シャーロットの涙

☆映画と音楽、その他、芸術鑑賞記録と残しておきたい日々の雑記☆

コッポラの胡蝶の夢

2008-09-24 22:27:57 | 映画「か」行の作品
原作は、幻想文学の鬼才ミルチャ・エリアーデが円熟期に著した「若さなき若さ(Youth Without Youth)」
コッポラ10年ぶりの新作~♪

私はコッポラの青春映画が好き。ちょっと背伸びしてクールにきめて、でもその青さが切なくてほろ苦くて。時間を巻き戻せるなら私だって若かりし日に戻ってみたいって、そんな映画たちを見る度に思ったりもするんだよな。
魂は不滅なのだろうって、どこか信じたい自分ではあるけど信じきれない部分もあったりして混沌としたり。でも体は時間の経過とともに老いるし、そんな時間と日々悪戦苦闘としながらいつまでも若くありたいとせっせとお肌のお手入れなんかしてみたり;気持ちだけは若い頃と同じだ、なんて悪あがき?したい自分もいる;
でもそんな時に急に取り戻せない時間が突然戻ってきたり、若返ってみたりできちゃったら…そりゃ嬉しいけれど実際は戸惑うばかりかもしれない;と思うのも本音かな。

「ランブルフィッシュ」でも時計のコチコチ音が印象的であったのを妙に覚えているの。音楽という音楽を使わず、そういった音にこだわりがあったのかと記憶してるんだけど、本作でも私には時計が印象的だった。なんとなくランブルフィッシュの時のちょっと難解でシュールで、でもその映像はとってもモダンでスタイリッシュだった事を思い出して、本作も全編モノクロームだったら二つの作品がもっと重なって、私の中ではかなりコッポラ的と思えるような演出と感じたかもしれない。
だって両作品ともカメラが切り取る映像の構図が私にはこれまた素晴らしかったのだから。
あまり物語自体には詩的さ加減を感じなかったけれど、自然を映し出す画はとても美しかったし、人物と背景の位置関係がすごく計算されたようにかっこよかった。そしてその中で流れていく時間というものを、早送りとかちょっとした小細工や画像処理で魅せる点は共通してるように思えたのだな。
カメラは「流れゆく時」の「一瞬」を切り取って、そして最後はやはり変えられない時の流れへの「歯がゆい」想いを残して終わるだなんて、、、結構グッと胸に迫るものを感じたの。
物語云々よりもそんな絵を見つめる目線で見ていたから、もちろん話そのものはあまり理解出来ていない;のだけど、時間というものに対して私なりにこだわりをかなり感じられた。

言葉というものも移り変わるし、それも遡れば言語というよりも魂同士が共鳴しあって、心を感じ合っていたところに結局は回帰していくのだよな…。
コミュニケーションの中のひとつの手段として言葉は存在するけれど、それを改めて大事に思いながらも感じ合う心も大切にしたいし、あえてその感じたものを言葉として表現する事も大事にしたいと思えた。でも心とは裏腹の言葉も用意できてしまうなんていうのも哀しいよなぁ。やりたかった事、やり残した事をやり遂げたいと思う心と、相手を大事にする想いが交差していく様はなんだか切なくもあり。
そして気がつくと自分は一人だったなんて・・・私自身の行く末を感じるようで少し怖い;爆

老いても美しくありたいと思うけど、歳をとる自分と上手く向き合う事ができたらいいなとも思うこの頃;・・・でも、それでも、時間とはうまく折り合いをつける事が出来ず1日が48時間位あればいいなと思ったり、時間を止めてしまえたらいいなと思ったり…。夢を追う時間の隙間に入り込み、ふと気がつくと現実は高速に過ぎ去っていき…ああ、哀し;;

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
上映時間 124分
製作国 アメリカ/ドイツ/イタリア/フランス/ルーマニア
公開情報 劇場公開(CKエンタテインメント)
初公開年月 2008/08/30
ジャンル ドラマ/ロマンス/ファンタジー

