司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

書面決議による(代表)取締役選定の議事録 その1

2013年06月21日 | 役員

おはようございます♪

本日は、「へぇぇ~。。。そうだったんだぁ~。。。何か変じゃないのっ!? (-_-;)」 と思ったコト。

ワタシの担当案件じゃございませんケドね。。。ハハハ。。。

モノは代表取締役の解任案件でありました。
ま、これはキッカケにすぎません。
モンダイは、後任の代表取締役の選定にあたって、他の取締役の「実印+印鑑証明書」が必要か。。。ってコトです。

代表取締役を解任するというコトは、他に代表取締役を選定しなければならない。。。というコトで、だとすれば、従前の代表取締役が会社の届出印を議事録に押印する。。。とは考えにくい。。。
しかし、そういうケースである以上、登記申請も速やかに行わなければいけないよね~。。。どうしよ~。。。というようなハナシです。

しかも、この会社、外国在住の取締役が数人いらっしゃいますんで、その方たちに議事録に自署してもらったり、サイン証明書(署名証明書)を取得してもらったり。。。が必要だとすれば。。。
う~ん。。。それってすぐ登記するのは難しいですよね。。。何か良い方法があるでしょうか???

で、ハナシは少し戻りますけれども、この会社サン、取締役会非設置で、代表取締役の選定機関は株主総会とされています。
そして、後任の代表取締役は現在の取締役ではなく、新たに取締役を選任し、その方を代表取締役に選定するのだそうです。


。。。さて、いかがでしょうか?
ワタシ自身はですね。。。担当している会社サンは圧倒的に取締役会設置会社が多いですし、取締役会非設置の会社サンもどこかのグループに属している会社ばかりなので、今回のような若干のモメゴトで代表取締役が交代するようなケースはなかったと思うんです。
そうは言っても、取締役会非設置の会社の代表取締役の交代は何度もやっておりますし、特に違和感はなかったのですが。。。

。。。というワケで、特に争いのある論点じゃないんですケド、この機会にまとめておこうかと思います。
代表権のある取締役を選定した議事録に押印するヒトおよび印鑑について。
ただし、従前の代表取締役が届出印を押印するケースを除きます。

まずは、取締役会設置会社

1.取締役会を開催して代表取締役を選定した場合の取締役会議事録
 ⇒出席取締役及び監査役全員の実印を押印
  業務監査権限のない監査役は取締役会に出席する義務はありませんが、出席した以上、実印の押印が必要です。欠席した取締役については、モチロン、押印不要です。

2.書面決議によって代表取締役を選定した場合の取締役会議事録
 ⇒取締役全員が議事録に実印を押印(監査役は不要)
  議事録には記名押印義務がありませんから、議事録に取締役全員の実印の押印がない場合は、議事録の他に取締役の同意書に実印を押印したものを加えても構いません。ちなみに、書面決議の際は、業務監査権限のある監査役の異議がないコトが必要ですが、法律上は「異議がない」コトを会社に通知する必要はないので(実務上は異議がないコトの確認をしていますが)、監査役の実印押印や印鑑証明書は不要です。

。。。と、ココまでは普通ですかね?
ワタシは、書面決議の場合の監査役の押印って必要だったかな。。。?と、チョットあやふやだったりしましたけれども。。。^_^;

続きはまた来週♪

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計算書類等の備置き その3

2013年06月20日 | 株主総会

おはようございます♪

まずはお知らせ(?)^_^;

2007年4月24日の「会社法であそぼ」のQ&Aで、計算書類等の備置書類について、葉玉センセイが次のように答えておられます。

「(取締役会の)承認は必要です。承認がないと、ドラフトも全部開示するということにもなりかねません。会社法は、当然のことを書かなかっただけです。」

これ、昨日、Kさんからメールで教えていただきました。いっつも、ありがとうございますm(__)m

実は、私もそんな記憶があったんですが(←ほんと~ですよ!^_^;)、検索できなかったんですよね。。。
しかし。。。現在出版されている株主総会関連の書籍に、そのコトに言及しているモノは見当たりません。
やっぱり、書籍にパッチリ書いてほしいなぁ~。。。と思いますよね。。。。。。ね???

