司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

電子定款の謄本の謎 その1

2011年11月15日 | いろいろ

先日のこと。

夏に設立した会社サンから変更登記のご依頼がありました。ありがとうございました_(_^_)_
書類をお預かりするために会社サンにお伺いしまして、今回の案件のことを一通り打ち合わせし、「さぁ帰ろっかな。。。♪」 と思いましたら、「もう一つ伺いたいことがあるんですけどね。。。」と、おもむろに定款の謄本のコピーを見せられました。

ま、今回の案件も定款規定は関係していますが、オハナシは終わっていましたし、途中の段階で定款コピーが登場することはなかったので、「なに?何か問題でもっ!?」ドキドキしちゃいました。

。。。すると、最後のページに付箋が。。。
「えと。。。ココなんですけどね。。。ココの文字が写ってないんです。。。これって、どうしてなんでしょ~??」 とおっしゃる。

ワタシも、しばし、何をおっしゃっているのか分からなかったんですが、つまり、こういうこと。
発起人は会社でして、その代表取締役の氏名に外字が含まれていたのです。本当は「甲野惠郎」(←仮名)なのに、「甲野 郎」。。。と。。。「惠」(←ムリヤリ外字にしてみました^^; あくまでも、仮名デス)の字がない!「ない字」のところは、キレイにスペースが空いているわけです。

しかし。。。ここからが不思議なところ。
電子認証された定款の電子ファイル(PDFファイル)には、きれ~に「惠」の字は存在しておりました。
一同「??????????」

ご存知ない方のためにちょっと説明しますね♪

「電子定款の作成手順」
①テキストファイルをPDFファイルに変換いたします⇒②①のPDFファイルに代理人が電子署名いたします⇒③電子署名したPDFファイルを法務省へ送信いたします⇒④法務省から申請人指定の公証人へファイルが転送されます⇒⑤認証書類(委任状、印鑑証明書など)を持って公証役場へGO!⇒⑥公証役場で電子認証、電子定款(原本ファイル)と定款謄本(紙)を受領⇒終了!

しつこいかも知れませんが、結局のところ、電子ファイルは使い難いので、会社では紙で交付された謄本を利用することになります。
紙の謄本は、別途公証役場に請求しますが、謄本用の紙(PDFファイルをプリントアウトしたもの)は、申請人が用意する場合もありますし、公証役場で出力してくださる場合もあると思います。

問題の謄本は、公証役場で出力していただいたものでした。
「なんでぇ~??どして~??不思議~??でも困るぅ~(-"-)」

。。。というわけで、まずは公証役場に確認しました。
さて、結果はいかにっ?!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

変更登記?更正登記? その3

2011年11月14日 | 商業登記

おはようございます_(_^_)_
今週もどうぞよろしく~♪

さて、早速先週の続き。

これまで「更正」であるとの結論に絶対の自信を持っていたワタシが、「ホントに更正?」と思ってしまった発端は、このこと。
以前、会計監査人の重任について話題になりましたよね。
そう、有限責任監査法人への移行に伴う、登記申請のハナシでございます。

大手監査法人の有限責任化は、今まで3回あったわけですが、いずれも7月1日が変更日となっておりました。
何故かというと、会計監査人は原則として定時株主総会の終結で重任しますから、この登記と併せて名称変更の登記申請ができるように考えられた結果だろうと思います(←登録免許税と申請の手間の節約のため♪)。

そして、「6月●日重任」、「7月1日変更」、その後(7月2日とかに)変更登記を申請する場合、「①6月●日、旧名称をもって重任登記⇒②7月1日名称変更」としなければならないとのお達しがありました。
通常の役員変更登記であれば、新名称で重任登記ができるという結論になりそうだったのですが、これに関しては「名称変更登記を省略するのはまかりならん!」ということでした。

考えてみれば、ま、中間省略登記を認めない商業登記の立場からすればこれが原則なのですが、役員の住所・氏名の変更に関しては、どちらかというと省略するのが一般的でしたので、個人的には「なんで~っ??」と、強く思ったものでした。