監督・製作・脚本: フランシス・F・コッポラ
製作総指揮: アナヒド・ナザリアン  フレッド・ルース
原作: ミルチャ・エリアーデ 『若さなき若さ』
撮影: ミハイ・マライメア・Jr
プロダクションデザイン: カリン・パプラ
衣装デザイン: グロリア・パプラ
編集: ウォルター・マーチ
音楽: オスバルド・ゴリホフ
出演: ティム・ロス   アレクサンドラ・マリア・ララ
    ブルーノ・ガンツ アンドレ・M・ヘンニック
    マーセル・ユーレス    アレクサンドラ・ピリチ
   エイドリアン・ピンティー  フローリン・ピエルジク・Jr
   ゾルタン・バトク  アナマリア・マリンカ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
1938年、ルーマニア。年老いた言語学者ドミニク・マテイは、最愛の女性ラウラと別れてまで人生の全てを捧げてきた研究が未完に終わることを悟り絶望していた。自殺を決意しブカレストの街を歩いていた彼は、突然発生した雷の直撃を受けてしまう。やがて、病院のベッドで意識を取り戻すドミニク。即死してもおかしくないほどの全身やけどを負いながらも奇跡的に一命を取り留めていた。その後彼は、主治医も驚くほどの驚異的な回復をみせたばかりか、肉体的に急速な若返りを始めたのだ。さらに知的能力さえも大幅に向上していくドミニク。そんな自分に興味を示すであろうヒトラーの手を逃れるため、スイスへと亡命するドミニクだったが…。(allcinema)

コメント (6)   トラックバック (7)   この記事についてブログを書く
« この自由な世界で | トップ | 落下の王国 »

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
若返りたいんじゃなくて、人生をやり直したいの・・ (かえる)
2008-09-29 20:28:36
「ランブルフィッシュ」はよかったですよねー。
お魚ちゃんにだけ色がついていたんでしたよね。
アレはすごくツボな表現でした。
「ワン・フロム・ザ・ハート」なんかも楽しかったしー。
でも、よくよくフィルモグラフィを眺めたら、自分が見ている監督作は半分もないかもっていうことに気づきました。
というわけで、私の担当は娘コッポラでいいやー。
でも、これも、ルーマニアでインド、ときたので、私好みでござりました。
ティム・ロスのメヂカラは若かりし頃のパチーノのそれに通じるものがあるかもー
書き直したい・・・ (シャーロット)
2008-09-29 21:04:58
かえるさん
若返りたいのは私;? 爆
そうなの、ランブルフィッシュはすごく好きなのです。でも昔見た時は意味が全然わからなくて; 今はすこぶる好きな風味です。
だからかえって本作は正統派っぽさも感じましたです。いえ、もちろん幻想的ムードはあったけど;
・・・それと、実は私もコッポラ作品ってあまり見てないかも;しれません。
目力・・・ティム・ロスは確かに目が印象的ですねー。かえるさんは目力のある人に惹かれちゃうのかしらん。むふふ;
コッポラも俳優の才能を見抜く目力もあるのでしょうね。そして彼らをホントに素敵に撮れる人もコッポラだからなんでしょうかねえ・・・



老い (manimani)
2008-09-29 23:05:05
こんにちは
老いがひとつの重要なテーマでしたね。
老いと折り合いを付けるというのは想像以上にムズカしいことなのかもしれない、とドミニク(特に冒頭の)を観て思いました。

おどろくほどいろいろなテーマがつまっている映画で、あれこれ思い出すのが楽しみです。
manimaniさん (シャーロット)
2008-10-01 00:26:47
こんばんは。
老いる・・・特に女性はこれに対してかなり抵抗をおぼえるのではないでしょうかねえ;それにしてもティム・ロスへの特殊メイクは圧巻でござりました。
私も久々のコッポラ作品という事で何かと思う事はたくさんございます。
本作は言語に対して深く追及しるし、彼の作品って言葉に意外にこだわったものが多いなあという印象が私にはありまして。いい台詞が多いのですもの
それに映像も人物を引き立たせるような撮り方が上手いですよね。。。何気にいつも豪華な俳優を揃えているし。
あれこれ、とっても重厚です。
・・・だからちょっと青臭い青春映画が好きだったりしてます;
カメラ (kimion20002000)
2009-08-27 13:15:07
TBありがとう。

