シャーロットの涙

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N-私とナポレオン~イタリア映画祭にて その2

2007-05-03 15:56:59 | 映画祭
1814年、エルバ島に流されたナポレオンは島民たちに熱烈な歓迎を受ける。しかしそれを快く思わないマルティーノは、暗殺を企てた。

「イタリア映画祭2005」で絶賛された『カテリーナ、都会へ行く』のヴィルツィ監督の新作。ナポレオンの新解釈としてイタリアで話題を呼んだ小説『N』の映画化で、ナポレオンをフランスのダニエル・オートゥィユが、2人の男の間を揺れるエミリア男爵夫人をモニカ・ベルッチが演じる痛快な喜劇。第1回ローマ映画祭で喝采を浴びた。(作品資料より)




よく見かけるナポレオンの肖像画になんとなく風貌が似ているように見えてくる、ダニエル・オートゥイユ。結構強烈なインパクトが私にはあったかな。このイメージがしばらく定着しちゃいそう;・・・「あるいは裏切りという名の犬」などこの役の後に見ていたら、きっと喜劇役者に見えてしまって受け入れがたかったかもしれないな;・・・でもナポレオン自体は3枚目とかの役どころではなく、もっとシリアスでブラックな描き方になっているのかと思う。
カリスマ性いっぱいの暴君の本性は、もっと情けなくて惨めな俗っぽい男で、そこに主人公であるマルティーノというナポレオンの書記官となった若き革命思想家が絡んでいくお話。




男爵夫人エミリアと自由主義者の若い教師マルティーノは愛人関係にある。
このエミリアはコメディの方を担当するのか、ただの妖艶な美しい人妻ってだけではない、笑いを盛り込んだ役柄に演出されている。手玉に取られる年下の教師とのやり取りもそれなりにテンポが良くて楽しめる。
やたらと40歳ってエミリアの台詞にでてくるんだけど、モニカって実際には38歳で、でもそんな年には見えない美しさ。でもこの時代の40歳って年寄りなのよね;二人の凸凹さがまた可笑しく。


 

マルティーノに恋をする小間使いに「トリノ、24時からの恋人たち」のフランチェスカ・イナウディが扮する。ここでもとてもチャーミング。結果的にナポレオンがエミリアとエルバ島から逃げてしまい、マルティーノと結ばれることになるのだけど。。。
映画的にとてもドラマ性のある仕上がりで、これがイタリアらしいのか初心者の私にはなんとも言えないけれど、笑い一辺倒ではないシュールさも含めた重苦しい喜劇といった感じなんだろうか。政治的にも自分自身にも高い理想を掲げていた青年がぶち当たる、その理想と現実とのギャップに苦しむ様を、真面目に且つ滑稽に描き出す演出はお見事だ。


ナポレオンというと、クラシックかぶれの私はベートーヴェンと思い出してしまう。ベートーヴェンはナポレオンを崇拝していて、シンフォニーの第3番を彼を人民の英雄と期待し「ボナパルト」と言う題名でナポレオンに献呈する予定でいたのに、皇帝となってしまった事に失望してナポレオンへのメッセージを捨て曲名も『英雄』に変更したというエピソードがある。

((当然ながら、ナポレオンへの曲の献呈は取り止めたというが、この逸話が事実であるかどうかについては異説が多い。ベートーヴェンは終始ナポレオンを尊敬しており、第2楽章が英雄の死と葬送をテーマにしているため、これではナポレオンに対して失礼であるとして、あえて曲名を変更し、献呈を取りやめたという説もある。(Wikipedia参照))
音楽がベートーヴェンのシンフォニー3番を使っているのは勿論の事、7番(楽章は記憶薄;)、9番の第2、第4楽章を使っている。ピアノコンチェルトは皇帝を。
音楽をそんなエピソードと絡めて演出してくるあたりも個人的にはとても興味深かった。
またコスプレ劇ならではの美術や衣装も見所で、ハリウッド作品とはまた違った品の良さを感じてとても目の保養にもなった。

マルティーノを演じたエリオ・ジェルマーノ。近くで見るとてもキュート。って男性への褒め言葉ではないかもしれないけど、思ったより好青年。背は小さめ。
んー。私的にはキム・ロッシ・スチュアートもいいけど、エリオのさりげないコケティッシュさがあるこの役どころがとても良かったわ。


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2 コメント

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うぉー (マダムS)
2007-05-04 09:27:33
頑張って感想書いてますね!
私もやっと4本書いたところ・・今日あと3本書かなきゃです(笑)
そだそだ、この作品、ベートーベンなどクラシック曲が上手く使われてましたね!!私、取り上げるのすっかり忘れてましたが・・さすがシャーロットさんです!!!解説有難う~♪ 私もちょっと加筆しようかな・・。
エリオ君、とってもチャーミングでしたよね^^
実物よりもスクリーン映えする役者さんだと思いました(失礼かな(^^;))
パンフや他サイト様観ると、ナポレオンをベルルスコーニ前首相になぞらえてると書いてありましたが、そんなことちっとも知りませんで観てましたわ(汗)
マダムSさん (シャーロット)
2007-05-05 01:20:34
こんばんは。
わー、ちょっとまだあと2本書けないうちに、「カビリア」だ・・・。早く書かないと忘れてしまう。爆
ところで。先日は大変お疲れさまでした。
お互いに頑張りましたよね~
でもさりげなくサインも写真もしっかり撮っていらっしゃるマダムには負けまする。
私、キムやエリオ君を目の前にしても見とれるだけで固まって何も出来なかったし。笑
サイン会なんて恐れ多いし。う~

>ナポレオンをベルルスコーニ前首相になぞらえてると
=そうそう、そうなんですってね。後で知りました。
政治的なことを含ませるっていうのは「カイマーノ」みたいに直接的な描き方の作品でないと、私のように疎い人種にはちっとも気がつきませんで;


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