しかし、このことと付け合せてみますと、代表取締役の住所の場合でも、確かに「重任」⇒「住所移転」とするのが原則ですし、重任の際に旧住所で登記すること自体(もう一つの登記をしないことは置いといて^^;)は間違いでないような気がします。

さらに、別のケースで考えてみます。
代表取締役Aさんが登記懈怠の結果、2回重任していたとしましょう。
例えばね。。。平成22年6月30日重任、平成23年6月30日重任。
そして、平成23年7月1日に平成22年の重任だけ登記したとします。
この場合、平成23年の重任の登記は未了ですが、登記申請の時点ですでに重任の効力は発生していたら。。。?
その後、平成23年の重任の登記を申請する場合、これは「更正登記になるか?」といえば、それは「変更登記」でしょう!?

さらにさらに、募集株式の発行が2つあったとしましょう。
効力発生日は同日ですが、書類が整わないので、申請できる方を先行して申請することになりました。
。。。。で、遅れてもう一つの募集株式の発行登記を申請する際は、前回の登記申請日よりも前に効力が発生している事項を登記するのですが、これも当然「変更登記」であって、「更正登記」ではありません。

何か特別な根拠があるわけではないんですけどね。。。でも、これは感覚的にかなり自信を持って「変更登記」だと思います。

。。。というようなことをグズグズ考えていましたら、やっぱり今回のケースも「変更登記のような気がするな。。。」と思えてきました。

けれども、そうなると、不動産登記の考え方とは異なるという結論になってしまいますし、「それも何か納得いかないな。。。」なのです^^;

そして、その後も何だか気持ちが悪くって、色々調べていましたら、「取締役・執行役ハンドブック(商事法務)P714」に、「登記簿に記載された時点を基準にして。。。」という記述を発見!(←つまり、今回のケースは「更正登記」であるということです。)
ただ、明確な記述があるのはこれだけですし、かなりサラリと書いてあるしで、理屈がスッキリわからなくってやっぱりモヤモヤしています。

何かもっと「なるほどっ!!納得!!」と思えるような説明があると良いのですけど、今のワタシにはこれが精一杯^^; 
どなたか、教えてくださいませんか~??

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

変更登記?更正登記? その2

2011年11月11日 | 商業登記

おはようございます。
ここしばらく、この問題が頭を離れませんで、モヤモヤモヤモヤ。。。。しています。

実際問題として起きにくいケースではあるんです。
だって、重任したのに登記するまでに住所が変わってしまう。。。ってことは、重任して2週間以内に登記申請するんだったら、そのちょっとの期間中に引越しをし、しかも、引越しすることが事前に伝わっていないってことです。

ですから、任期中に住所移転したのだけど、それを見逃して旧住所で重任登記してしまった、というのが普通のケースだろうと思います。

住所移転に関して、変更登記・更正登記いずれの登記になるかの基準点は登記日(=登記申請日)である、という知識は昔っからのもので、そういえば「何かの本に書いてあった」という記憶はありません(←何しろ、それはそれは遠い昔なもので^^;)。ですから、受験生のときに勉強したのかも知れないし、実務に入って習ったことなのかも知れません。

それで、何故、こんなギモンに悩まされているかというと。。。

一つは、「これに関して詳細に解説された文献が見当たらないこと」 であり、一つは、「他のヒトに意見を聞いたところ、変更登記と答えたヒトが複数人いたこと」なのですが、自分の中で上手く整理がつかなくなってしまったんです。

「変更登記」と答えた方の意見では、登記申請日ではなく、「原因日付」で判断するというモノです。
この考え方ですと、住所変更の登記が申請されていないだけの状態であって、それを遅れて申請するんだから「変更登記だ」というわけです。

一方、「更正登記説」のワタクシとしては、これに反論しなくてはなりません。
ま、「不動産登記と商業登記で考え方は異ならない」というのも一つの理由なのでしょうが、それだけではちょっと根拠としてはあいまい。