。。。というワケで、取締役会の承認が必要!という結論はおそらく間違いないだろう。。。という前提で。。。

計算書類等の備置開始。。。
「会社法に定められているとおり、株主総会の2週間前の日からやってますよ♪」
という会社サンは、実のトコロ、そんなに多くはございません。

備置開始日が遅れてしまう理由は大きく分けて2つございまして、
「株主総会の招集期間と同じだと思ってた」または「そんな規定があるとは知らなかった」
というモノと、「頑張って守ろうとしてるケド、ムリッ!!」というモノ。

定時株主総会の準備は、以前に比べて時間短縮ができるようになりましたが、期末の決算に要する期間もありますし、グループ会社の場合、株主総会の開催日が決まっていて、後ろにはずらせないというコトもありますし。。。ま、色んな事情で、備置開始日を守れない会社サンも結構ございます。

定時株主総会の場合、前もってスケジュールのご相談を受けるコトが多いんで、一応、備置開始日以後に取締役会を開催するという会社サンには、念のためこのことは説明をさせていただいています。
が、やっぱり、なかなか難しい。。。

「どうしても守るぞ!」という会社サンは、監査報告を早めに出してもらうように監査役にお願いしたり、取締役会を書面決議にする等の工夫をされているようです。
(ご質問があったらオハナシするコトなので、全ての会社サンがどのように考えられているかは分かりませんケド、結局、株主総会の招集決定をする取締役会議事録を拝見しますと、株主総会の2週間前までに取締役会を開いている会社はごくわずかです。)

。。。でもね。。。どうしても守りたい場合は、こんな方法もあるんです。
それ、書面決議。

コチラは条文にちゃんと規定されていましてね。。。
「第319条第1項の場合にあっては、同項の提案があった日」が備置開始日とされています。
例えば、今日提案して、今日決議。。。という場合は、計算書類等は今日から備置すれば良いワケです。
書面決議だったら、株主総会の開催日は前もって決まっていないので、提案の日にするしかないんでしょうけどね。。。
そう考えると、やっぱり、備置開始日は株主総会の招集期間と一致させるべきだと思っちゃいます。。。(-"-)

まぁ~しかし。。。そのためだけに株主総会を書面決議にする会社はないんでしょうケド。。。ハハハ。。。

。。。で、今回。
備置開始日を守りたい。。。という、非公開大会社(取締役会設置会社)サンがありまして。。。
今年は役員の改選期ではなく、剰余金の配当もせず、そして、計算書類は報告事項になる。。。というんです。
たまにありますが、「決議事項がない定時株主総会」でございます。

でね。。。
株主総会を開催しようとすると、計算書類等の備置開始が間に合わないんで、書面による報告(会社法第320条)にしますっ! と仰る。
(そんな会社はないと思ってたケド、ありましたねぇ~。。。^_^; )
トコロが、それはそれでどうなんでしょう。。。???
442条には、319条(株主総会の決議の省略)の場合の規定はあるケド、320条(株主総会への報告の省略)の場合の規定はないんです。。。^_^;

そこで調べましたらば、この点に関しても、葉玉先生のブログでサミーさんが、「第319条に準じて、全員に報告した日と解するのが妥当ではないでしょうか。」と仰っておられます。(← ※青字部分訂正しましたm(__)m)

。。。というワケで、非上場会社サン(特に、結構大き目の会社サン)は、こんなトコロで苦労されているんですよね~。。。
次回の改正で一緒に見直してくれないかしら。。。と密かに(?)思っております。 

注)コメントをいただきましたので、若干本文を訂正しております。コメントも併せてお読みくださいm(__)m

コメント (2)
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計算書類等の備置き その2

2013年06月19日 | 株主総会

おはようございます♪

早速昨日の続きです。

備え置くべき計算書類等は、取締役会の決議を経ておくべきなのかどうか。。。
会社法施行直後からギモンに思っていたコトでした。

ちなみに、取締役会非設置会社の場合ですと、備置開始日は「株主総会の1週間前の日」とされています。

基本的に招集期間と合わせてあるように思えますが、非公開会社の株主総会の招集期間は法定で1週間。
なのに、備置開始日が2週間前だったら、招集期間が1週間で良い意味がないんじゃない?

