渓流で逢いましょう 
フライフィッシングつれづれ日記
 





冬に山に入るときは
特に荒い仕事をするときには釣りのカッコウがいい

足元は履きふるしたゴアテックスのウエーダー
中は速乾スパッツ
シャツはパタゴニアのR.5一枚だけ
その上にコレマタ使いふるした透湿性ウインドブレイカー
汗をかいても直ぐに乾いてとても快適



今日は林道よりちょと奥から楢と楓の風倒木を2本切り出して
小さな沢をまたいで上げてソリに乗せて軽トラまで運んだ
カナリきつかった。。


楢はざっと数えても80年以上の年輪があった
倒れても上に向かって小枝を伸ばそうとしていた
倒れてもなおも生きようとする生命力
僕と僕の家族の命の糧にありがたく頂いた
でも80年の歳月はトテモ重くて運び出すのも荷台に乗せるのにもとても難儀だった

少しだけ昔の人の苦労が分かった気がした



嫁がポットに入れて持たせてくれたコーヒーを目立ての合間に幾度か飲んだ
冷たい雪の中で飲む温かいコーヒーは本当に美味しい


立ち枯れたハンノキに採り頃を遥かに過ぎたヒラタケがびっしりなっていた
どれもカチコチに凍っていた
我が家の冷蔵庫の中にも沢山入ってるからそのまま残してきた
来年は早めに採りにこないとね




今夜はたくさん雪が降ってる
海沿いでこれだけ降ればきっと僕の森にはもっと沢山降ってるだろう
もう山に行くのは無理かな


チェンソーのブレード
山ではいちいちガイドを当ててられないので角度もけっこう狂ってる
今夜はガイドを使ってシッカリ目立てをした
明日以降運んだ薪を小分けにするのに活躍してもらわないといけないから
刃を立ててデプスも調節した
きっとしっかり切れると思う



僕の持ち込んだソリでは薪を運ぶのにとても使い勝手が悪かった
母親が昔の話をしてくれた
昔といっても僕の父母がこの山で暮らしていた40数年前頃はそれが当たり前だったのだから
ほんのちょっと昔の話

昔は窓ノコで一本の立ち木を切るのにも一日がかりだった
それを手ゾリで運び出したり馬に引かせたり
薪一本得るのにも大変な労力と時間を要したらしい
そういえば、僕の父親は鋸の目立てがトテモ上手だった

ほんの少し前まではそんな暮らしをしていたんだよなあ、、


今は薪ストーブといえばなにかファッションか趣味か
誤解を恐れず言ってしまうと金持ちの道楽か、、のような感もあるけど
昔は北海道の厳しい冬を生き抜く唯一の手段だったんだから
便利な道具がなくても知恵を絞って骨身を惜しまず蓄えるしかなかったんだろうなあ

今は廃屋となった祖父母の家
子供の頃に遊びに行ったときに嗅いだ薪の燻ったニオイを思い出した
最近の鋳物のストーブからはあまりしなくなったあの煙のニオイ
父母の家のストーブは薄い鉄板の、所々に穴が開いていて
中からホノオの明かりが漏れているような粗末なストーブだったっけなあ
忙しくて乾燥の悪い薪を焚いていたのかもしれない
煙突の途中に大きな湯沸しが付いていて、中にはお湯が沸いていたっけ

今夜も部屋で燃えている僕の小さな薪ストーブ
趣味で燃やしているかもしれないけど
それでも今も昔も
このジンとくる温かさだけは変わらない
暗い部屋で揺れている薪の灯りの心強さは変わらないなあ。。










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