ですので、こんな風に考えてみました。
「商業登記は強制登記なのだから、登記申請時点における最新の内容を登記しなければならない。したがって、登記申請前の変更事項が看過されてしまった場合、その後にその事項を登記するには更正登記をすることになる。」

どうですかねぇ?
何となくシックリこなくって。。。実は、もう一つ整理がつかないことがあるからなんですが、それというのは、登記事項の遺漏というヤツです。

良く説明に使われるのがこういうケース。

取締役ABCが就任した。。。けど、取締役ABと登記し、Cを登記しなかった。
後日Cを登記する場合、「遺漏による更正か?」というもの。

わりと有名はハナシだとは思うんですが、これは更正ではないとされています。
つまり、Cの取締役の就任登記は、他の取締役とは別の独立した登記事項なので、これからする登記は「遺漏更正」でなく、「単なる変更」なのです。
ですから、一つの登記事項を構成する一内容が漏れた場合にのみ「遺漏による更正登記」ということになるのだそうです。

例えば、代表取締役の住所を登記し忘れた場合なんかは遺漏に該当しますね。

それから、「社外取締役である旨の登記」です。
本当は「取締役(社外取締役)」と登記すべきであったのに、「(社外取締役)」の部分の登記が漏れてしまったとき。
これも後日申請する際には、「遺漏更正」でなく、単なる「変更」登記となる、と説明されています。理由は同じ。
こっちは、ちょっと分かりにくいですけど。。。

こういうのを組み合わせて考えていくと、ますますワケが分からなくなってくるのですが、何が分からないかも整理しつつ。。。
また来週~~~^^;

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

変更登記?更正登記? その1

2011年11月10日 | 商業登記

おはようございます♪

すごぉく基本的なことが分からなくなってしまい、困っています^^;
何か、もしかして、すごぉく恥ずかしいことなのかも知れないのですが、ワタシが「すごぉいヒトでない」ことは既に皆様ご承知のことのはずなんで、「まぁたオカシナこと言い出した。。。しょうがないなぁ~。。。^^」 ってことで、アドバイスいただけると嬉しいデス♪

①平成23年5月30日 住所 ×× 代表取締役A 重任
②平成23年6月10日 代表取締役A 住所移転 住所 △△
↑ とまあ、こんなケースを想定してみてください。

どのように変更登記するかというと、①旧住所で重任⇒②新住所に住所変更 が原則ですよね。
けれども、「住所△△ 代表取締役 A 」 という重任登記のみ申請して、住所変更登記を省略することもできる、とされております。

また、重任する前に住所移転があった場合も考え方はおんなじで、①平成23年5月20日住所移転 代表取締役Aの住所△△⇒②平成23年5月30日 住所 △△ 代表取締役A 重任 とするのが原則ですが、①を省略して②のみ申請することもできるってことですよね。

ここまでは良いと思います。

では、最初のケースで平成23年6月13日(つまり、住所移転後)に住所××で重任登記のみ申請し、住所変更の登記を申請しなかった(忘れた!?)としましょう。
そして、重任の登記が完了した後で、住所移転の事実が発覚し、その登記を申請する場合。。。。

これ、変更登記でしょうか? それとも更正登記でしょうか?

ワタシは、これは更正登記だと思っておりました。
変更登記か更正登記かの基準点は原因年月日ではなく、登記日という理解でございます。
しかしながら、アレコレ考えたり、他の方々のご意見を伺ったりしていたら、何だか分からなくなってしまいました。

まず、不動産登記の場合ですと、これは問題がないはずで、所有権移転登記の日を基準にそれより後に住所移転の場合は「変更」で、前の場合は「更正」ということになっていますよね。

それと同じだと考えますと、「更正」登記になるはずなんですが。。。。

2コ目のケースで重任前に住所移転していたにも関わらず、旧住所で重任登記してしまった場合、その後に新住所にするには「更正登記」です。ここは分かり切っております。なぜならば、直前の登記の登記原因よりも前の日付が登記原因になることはあり得ないからですよね。

でも、重任後に住所移転の場合もこれと同じと考えられるでしょうか????(@@;)
続きはまたあした!

