold Hotel 監督:ジョン・マッデン




神秘の国インドの豪華リゾートホテルで、エレガントな時を~そんな謳い文句に惹かれて英国からやって来た、夫を亡くしたイヴリンと各々の事情を抱えた男女6人。彼らを待っていたのは、高級になる予定のボロホテルと、刺激的すぎる異文化だった。だが、一歩前に進み始めた彼らに、素敵なサプライズが起こり始める。監督は、アカデミー賞作品賞を受賞した『恋におちたシェイクスピア』のジョン・マッデン。主演は同作でオスカーに輝いたジュディ・デンチ。共演は、『フィクサー』のトム・ウィルキンソン、「ハリー・ポッター」シリーズのマギー・スミスなど、英国が誇る名優たち。人生を豊かにするためのヒントがいっぱいのユーモアに満ちた感動作!(TIFFサイトより)


本作は一般公開がすでに決まっているから見なくてもいいかって最初は思っていたのだけど、多分今の私は公開が決まっていようが決まってなかろうが見るかどうかわからないwから、見たいものを見ようと思ってチョイス。
インドが舞台の映画は何がいいって、生きてるっていう躍動感をとても感じるところが好き。人が多くて雑多で生活感まるだしだけど、そこに生きる人間は人生に対してアクティブなところが随所に感じられるのがいい。

歳を重ねた男女の群像劇で、役者陣も歳相応な有名どころが出てる事で安心感も持てるの。
でも、もしかしたら期待通りというのは目新しさにはかけるのかもしれないけれど、物語そのものの吸引力は健在だったから結果的にはとてもココロは満足。
音楽もシネコン映画だとクラシックのクロスオーバー的なモノが大半だろうけど、本作は東洋なエキゾチックな音で満たされていて刺激的だった。たくさんの寺院の映像も、ワタシにとっては映画でその場にいるような体感をさせてくれる唯一の機会
それになんて人生はこんなにドラマティックでロマンティックなんだろうって。
確かに映画だからそういうものなんだろうけど、でも人生は自分の演出で映画的にだって十分なり得るよね。夢ばかり追いかけるのは現実的ではないけど自分は夢を実現させられると信じたいしね。そうやって前に進む一歩を出す勇気を本作は与えてくれる。とても生きる力あふれる作品。






・インポッシブル The Impossible 監督:J・A・バヨナ





2004年のクリスマスの翌日、スマトラ沖でマグニチュード9.1の地震が発生し、巨大津波が近隣諸国に甚大な被害をもたらした。本作は、津波に飲みこまれたスペイン人一家が経験した、まさに「インポッシブル」な実話を映画化したものである。スペイン人夫婦をナオミ・ワッツとユアン・マクレガーに置き換え、実際の出来事が克明に再現されている。10分間に及ぶ巨大津波のシーンの撮影には1年を要し、ワッツは1か月以上を水槽タンクの中で過ごして生死の狭間で格闘する母親を熱演している。本作が長編2本目となる監督のJ・A・バヨナは、処女長編の『永遠のこどもたち』(07)がカンヌで喝采された後にスペインで歴史的なヒットを記録し、一躍脚光を浴びた若手である。究極の状況下に置かれた家族の絆というテーマが、ホラーテイストに感動的な親子愛を融合させた前作に通じており、ダイナミックな映像と巧みなストーリーテリングを操る才能の今後が期待される。(TIFFサイトより)


津波映画だから多分日本では公開はされないかもしれない。でもだから見る意味はあったと思う。ノンフィクションというのがよりいっそう重かった。
でも全然そんな情報をインプットしてなかったの。ただ観られる作品を観ようって思ってただけで…
正直言って観る覚悟くらいしておきたかったかも。必要以上に映画に入り込んでしまう体質の私だから、あの日TVを通して見た津波を思い出して、かなり動揺したし気分が悪くなったもの。どこまでが映画的な演出なのかはわからないけど、これこそリアリティだった;
きっと私たちには知らされてはない災害の有様がスクリーンに再現されたのだと思う。

でも絶望感の中にも前向きに生きる力を感じさせてくれるところがいい。目に見えない絆が家族の再会へと導くあたりはドラマティックで。
本作の監督は「永遠のこどもたち」でも感じたけれど、子役のキャスティングと子供への目線がいいのよね。生きる上での皮肉さもたっぷり描くのに子供への視点が多いせいか何故かとても希望的なのだもの。…しいて言うなら、せっかくだから夫婦役は本当にスペイン人を使って、スペイン語で撮って欲しかったかなあ。
ナオミ・ワッツだと、自分の中でのイメージが、ハリウッドなパニック映画的になってしまうのだな;ユアンもいつもの個性的なところが見られなかったというか。
そのかわりというか、ジュラルディン・チャップリンがチョイ役で登場。たった数秒~数分星空を見上げなから子供と話をするたわいもないシーンだけど存在感があって印象的。
それとクリスマスイヴの海岸で、灯篭みたいなものを空に向かって放つシーンが幻想的なの。それも印象的で好きなんだけど、嵐の前の幸せなひと時がこの後の何もなくなった海岸を余計に哀しく響かせるんだな。

映像は手が込んでいて、まさに津波の恐ろしさを実体験するよう。自然の驚異とそれらを前にした人間の無力さや、虚無感や孤独感、絶望感を見せながらも、人に対する愛ある監督の視点に、心揺るがされる。