だったら、規定もないコトだし、とりあえず承認を経ていなくっても2週間前から備え置いちゃえば良いんじゃないの?。。。と当初は思ったのですケド、どうも気になる。。。。(-"-)
株主総会関連の書籍にも、そのハナシは触れられてないし。。。。(-"-)
なのに、クライアントさんからは質問がバンバン来るし。。。(~_~;)

前にも書きましたケド、詳細に解説してある書籍というのは、基本的に上場会社向けなんです。
普通は、「大は小を兼ねる」ので、大体用は足りるんですが、非上場会社特有のモンダイになりますと、書いてない。。。(-"-)

公開会社の場合でしたら、株主総会の招集通知は株主総会の2週間前なので、計算書類等の備置開始の時点では、当然、取締役会の承認を受けているハズですからね。。。。別に気にもならないだろうな。。。と思います。

そんなこんなで、会社法施行直後は結論が出せなくて困っていたんですが、本屋さんで立ち読みしていた株主総会の本に「備え置くべき計算書類等は、当然取締役会の承認を得たものでしょ~!」というような記述がチョコッとありましてね。。。(スミマセン、事務所にはない本なので、書籍名は忘れちゃいました^_^;)

ま、考えてみれば、備置書類の中には監査報告も含まれていますからね。。。
仮に取締役会の承認を得ていないモノでも良いとしても、監査報告後の計算書類等でなければならないハズです。
そもそも、監査報告をもらうまでに結構時間がかかるモノみたいですから、その時点で備置開始日が守れない可能性もあるかもね。。。
で、株主総会に提供するためにはさらに取締役会での承認が必要なのに、2週間前から備え置くときには承認は要らない。。。っていうのも、理屈に合わないし、監査報告後じゃないとダメかどうか、というコトも条文には書いていないから、やっぱり、「条文に書いてないとしても、そりゃ~当然、取締役会の承認が必要ですよ♪」 と考えるのが妥当かな。。。と思っております。

ちなみに、「会社法コンメンタール10(商事法務)P535」 では、「取締役会の承認を得たものになると解される。」との記述がございます。

。。。というワケで、キチンとした根拠があるわけじゃないんですケド、クライアントさんには、備え置くべき計算書類は取締役会の承認を受けたモノであると思われる。。。とご説明しています。

では、実務上どのように対応されているか。。。というコトですケドね。。。
続きはまた明日~♪ 

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計算書類等の備置き その1

2013年06月18日 | 株主総会

おはようございます♪

定時株主総会シーズンですので、よくあるお問い合わせについて。。。

実は、このハナシ、とっくに記事にしたと思っていたんですが、検索してみたらどうもヒットしません。。。?^_^;?
なので、きっと書いたコトがないんだろ~な。。。不思議~。。。 と思いつつ。。。
もし、同じような記事を発見された方がいらっしゃいましたら、教えてください m(__)m

。。。というワケで、始まり~♪

6月に入りますと、もう、定時株主総会ムード一色でございます。

わが事務所のクライアントの皆様は、3月決算以外の会社サンも結構あるのですけれども、この時期になると、「あぁ~やっぱり、3月決算の会社って多いのねぇ~。。。」と実感いたします。

そして、このハナシ、定時株主総会時期になりますと、毎年必ずご質問を受けるような気がします。
何のハナシかというと。。。同業者の皆様はモチロンご存じでしょうが、計算書類等の備置開始日でございます。

定時株主総会に提出される計算書類等は、株主総会の前から会社に備え置くこととされていますよね。。。
で、ソレって、いつから???。。。というモンダイ。

会社法第442条によりますと、取締役会設置会社の場合、「事業報告、計算書類、事業報告と計算書類の附属明細、監査報告」を株主総会の2週間前の日から5年間備え置かなくてはなりません。

そして、モンダイはここからデス。

この備え置くべき計算書類等は、会社法第436条第3項の取締役会の承認決議を経たものなんでしょうか???
ちなみに、条文上は承認を得たものであるとか、ないとか。。。何も規定されていません。

だったら、承認を受けていないモノでも良いか。。。って、単純に考えてはいけないようです^_^;

で、これが実務上どのように影響するか。。。というコトですが。。。
備置書類が取締役会の承認決議を経ている必要があるならば、少なくとも備置開始日までに取締役会の承認決議をしておく必要がありますね。

これ、株主総会の2週間前です。

ケドも!
非公開会社の場合、取締役会設置会社であっても、招集通知の発送は「株主総会の1週間前まで」じゃないですか?
ってことは、通常でしたら、取締役会における株主総会招集決定も、招集通知の発送前、つまり、株主総会の1週間前までに行えば足りるわけです。
ところが、備え置く計算書類というのが取締役会の承認を経たものである場合、株主総会の招集決定も計算書類等の備置開始日に合わせて2週間前までにしなくちゃならない。。。というワケです。