カメラが上下が逆になったり、コラージュしたり、斜めになったり、時制の変化を計算してるんでしょうね。
kimionさん (ろって)
2009-08-27 20:42:25
こちらこそ、いつもありがとうございます♪
コメントまで・・・大変恐縮です;

そう、とってもカメラ目線が工夫がこらされていましたよね。モダンな絵画的というか。
コッポラ作品はストーリー性そのものよりも画的に大好きです。

コメントを投稿

映画「か」行の作品」カテゴリの最新記事

7 トラックバック

コッポラの胡蝶の夢/YOUTH WITHOUT YOUTH (我想一個人映画美的女人blog)
大監督フランシス・フォード・コッポラの、10年振りの最新作{/ee_1/} 先月の観たいリストに入れ忘れてた。 期待はしてなかったけど、コッポラの新作はどんなか確かめるつもりで劇場へ。 ティム・ロスも好きな俳優だし♪ 原題は「YOUTH WITHOUT YOUTH」 幻想文学の鬼...
「コッポラの胡蝶の夢」フランシス・F・コッポラ (Mani_Mani)
コッポラの胡蝶の夢 2007アメリカ/ドイツ/イタリア/フランス/ルーマニア 監督・製作・脚本:フランシス・F・コッポラ 原作:ミルチャ・エリアーデ 音楽:オスバルド・ゴリホフ 出演:ティム・ロス、アレクサンドラ・マリア・ララ、ブルーノ・ガンツ こいつ...
『コッポラの胡蝶の夢』 Youth Without Youth (かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY)
復活おめでとう。 第2次世界大戦前の1938年、ブカレストの街で年老いた言語学者ドミニクは雷に撃たれ、病院に搬送される。現代ルーマニア文学の巨匠ミルチャ・エリアーデの幻想奇譚「若さなき若さ」が原作。 「荘子」の故事「胡蝶の夢」をモチーフとしている。 ル...
コッポラの胡蝶の夢 (だらだら無気力ブログ)
『ゴッドファーザー』や『地獄の黙示録』で知られる巨匠フランシス・F・ コッポラ監督が幻想文学者のミルチャ・エリアーデの『若さなき若さ」を 映画化。10年ぶりにメガホンをとったコッポラが一人の男の数奇な運命を 描く。1938年、ルーマニアの言語学者ドミニクは...
mini review 09380「コッポラの胡蝶の夢」★★★★★★★★☆☆ (サーカスな日々)
『ゴッドファーザー』3部作などの巨匠フランシス・F・コッポラが、幻想文学の鬼才ミルチャ・エリアーデの原作を映画化。人生をやり直す機会が与えられた老齢の言語学者が、切なくもまか不思議な魂の旅を繰り広げる。主演は『神に選ばれし無敵の男』のティム・ロス。共演は...
コッポラの胡蝶の夢 (★YUKAの気ままな有閑日記★)
WOWOWで鑑賞―【story】1930年代、ルーマニア。70歳になった言語学者のドミニク(ティム・ロス)は、かつて愛した女性ラウラ(アレクサンドラ・マリア・ラーラ)を忘れられず、孤独な日々を送っていた。そんなある復活祭の日、ドミニクは落雷に打たれ、病院に搬送される。...
「コッポラの胡蝶の夢」 (★☆ひらりん的映画ブログ☆★)
フランシス・フォード・コッポラ監督が10年ぶりに作った作品だけど、 邦題からして意味不明。 監督名を付けるのは、良くないと思うけど。