シャーロットの涙

☆映画と音楽、その他、芸術鑑賞記録と残しておきたい日々の雑記☆

アーティスト THE ARTIST

2012-05-06 17:01:06 | 映画「あ」行の作品
やっぱり映画音楽はサイコーに好きだ♪

仏産映画が米アカデミー賞でオスカー獲得するなんて、おフランス贔屓な私はなんだかとっても嬉しくて。

映画な毎日をおくる事から日々遠ざかっていくこの頃の私なんだけど、本作は観ておきたい映画の一つでもあり、観に行ってやはりストレートに心に響くものを感じたのでした。そしてブログの更新などしてみちゃったりw

普段映画を観る時、私は耳で映画を楽しめる作品に対してとっても好感を抱くし、やはり映画音楽とか音響等の演出なども映画を観るのを選ぶ際に一番こだわっていたりする。
音や音楽が挿入される事でいかに感情や心を高揚させる事がすんなりできるものかと思った事も多々あるから、印象的な音楽を使うハリウッド作品だって音楽映画やミュージカル映画も大好きなものはたくさんある。
でも逆に一切音楽がない事にこだわる作品だって好き。音楽をあえて使わなくたって感情を高めてくれたり、その映像に流れる空気感を感じ取る事が容易にできたりとか、時には自然の音や生活音が心に染みいる場合もある。
私はあまり観ないホラー映画も、あのようなジャンルは音の使い方にこそ醍醐味があるだろって思うもの。

でもね、どうも最近は心底音楽を楽しみながら映画を観たって思える事があまりなくて…。
要するにそれらが過剰だなって思う事が増えてきた気がしてならないの。シネコンな映画なんて特にそれで。
私はクラシック音楽が大好きだしそれらを鑑賞する時もそれなりにこだわる。
だけど映画を観てる時のシンフォニーな音の重厚さはあまりにも疲れさせられるし、これでもかと鳴り響く重低音と耳をつんざくような高音域な音に、観終わってヘロヘロになってしまう事がいつの間にか私を劇場から遠ざける一因になってしまったような…
私には過剰サービスはノーサンキュー。
でも、多分そういう音楽を映像とは切り離して聴いてみたら多分私好みのものもたくさんあるに違いないんだけどね。
主観的な事ではあるんだけど、画と音が調度よくブレンドされていると感じる最近の作品ってアメリカのハリウッド作品よりはヨーロッパ映画である事の方が多い。

本作はサイレント作品ではあるけれど、バックミュージックが流れ、それがまたすこぶるいいの。
映画の物語の中で流れるというよりは伴奏という感じ。
実際にサイレント映画のピアノ伴奏付などを過去に観た事があったけれど、ピアノの調べがサイレントという無音な作品の空気に色を与え、映像が生き生きと輝くのを感じてそれはそれは心地良い体験だった。
本作でも「サイレント」作品へあえて音楽を伴奏使いするという試みが、そういう相乗効果を生んでいる気がしたんだな。
もしかしたら気恥ずかしくなるような音楽なのかもしれないけど、でも美しくてロマンティックなメロディは、映像とマッチしながらも独立した音楽としてもきちんと心の琴線を刺激してくれるのだから…もう私の耳はメロメロ。
適度な軽さと甘さがいいの。着色料何使った?というような見た目もドッキリ頭が痛くなるような甘くてクリームこってりこてこてなケーキだって一口で十分だろさ;

サイレントからトーキーへ時代が移り変わる物語の部分でも、絶頂期から徐々に後退していく切なさや恋心をハラハラ見守ることになっていて。物語前半のコメディな部分があるからこそ、時代から取り残されるような不安やプライドを捨て去れない大人心が余計に悲哀として響いてくる。
そういった事を声や音や音楽やそういうものを使わない映像のみの表現でも、あれだけ人を笑わせたり涙させたり感動させたりする事が出来るなんて本当にすごいよね。
本作のジャン・デュジャルダンやベレニス・ベジョ、それに喋る事が本当に出来ないw犬のアギーだって、表情が豊かで、でも品があってそのくせとってもチャーミングなのだもの。
あらゆる情報を抜き去って本当に必要なものだけを使って人に想いを伝えるという事って、簡単なようで実は一番難しい事だし、そういう事が出来ていた古き良きハリウッドの映画に携わっていた人達はそれこそ芸術家…アーティストだよって思う。

でも声が聞きたい音も音楽も楽しみたい、そんな観衆の要求があってこそ今の私達は耳でも映画を楽しめるようになったのよね。
そして時代は2Dだけではなく3Dでも。フィルムからデジタルへ。技術の進歩は止められないし止める必要もないけれど、変わって欲しくないものもたくさんあって。そんなジョージな気持ちになってしまいつつ…
シンプルな表現はやっぱりストレートに人の心を動かせるって事がよくわかる。
タップダンスで締めくくるなんてまさに心躍ってしまうわよ。2人はダンサーではないからこそ見えないところでの役者魂さえも感じてしまえるのだから。
そしてルドヴィック・ブールスの音楽に、また劇場へ戻ってたくさん映画を観たくさせられてしまったようだ。