ま、モチロン、計算書類の承認と株主総会の招集決定を別々の取締役会で決議するコトも出来ますケドね。。。
そんなに頻繁に取締役会を開くのは現実的じゃないし、そもそも、計算書類の承認をするのがギリギリみたいなんですよね~。。。
なので、この1週間の違いは、実務上大変大きいようです。

同業者の皆様も、この手の質問は良く受けられるのではないかと思うのですが、どのようにお答えになってます?
ワタシは。。。

続きはまた明日♪

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外国会社の事業の廃止 その14

2013年06月17日 | 渉外関係

おはようございます♪

重大なモンダイ。。。どういうモンダイか、お分かりになりましたでしょうか?
ま、そんなに難しいハナシじゃございませんケド。。。チョットもったいぶってみました ^_^;

「日本における営業所がないのだから、その代りに清算人個人の住所を書く」。。。というコトはつまり、清算人個人の住所地が管轄法務局になる。。。というコトなんです。
今回のケースは、タマタマ清算人のご住所と営業所の所在地が同じ「区」だったんでね。。。どっちみち管轄法務局は変わらないのですケドも、もし、清算人の住所地が他管轄だっとしたら、そちらの管轄に移る。。。ってコトを意味しますよね?
。。。というコトは、清算人が引っ越ししたら、管轄が移る可能性もあるってコトですよね!?
もし、遠~い遠いトコロへお引越ししちゃったら、大変なコトになりますね!?

だけど、清算事務は相変わらず日本における営業所で行っていますし、そもそもこの清算手続きは御上の監視下で行われているモノなんですよね。それなのに、清算人の住所。。。という偶然の事情で管轄がコロコロ変わる。。。あり得なぁ~い!!

そういうコトをイロイロ考え合わせると、普通に営業所を閉鎖した場合と同じように考えるのはムリなんじゃないでしょうかっ?!

それに、くだんの先例は、くどいようですが、そういう制度になるずっと前のモノだから、改正後の手続きに関しては全くフォローされてない。。。

。。。というワケで、お電話してみました ^_^;

「あのぉ~。。。それはつまり、日本における代表者の住所地が管轄になるってコトを仰ってますよねぇ~。。。」
「そうそう!だって、登記手続きはそうなってるでしょ!? 普通に営業所を閉鎖した場合と同じでしょ?」
「ぃやぁ~。。。でも、この会社って清算中なんですよ。。。清算事務は相変わらず日本における営業所でやってますんで、実質的には閉鎖ってワケじゃないし。。。(-"-) そもそも普通じゃない状況なのに、そこだけ普通の手続き。。。って、どうなんでしょ~???」

確かに、単に「営業所を閉鎖した」というトコロだけを考えれば、現在の商業登記の手続上、日本における代表者の住所を記載するコトになるんでしょうが、そもそも、この会社。。。日本における代表者はもういません。。。ケド。。。?(~_~;)
それを単純に「日本における代表者」⇒「清算人」って置き換えて良いのか?。。。ってハナシです。

そこで、ちょっと考えまして。。。
実は、管轄は異なるのですケド、数か月違いで同じようなコトをされている会社があるのです。
そこで、その会社の登記記録を確認してみました。

。。。すると。。。。
ちょうど良いコトに、そっちの会社の清算人の住所は管轄違いの場所でした。
だけど、登記記録は相変わらず日本における営業所の管轄にあります。。。(ニヤリ)

ワタシは基本的には、「この前はああだった」とか、理屈じゃない前例(単なる事実)を持ち出すのは好きじゃありません。
ケドね。。。今回は一般的に定められた手続きではないので、やむを得ず「アッチの会社では、そうなってマス。。。」の作戦 ^_^;

結果。。。
主務官庁とのモンダイもあるんだろうな。。。と思うんですケド、「協議の結果、補正はナシってことで。。。」となりました。

あ~良かったぁ~っ♪

それにしても。。。
色んな事を相談する過程で、営業所を閉鎖したら営業所のない会社になる。。。みたいなハナシはしてたんですケド、この会社とは何故かリンクしていなくって、「清算人の住所地へ。。。」なんて可能性は考えてもみなかったんです。

今回のコトは、普通に考えればそうなるかも。。。だし、それは事前に潰しておかねばならない論点だったんだろうな、と思います。
詰めが甘かった。。。(-_-;)
反省。。。です。。。

。。。というワケで、現在は一段落していますが。。。今後はどうなるコトやら。。。あはは~。。。^_^; 

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