スチャラカランナーの日々

運動部経験なし、40代マラソンランナーの趣味日記。ランニングも趣味のひとつですから。

「陰陽師 安倍晴明と蘆屋道満」繁田 信一/著

2006年05月17日 | 
 「陰陽師 安倍晴明と蘆屋道満」繁田 信一/著読みました。

 夢枕獏さんの小説「陰陽師」(とコミック版)で知られる安倍晴明が何故にそれ程の知名度と超人性を得たのかや平安時代の貴族社会を中心に、陰陽師がどのような役割を果たしたかを書いています。

 安倍清明は小説「陰陽師」で初めて超人的な人物として描かれたと言うわけではなく、昔の文献でも超人的な人物として描かれていたということで、それは陰陽道で最も有力であった賀茂家への対抗策であったというのはなかなか面白い。

 平安時代ではやたらと方向が悪いとか日が悪いとかのために方違えやお祓いを行ったり、出廷をしなかったりなどいろいろな対応をしている。一方できりがないのでその重大性に併せてその対応を変えるなど意外と現実的な事も行っている。

 もしかすると休むための口実で、暗黙の了解で方向が悪いとか日が悪いとかを本心では信じていないながらも受け入れていたのではないかなどと思ってしまいました。

 昔の文献に基づくいろいろな出来事や人物に関しては知らないことも多いのですが、その役割など陰陽師と言うものの位置づけなどでは、もともとどこから陰陽師というものが出てきたのかについても記述して欲しかったところ。

 「東京百鬼 陰陽師・石田千尋の事件簿」を読んだ所だったので、ついでに読んでみました。