たった3本。でも私にとってこれが意味ある作品としてココロに栄養充電













『映画・DVD』 ジャンルのランキング
コメント (4)   トラックバック (4)   この記事についてブログを書く
« 映画祭などなど近況をつぶや... | トップ | MATTHEW BOURNE  SWAN LAKE... »

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
リアリティー (とらねこ)
2012-11-24 22:46:49
シャーさん、TIFF記事書いてたのね!心を入れ替えてちゃんと書くよって書いてあったわん。
シャーさんの感想記事を読むのって本当に久しぶりな感じ。たまに書くと楽しいですよね!
私は私で、実はシャーさんに影響されてて、ダンスをちょっとづつではあるけれど、再び始めたのでした。先生にも、何年ぶり?って驚かれましたよ。まーそれはそれは体が動かないわ、本当に体力の衰えを感じて哀しいのですけれど、しばらくはリハビリのつもりでやらなきゃねw。

私はこの中だと、『リアリティー』しかカブっていないので、こちらだけ。私はこれ、かなり気に入ってしまったんですよ。
現実感がどんどん無くなってしまう主人公の姿は、正直自分を見ているようでゾッとしました。私にとって、映画を見るのは半分逃避行動。映画の世界から普段からも抜け出せなくて、現実感が常に薄いとも言えるので、彼を嗤うことなんて出来ないなあと、ゾクッとしました。他人から見ると滑稽なんですけどね。
とらねこさん (シャーロット)
2012-11-25 11:04:14
こんにちは。
すみません、超ひさびさに感想記事なんて書いたものですから、うまく自分にの想いを文章化できなくって。
それに長くつらつらと書けなくて短めな感じ。
で、ダンス復活したのねん。いつか見せてくだされ~。

ところで「リアリティー」ですが。
そうですよね、思い込んでうまく夢を現実化させてしまえるようなパワーがあればなんの問題もないのでしょうが、実際はそうでないことの方が多いだろうし、この主人公のように少し妄想めいたものにとりつかれてしまうのなんて誰だってありえることでしょうね。
私はゾクッとしたというより、こんなようなこと自分にもあるある!ってちょっと変な安心感を抱いて苦笑いした感じです;w
他人には馬鹿げた事でも、いたって自分は真剣なところがすごく皮肉っぽくて。
テレビとか映画とかそういう現実感のないものに、人はいつも惑わされてしまうものなのでしょうかね。。。
この日に見た3本の映画は微妙に夢と現実が混じりあった、ある意味、とっても私の中でつながっているのでした。
全部スクリーン2で同じ日に。
このスケジューリングはなんだかうなってしまったのでした。
今年もよろしくお願いします。 (rose_chocolat)
2013-01-10 17:13:17
年越してしまいました。もう去年のTIFF。
『インポッシブル』公開決まりましたね。
実は津波シーンがある映画って結構観ていて、途中で打ち切りになった『ヒア・アフター』も観てました。これも凄かったですね。
津波の怖さって漂流物に直撃されたり、感電したりすることも含まれるので、それから逃れることすら私は奇跡だと思いました。

他の2本も観たいものばかりでした。マリーゴールドは近々公開ですけど、リアリティーはどうでしょうか。
観た方みなさんいい!って仰せなので観たいですねえ・・・。

また今年もどこかでお目にかかったら声かけて下さいませ。。
rose_chocolatさん (シャーロット)
2013-01-16 19:47:41
大変遅くなってすみません。
お元気でしたか?
最近は全く更新が止まっている我が家に来て下さり、本当にありがとうございます。

インポッシブル、公開決定したのですね~
ふむ、世間の評価はどうですかね。
ヒアアフターの件もある事だし…早々と終わってしまったりしないことを願いますが。
宣伝も津波の部分だけをクローズアップして欲しくないし、生き抜く力とか守りぬく力とか絆とか、見所も満載ですよね。
公開されて気が向いたらwまた見に行きたいです。

コメントを投稿

映画祭」カテゴリの最新記事

4 トラックバック

76★リアリティー (レザボアCATs)
’12年、イタリア、フランス 原題:Reality 監督:マッテオ・ガローネ 製作:ドメニコ・プロカッチ 撮影監督:マルコ・オノラート キャスト:アニエッロ・アレーナ、ロレダーナ・シミオーリ、ナンド・パオーネ、グラツィエッラ・マリーナ、ネッロ・イオリオ、ヌンツィア・...
【TIFF_2012】『インポッシブル』 (2012) / スペイン・アメリカ (Nice One!! @goo)
原題: The Impossible 監督: J・A・バヨナ 出演: ユアン・マクレガー 、ナオミ・ワッツ 、トム・ホランド 、サミュエル・ジョスリン 、オークリー・ぺンダーガスト 第25回東京国際映画祭『インポッシブル』ページはこちら。 作品サイト(英語) <作品解...
インポッシブル 津波の怖さとはこれなのか! (労組書記長(←元)社労士 ビール片手にうろうろと~)
【=35 うち今年の試写会5】 「2004年のスマトラ島沖地震による津波に巻き込まれたスペイン人一家の実話を基にして作られた映画。予告編ではワッツとマクレガーが『希望、勇気、家族の愛について問い掛ける物語で、被災者の方々への大きな敬意を示した作品です』と、東日...
「インポッシブル」 (ここなつ映画レビュー)
泣く、と判っていたけれど、本当に泣けました。津波の恐怖や、災害時に家族の消息がわからない不安感、それにももちろん同化して胸が苦しくなったけれど、最も泣けたのは、家族の中の長男が、精神的に少年から青年に成長して行く姿。 2004年、スマトラ沖で発生した、...