シャーロットの涙

☆映画と音楽、その他、芸術鑑賞記録と残しておきたい日々の雑記☆

明日の記憶

2006-05-14 10:34:39 | 映画「あ」行の作品
明日の記憶・・・MEMORIES OF TOMORROW

記憶ものがヒットするのは何かそこに共感するものを少なからず人は持ちえているからなんだろうけど、忘れるというのは自己消滅への不安からなんだろうか。

実はど忘れするという事がかなり増えてきたので、少なからず「明日は我が身」…として見ていて不安にかられた。
これはリアルな作品としてあまり見ない邦画の中では群を抜くかもしれない。


認知症…脳や身体の疾患を原因として起こる記憶・判断力の障害により日常生活が普通におくれなくなる慢性的な状態
(20代でも発症の例があるとも。・・・これ、拒食症過食症の患者にあると聞いたことがある。摂取障害の極端な例では、生命維持の為に脳細胞まで萎縮させてしまうくらい、自分の身体を食べて生きていく…らしい。
意外と摂取障害も知られていないかもしれないけど水面下では患者数も若い年代に多く、実は人事ではない若年性アルツハイマー病・・・ちゃんと食べましょうねっ!)


段々とその「記憶」が薄れていく様を、徐々に家族や会社との絡みを含めて表現していくあたりが不安感をあおり、見るものへ危惧させていく。
幸せの絶頂にある家族が「記憶」というものに翻弄させられ、そこに見る葛藤は真に迫り圧倒させられる。

まるで母子家庭であるような日常に不満がないわけではない。
いつも頼りたかった時にそばにその人がいない、寂しさ。
一人頑張ってきた妻の心情に感情移入するなら、ギリギリの心の悲鳴をあらわにしていた妻を自分と思って抱きしめたくなる。
自分を忘れてしまった夫への喪失感が痛いほど良くわかる。

でもそのような寂しい想いをした者だからこそ、「ごめんな、ごめんな…」と繰り返しながら泣きじゃくる夫にはなんの罪をも感じず、そばにいて生涯支えて生きたいと思うのだろうか・・・

女性には子育てがあり、それが少なからず生きる上での糧にもなり義務でもあり、そこに生きがいも感じるものだけど、そことは別に「自分」という世界を別にしっかり持っていたいという思いも持っているはず。

介護問題もこれからは子育てとは別に大きな役割を担う立場に妻は立ちやすい。
仕事・・・それは自己の確認でするようなものかもしれない。
専業主婦だった妻が働き出すあたりは、そこに自分の居場所を確保すると言う意味で、お金以外にも必要な条件でもあろう。

情報化社会の弊害も身近に溢れている。考えなくても自分が動かなくても何でも便利に物事が運べるような中では、細胞も老いていくことは致し方ないことかもしれない。

自分から何かを求めそこにわずかでも意義を見出し、些細なことでも感謝して生きる。幸せは何かを失って初めて感じる皮肉なシロモノかもしれない・・・

佐伯雅行は腰の低い人だ。

記憶に頼ることのない、今を生きる為に大事な証をここに見たような、私には珠玉の作品であった。
涙腺弱い私が見終わってどうなったか…レイトショーで良かったと思うくらい顔が腫れた


明日の記憶

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29 コメント

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涙腺 (kossy)
2006-05-14 10:54:46
俺もかなりやばかったです。

明るいところへ出るのが恥ずかしかったくらいです。



ブロガーの皆さんは初日にこの映画を観た人が少ないのでしょうか・・・初日の一番に観ると、しばらくほかの映画を観たくなくなるからかなぁ・・・
涙~ (charlotte)
2006-05-14 20:30:52
kossyさん

私、本当にかなりやばかったの。

ティッシュ忘れたし。爆

大きめのタオルハンカチが…見るも無残よ。

でも、すっぴんで見に行ったのは大正解!自爆

多分知り合いも私だとわからないはず…
興味深い作品でした (たろ)
2006-05-15 00:20:17
こんばんは。

弊ブログへのトラックバック、ありがとうございました。

こちらからもコメントとトラックバックのお返しを失礼致します。



この作品は、佐伯雅行役を演じた渡辺謙さん、妻 枝実子役を演じた樋口可奈子さんの力演、脇を固める河村篤志役を演じた香川照之さん 等の好演、難病を題材にしながらもまた違った要素を挿入した堤幸彦氏の作り手としての細やかな手腕を感じられる映画であったと思います。



また遊びに来させて頂きます。

ではまた。



TBありがとうございました(^^) ()
2006-05-15 12:36:47
こんにちは!

公開初日の初回に、観に行ったのですが、満員で驚きました!しかもご夫婦で観に来られている方が多くて・・・。素敵な光景でしたが、もし私が結婚してたら、果たして夫婦で観に行けるのか・・・。枝実子のような包容力がある女性になれてたらいいなぁって思いました。

決して他人事ではなく、誰にでも起きてしまうことかもしれないからこそ、観ていて怖くもなりました。それを、最後に枝実子の微笑みが「大丈夫」って、救ってくれたような気もしました。
こんにちは♪ (ミチ)
2006-05-15 14:19:00
邦画に厳しいcharlotteさんですが、これには結構ヤラれちゃったみたいですね~。

っていうか、ご覧になるとも思っていなかったのよ(笑)

枝実子の仕事に関しては私もいろいろ感じることがありました。

専業主婦が仕事に復帰する時のやり取りもグサっときましたし。

あの仕事は彼女にとても合っている様なので、ぜひ続けさせてあげたいな~と思いました。第二の人生を輝いて生きるためにも。



ところで、先日はメールのお誘いをありがとうございました。

なんだか躊躇しておりますが(照)、そのうちメールさせていただくかもしれません。

その節はどうぞよろしくお願いいたします~!
これを観て。。。 (こっちゃん)
2006-05-15 15:55:53
あれ?もしかしてボクもアルツ?

