司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

キャッシュ・アウトの手法 その3

2012年02月08日 | その他会社法関連

おはようございます♪
昨日で終わろうと思ったんですが、チョット続きデス^^;

え~。。。キャッシュ・アウトの手法は、いくつか考えられる。。。ってハナシ。

どういう基準で選択するのか、どういう違いがあるのか。。。? について、考えてみたいと思います。

まず、相対での株式売買又は自己株式の取得。
少数株主サンが株式を売る気持ちがあるのでしたら、コレが一番簡単ですよね。 ま、株主に売る気持ちがないから、ムリヤリ追い出すってコトなんで、これは「キャッシュ・アウト」には入らないかも知れませんが。。。^^;

そして取得条項付株式を利用する方法。
全部取得条項付種類株式と違い、取得条項付株式は一部の株式を取得することができますので、設計を工夫すれば目的を達成することもできます。ただし、定款変更時に株主全員の同意が必要なんでね。。。^^; まぁ~「無理っ!」でしょう。 取得条項を付けることに賛成するのなら、株式を普通に売ってくれるでしょうからね。

。。。ということで、上の2つは現実には使えませんので、使える方法を。。。

③株式交換です。
これは結構利用されていると思います。
使い方としては、「株式交換の対価を現金にする」という方法と「株式交換の比率を少数株主サンは全部端数になるよう調整する」方法が考えられます。

そして、④株式併合、⑤全部取得条項付種類株式を株式併合のように利用する方法。 ダイタイ、現在は、こんな感じかな。。。?
そうそう、⑤現金対価の合併を使うケースもあるみたいです。

手続が簡単なのは、圧倒的に④でしょうね。
ただし、株式併合の場合、前の記事にも書きましたように、株主が異議を述べることができないために使い難いと言われているようです。
そういうこと(少数株主排除のために使われる可能性)があるから、以前は、株式併合できる場合が限定されていたのかなぁ~?なんて、今さら思ったりしています^^;
結局、中間試案どおりに改正されると、株主の権利は、⑤と同じになりますので、使い易くなるってことでしょう。

そして③と⑤。

株式交換の場合、考えられるのは「現金を対価にするケース」「株式併合のように交換比率を設定するケース」です。そのまま株式交換完全親会社の株主になってもらって構わないのでしたら、普通に。。。^^;

手続としては、若干、⑤の方が簡単なのかもしれません。
株式交換の場合は、2社以上が同時に手続をしなければなりませんし、契約の締結も必要です。
そして、事前開示・事後開示もありますし、交換対価が現金の場合など、債権者保護手続が必要なケースもございます。

ただし、中間試案では、全部取得条項付種類株式の全部取得の場合の開示制度の充実。。。なんてことも書いてありました。

登記については、圧倒的に③が簡単だと思います。

それから、税務の問題も絡んでくるようですよ。極端な比率だとマズイとか。。。
非適格株式交換(例えば現金を対価にするケース)だと使えない。。。とか。。。
さらに、株式交換の場合、完全親会社が1社になりますので、株主を2人以上にしたい場合には使えません。

⑤は、株式併合のような使い方のほかに、100%減資のような使い方ももちろんできます。
そもそも、そういう予定で作られたんですからね~。
つまり、無対価で株式全部を会社が取得し、同時に募集株式を発行するという使い方です。
このとき、全部取得した株式を新たな株主に割り当てる(=自己株式の処分)と、資本金も発行済株式も増加しませんから、登録免許税も安く済みます^^;

所要日数については、株式交換の対価が現金の場合は、債権者保護手続が必要ですので、その分だけ長くかかります。対価が株式の場合は、同じくらいだと思います。

。。。というわけで、手続の難度や所要日数、税務面、訴訟リスクなどを考慮しつつ、最終的にどの手続にするかが決まるようです。
コレに限らず、ある結果を導き出すための手法は複数存在する場合が多いので、その選択肢を提案するのも、ワタシ達のオシゴトなんです。

。。。。が、これが結構大変だったりいたします^^;

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7 コメント

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スクイーズアウト? (n)
2012-02-08 14:47:18
こんにちは、
いつも楽しく(?)読ませていただいてます。

なんか、キャッシュアウトって違和感あるな・・・
(普通は現金支出なので)
って思いながら読んでいたのですが
もしかして「スクイーズアウト」
なのでは?

でも、よく分からないなー、

Unknown (charaneko)
2012-02-08 15:05:31
nさん、コメントありがとうございました_(_^_)_
「いつも楽しく(?)」の?マークの意味するところが気になっておりますが。。。^^;
ご指摘の件、ワタシとしては最終的に現金を配って出て行ってもらうのだったら、「キャッシュ・アウト」で良いのかな?と思っておりました。あまり自信はないけど。

でも記事全体としては、そうでないモノも混ざってしまったので、「スクイーズアウト」が正解かも知れませんね。
言葉の定義もちょっと調べたりしたんですけど、現在の使われ方と本来の意味はすこ~し違うような気がしました。

またのコメントをお待ちしています♪
Unknown (ちりがみ)
2012-02-08 20:30:40
先日は、私からのネタということでありがとうございました。
ワクワクしながら読みました。

そして、各種◯◯アウト
世知辛い世の中です。
買収先に創立者のおじいちゃんがいたときには、涙ものでございます、、、



すみません、ひとつ教えてください。
吸収合併で消滅会社がわに、事業譲渡の免責の登記が入っている場合、合併と同時に免責の登記を承継会社側に移す必要があるのでしょうか。
あれー?わかんなくなっちゃうなあって思ったので質問させていただきました!
私はできなそうだけど、したい!派です(笑)
キャッシュアウト&スクイーズアウト (S.N.)
2012-02-08 22:53:04
キャッシュアウト、スクイーズアウト、両方使われますよ。
1990年ごろアメリカで「スクイーズアウトマージャー」(マージャー=merger=合併)という言葉がよく聞かれました。
キャッシュアウトは、今回の中間試案でも使われている言葉ですので、法務省公認(?)ですね。
キャッシュによるスクイーズアウト、という理解でよいのではないでしょうか。
Unknown (charaneko)
2012-02-09 12:10:39
ちりがみさん、こんにちは♪
いつもお立ち寄りいただき、ありがとうございます!

免責の登記ですけれども、承継会社に移記することはできないと思います。でも、ホントのところは知りません。スミマセン_(_^_)_

昔、債権譲渡の旨が登記事項だった頃は、存続会社の登記記録へ移記するって取扱いでしたけれどもね。。。アレは特別だったんだと思います。

最近、流行ですからね~。。。
だけど、あれって、一回登記されてしまうと、いつまでも抹消されないっていう困った登記でもあるんで、合併と共に消えてくれた方が良いんじゃないでしょうか?^^;
Unknown (charaneko)
2012-02-09 12:13:07
S.N.さん、こんにちは♪
解説していただきありがとうございました_(_^_)_
それだったら、私が思っていたのと同じです。良かった~ホッ♪
Unknown (ちりがみ)
2012-02-13 09:34:22
お返事ありがとうごさいます。

免責の件は、閉鎖され消えちゃうと効力なくなるのかなあなんて考えてしまった次第です。
本にはもちろん載ってなく、先生にうかがいました。

助かりました!

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