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2011年フランス

【クレジット】
監督: ミシェル・アザナヴィシウス

製作: トマ・ラングマン
製作総指揮: ダニエル・ドゥリューム  アントワーヌ・ドゥ・カゾット  リチャード・ミドルトン  エマニュエル・モンタマ
脚本: ミシェル・アザナヴィシウス
撮影: ギョーム・シフマン
美術: ローレンス・ベネット
衣装: マーク・ブリッジス
編集: ミシェル・アザナヴィシウス  アン=ソフィー・ビオン
音楽: ルドヴィック・ブールス

出演: ジャン・デュジャルダン ベレニス・ベジョ

【解説】
 フランスで人気のスパイ・コメディ「OSS 117」シリーズのミシェル・アザナヴィシウス監督と主演のジャン・デュジャルダンのコンビが、ハリウッド黄金期を舞台に白黒&サイレントのスタイルで描き、みごと2012年のアカデミー賞作品賞に輝いた異色のロマンティック・ストーリー。共演はベレニス・ベジョ。また、劇中で主人公のチャーミングな愛犬を演じたタレント犬アギーの名演も大きな話題となった。
 1927年、ハリウッド。サイレント映画の大スター、ジョージ・ヴァレンティンは、彼に憧れる女優の卵ペピーと出会い、自身の主演作でエキストラの役を手にした彼女に優しくアドバイスをおくる。そんな中、時代はセリフのあるトーキー映画へと大きく変わっていく。しかしジョージは、自分は芸術家だと主張してサイレント映画に固執、瞬く間にスターの座から滑り落ちることに。そんなジョージとは対照的に、時代の波に乗ってスターの階段を駆け上っていくペピーだったが…。(allcinemaより)
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4 コメント

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劇場回帰?^^ (sakura)
2012-05-08 10:30:25
アーティスト、ロッテさんを再び劇場に向かわせたようですね^^

時間的ゆとりが今足りていないので、また改めてじっくりと読ませて貰いますね。
sakuraさん (シャーロット)
2012-05-08 17:40:01
こんにちは~
早速のご訪問ありがとうございます。うれしいです。

そうなの、劇場行きたい気持ちはこれまでもたくさん湧いては消え…の連続で。
これからは消えないうちにさっさと行ってしまえ~とおもいましたよ。そして、さっとブログ更新(^◇^;)
ご無沙汰しております (メビウス)
2012-10-16 22:56:28
シャーロットさんこんばんわ♪すんごいご無沙汰しております(ってこれ、去年も言ったのですがw)。遅ればせながら自分もようやく作品賞鑑賞です。

サイレント作品はそれこそチャップリンの作品を断片的に見たくらいな非常に拙いものばかりだったので、改めてじっくり鑑賞して自分もサイレント作品の魅力に少し触れた感じがしましたね。シャーロットさんの言うバックに流れる伴奏みたいな音楽も、言われてみれば確かに物語や役者さんの表現を引き立てる事に一役買っていた感じがするし、ジョージがペピーの屋敷でアレらを発見するシーンなんかも、彼のショックな気持ちをドバーン(?)な伴奏で良く表していたように思えます。

ただ自分は表面的な鑑賞にもなっちゃってたせいか、絶賛!・・とまでにはちょっとならずで・・^^;サイレントからトーキーといった移行期の映画史にも全然明るくなかったので、結果的にリズミカルなタップダンスが心地よかったりワンコが芸達者でカワイイ♪といった淡白な鑑賞になってた感じです・・(汗
メビウスさん (シャーロット)
2012-10-17 21:43:21
ホント、こちらこそご無沙汰しちゃって・・・でもこうやってご訪問していただくと、私も自分ちにも帰れるのでwなんだか懐かしい。爆
・・・爆・・・とか使うのって、もはや死語よねぇ。時代から取り残されていくジョージな気分。わはは

ところで私だってサイレント作品が大好きって言えるほど見てないし、全然詳しくありません。
でも今思うと、サイレント作品に心地よい音楽がくっついてるものって、ホント自分の大好物なんです。
本作はまさにそれ。
だから、もし本作が本来のサイレントまんまの作品だったらここまで私が騒ぐほど感動していたかどうか・・正直わかりません;
それに芸達者な部分を感じるシーンこそ感動しちゃいましたもん。
淡白さ加減は私もきっと同じです;
でもだからこそいつも映画に期待もしちゃうし、思った以上に楽しませてもらえると嬉しくなっちゃったりもします。
だんだん映画とブログ生活から離れてしまっていましたが、ちょっとまた書いてみようかなって思えるTBをありがとうございました\(^^)/


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