そう思った人も多かったのかもしれませんね。



あの時、「桜」「電車」「ネコ」を謙さんと一緒に思い出せず、

「おい、ミッチー!オラも診てくれ!」

そうスクリーンに向かって叫びそうになった人もいたはずです。

考えて見れば身近で怖い病気ですよね。



charlotteさんが顔の輪郭が変るほど泣いたの、良く分かりますよ。

kossyさんもヤバかったんですもんね。

もちろん、こっちゃんだってですよ。



昨年から流行の記憶系の中で、この映画が一番身近に感じ、

そして素直に泣けましたね。



謙さんはこの映画を海外に持ち出したいと昨日TVでおっしゃってましたが、

この感覚が外の国でも受け入れられたらいいなと思うのでした。



「ところで、今日金魚にエサやったっけ?」

「あなた、ウチは金魚飼ってませんよ。」

そのうち、こっちゃんもこんなコト言われそうで怖くなりました



コメント&トラバありがとね。
忘れん坊~ (charlotte)
2006-05-15 17:58:52
たろさん

監督の手腕を私も感じましたよ。

どちらかというと謙さんの情熱って感じでしょうか・・・

出演陣がまたよかったですよね~

袴田君、実は結構好きです。

香川さん、どうも秀吉のイメージから抜け出せなくて…助演男優賞狙えるかな~





空さん

夫婦が多かったのは私の時もそうでした。

熟年にはかなり共感できる部分が多い要素を含んでいるからでしょうか。

映画なんていつも一人で見ますよ~ああさみしぃっ!

空さん、きっと優しい奥さんになれますよ。

多分ご主人となる方とこういう作品をご覧になっているでしょうねえ~。







ミチさん

実は自分でもまさか初日に見るとは思わなかった。笑

時間の都合上だったのですが、見てよかったですよ~

どうも邦画もTVドラマの域を抜け出せないものが多いなと思うこの頃でしたけど、これはツボを刺激されましたね~。多分忘れん坊なんですよ!爆

そうそう、どうしても妻という立場で見てしまったので、その件についての記述が多くなりました。

子育て中、もしくは子育てが終わった女性が働くというのはまだまだ厳しい社会ですよ。

そういう点でどうにかしたいと思ってる一人ですが…

メールはいつでもOKですよ~♪お待ちしてます





こっちゃん

「桜」「電車」「ネコ」…すぐ思い出せなかった私はただの忘れん坊ではなく、やはりアホ?orアルツ?爆

皆、ぶつぶつつぶやきながらあのシーンを見てるんでしょうかねえ~

ミッチー、な~んか冷たい医者じゃん!って思いましたが、パパがアルツだったなんて、もう泣かせる演技できるのね~って思ったら株があがりました。爆



そうなのよ、こっちゃんより輪郭崩れたと思う・・・

←多分こんな感じ。

きっと誰も私だと思わない。ホラー見た感覚?

う~・・・



多分忘れん坊の私でも、ご飯だけはしっかり食べるはずだから生きてはいけるかしら??

また支離滅裂言ってる私をどうか見捨てずにこれからも「シャーロット生きてる?」と、のぞきに来て下さいな~
Unknown (honu)
2006-05-15 20:18:09
こんにちは!コメント、ありがとうございました(^^♪

> 自分の身体を食べて生きていく

そうなんですか・・・?

この作品を観ながら“私もアルツなんじゃ・・・??”と怖くなったうえに、charlotteさんのこの記述に更に恐怖を感じてしまいましたぁ(-_-;)



でも、大滝さんの『生きてりゃ良いんだよ、生きてりゃ』って言葉に、“そうよね、生きてるだけで素晴らしいんだよね”って思えたりもして・・・。

力のある良い作品でした(^.^)

生きる (charlotte)
2006-05-15 21:52:07
honuさん

ごめんなさい!言葉が足りませんでしたね。

拒食症と言う摂取障害をご存知ですか?

食べれなくなってしまう病気ですが、エネルギーが食べると言う行為で体に摂取されないと、生命維持の為に自分の体に蓄えてある脂質やタンパク質を糖に変えてエネルギーを維持するんです。

だから身体は痩せ細っていくんですよ。

極端な例になると内臓も脳みそさえも細胞が減っていき、死に至ります。昔私がそうだったものですから。

普通に食べてればそういう事は起こりませんので…

不安にさせる事書いてすみません。

生きてりゃ、それだけで本当に幸せですよ。

そこに生きていてくれる事が奇跡ですね。
Unknown (ケント)
2006-05-15 22:15:14
 charlotteさん、コメントありがとうございました。

 この作品は、「明日はわが身かな」と感じさせるところが、感情移入し易いのでしょうね。「シャーロットの涙」とてもロマンチックなタイトルですね。時々覗いています。これからもよろしくお願いします。



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