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

会社分割公告の文案 その2

2011年11月09日 | いろいろ

会社分割の公告文案、皆様はどのようにされていますか?

今は、タダで官報を閲覧することができますから、購読しなくってもネットでチェックすることはできるんですよね。 あれ、すごく便利!
官報って、購読料は高くないのですけど、すごい分量になってしまうじゃないですか?
公告掲載紙は、掲載されている冊子(本紙または号外)だけしか送られてきませんが、本当は、本紙と号外と政府調達がありまして、号外も日によっては複数あるのです。ですから、新聞よりも厚く、すごい分量に。。。。ですので、今は事務所では購読していません。

だから。。。ということでもないのですが(研究不熱心なだけです^^;)、実際、他社の公告がどのようにされているか、良く分かっておりません。すみません。。。

ですので、「ワタシが思っていることは決して変ではないはずよっ!」 と思いたいけど、皆がおんなじように考えているかどうかはわかりません。。。^^;

。。。で、何のハナシかというとですね。。。「分割する事業」のところ。

「左記会社は吸収分割して甲は乙の●●●●事業に関する権利義務を承継し。。。」の(全文は昨日の記事をご覧下さいマセ)うちの、「乙の●●●●事業」って部分であります。
会社分割で大きく変わった部分ですよね。

旧商法下では、会社分割によって分割できるのは、分割会社の「営業」(←今風に言うと「事業」)単位でしたが、会社法下においてはその要件が緩和されていて、「事業に関する権利義務」であれば宜しい!ってことになりました。
その権利義務とは、何らかの事業に関連するものであれば良くって、例えば一つだけでも良いですし、ABCDEの事業のそれぞれから部分的にピックアップした権利義務でも良いわけです。

ですから、「ホニャララ事業に関する」と言ってしまいますと、語弊がある場合も多いと思うんですよね~。
ま、「形式的な体裁なんだから、深く考えなくっても良いんじゃないの?」 と言われれば、それもそうかも知れないんですけど、少なくとも分割契約と異なる表現をするのは気持ちが悪くってイヤなんですよ。

例えばね。。。「A事業に関する●●とB事業に関する●●とC事業に関する●●と。。。etc」と契約書に書いてあったら、それを全部公告に載っけるのか?
それって、何かクドイし、分量が多くなりますから公告料も高くなりますでしょ!?
しかも、「●●事業」と言ったって、その事業の内容が第三者に分かるかどうか分かりません(←内部のヒトにだけ分かるような表現だったりするんですよね)。
だったら、いっそのこと、「そんなのヤメテしまえ~っ!!」ってことで、「●●事業」を載せないことがあります。(←載せても問題ないケースでは載せてます。)
頻度としては結構多いかも。

そうすると、文面はどうなるか。。。
「左記会社は吸収分割して甲は乙の事業に関する権利義務の一部承継し。。。」 といたします。

以前は、印刷局から文句を言われるなんて知らなかったモンですから、代理店さんから「ホント~にこれで良いんでしょうか?(ハラハラ)」とご指摘いただいても「だって、事業単位で分割する必要はないんですから、部分的に載せたら、かえって紛らわしいと思うんですよ。だから事業名は書きません。」と、キッパリ!(←悪かったかな?)

法務局にも念のため確認に参りましたが、当然、分割する事業の記載は公告しなければならない事項ではありませんので、「まぁ良いんでしょうね~。」とおっしゃってました。

ちょっと変わってるのかも知れないけど、文面としてはそれほど違和感もないような気がしませんか?
もちろん、クライアントさんにはキチンとご説明して、ご了承いただいております。

先日、分割公告の原稿を作っていましたら、「事業」の記載をしても問題ないケースだったので、自分では「あらっ?珍し~♪」なんて思ってしまいました^^;

別にへそ曲がりのつもりはないんですけどね。。。皆さん、どう思われますか?
やっぱり変なヤツでしょうか?

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする