ちゃんまるの自由ノート

なんか色々。とにかく色々。2016年春より静岡から出身の広島県三原市在住。

大洗訪問記

2016-06-07 | ロケ地

すみません超長文です。そして訪問時期は2016年2月です。


昨年公開された劇場版もスマッシュヒットしたアニメ「ガールズ&パンツァー」。
作品人気もそうですが、舞台となった大洗町(茨城県東茨城郡)に聖地巡礼の観光客が殺到したことで、大洗町の名前は一躍全国の自治体から注目される存在となりました。
なにしろ例年3万人の動員といわれたあんこう祭りが2年後には10万人になり、地元民しか使わない商店街は平日でも聖地巡礼客が歩き回り、海水浴シーズン以外でも宿泊施設に多くの予約が入る事実。
今や「ガルパン」は、水戸ホーリーホックがコラボするなど、茨城県の観光素材として欠かせない存在になっているようです。

ロケ地巡りを長く趣味の1つとする筆者も、一度は行きたいと思いつつ機会が無いままでした。
実はこのロケ地には、他の聖地と較べて大きな違和感があり、それを確認したい思いもありまして・・・
今回、静岡を離れる前に何とかと、無理やり1日だけ時間を作って訪問してきた次第です。


では出発。

水戸駅で鹿島臨海鉄道に乗ると、既に聖地巡礼と思われる人が20人は乗ってます。
そして大洗駅に降りると、歓迎の看板から何からそこかしこにガルパンのキャラが。


駅内の観光案内所なども完全に聖地巡礼を前提にした感じで、この作品の貢献度が明らか。



で、いきなりですが聖地巡礼は後回しにして(笑)、まずバスに乗って日本最大級と言われる水族館 アクアワールド・大洗へ。
筆者、アクアリウムも趣味とした経験から水族館が大好き。
時間は限られますが、大洗に行くのにここは外せないでしょ!という訳で。

すると、バスは出発後それほどかからずに、聖地巡礼のメインである商店街に向けて左折。
どうやら駅から徒歩でも支障がない距離みたいです。

!!!


店頭に本当にガルパンキャラの等身大パネルが置いてある!
「戦車道優勝おめでとう」ののぼりが立ってる!!
なんてとこだ・・・ほぼ満員のバス車内にて、筆者は1人涙がこみ上げます(理由は後ほど)。

 で、あれ?同じバスに乗った聖地巡礼客の皆さんがここで降りない!
一緒にアクアワールドまで行かれてました。
水族館は商店街からかなり離れてますが、まあ、そりゃこれだけの水族館だからみんな観たいよな~
   ↑
巨大な勘違い

ということでアクアワールド到着~。

水族館から大洗町市街地方向の海岸線を眺める。
大洗駅からのバスは、この海岸線に沿って走ってくれます。

そしてアクアワールドの看板。

フラッグ車決戦シーンで思い切り映りますね・・・

そう、ここは劇場版の聖地なんです。
3月に見た3回目で気づいて愕然としましたよ。
ああ、だからみんなここまでバスに乗って来てたのか・・・

改めて、海岸線は序盤のエキシビジョンマッチのクライマックスで走り抜けていた砂浜ですね。
砂浜が見えないのは満潮だったのかもしれません(潮位未確認)。
駐車場でカモさんチームが撃たれますね。
そして聖グロが追い詰められたゴルフ場もこの海岸線沿い右手です。

最後に出てきたペンギンも、館内にしっかりいます・・・

ただ劇中でペンギンが出てきたところはフードコートです。

ちなみに評判どおりの超素晴らしい水族館でした。
訪問した時点で入り口にはあんこうチーム5人の住民票が飾ってありましたので、聖地巡礼の方も建物に入ることをオススメします。

ということで、ここまで写真撮ってるのは全くの偶然です・・・


そこから時間の都合で商店街直行では無く、ちょっと大回りのバスに。
これも後から判明ですが、その道中も劇場版で使用されていました。
分かってりゃバスの中でずっとカメラ構えてたよ・・・

そして大洗磯前神社付近で下車。
神社入り口の交差点はTV版でも劇場版でも印象的に使われています。
交差点からそれぞれ。
  
大洗ホテルは従業員が屋上から手を振るシーンが印象的。そして劇場版ではKV-2に破壊されましたね(笑)
残る方向も劇場版に登場してたことは、BDを見て気がついた・・・

大洗磯前神社
個人的に、ノンナが本堂に向けて手を合わせていたシーンがお気に入りです(でも門は撮り忘れた)。


交差点から車で入れる坂道。

 
四号戦車、T-34/85、JS-2が降りた石段。
実際は履帯がグリップせず滑り落ちると思いますが・・

当日は節分だったので、境内は大賑わい。
せっかくなのでお守りを所望して参りました。

さあ、ここから商店街まで歩きますが、ちょっと寄り道しながら。


フェリーターミナルへ?の交差点。
あと、劇場版で激戦地となって蜂の巣にされた大洗町 文化センターも周りを歩いたのですが、
例によって劇場版の舞台と気づかず、いい建物だなぁと眺めただけで何も撮影せず。

で、商店街到達。
2回壊れた肴屋旅館さんとか、テレビ版4話クライマックスで目立ってた福本楼さんとか。
 

あ、あとテレビ版4話で激戦地となった交差点。



商店街を走り回ってますから、とりあえず適当に撮っておいても大丈夫。
後で本編見直すと、このお寿司屋さんもしっかり映ってた。

ということで、さすがに「おぉ、見た見た!」な風景が続きます。
時間の都合でまいわい市場やアウトレットなど、港方面には行けなかったのですが満足度は高いです。

そしてその合間に、パネル設置店がたくさん。
数10m歩くごとにあってカメラ起動しっぱなしなので、半分残してバッテリーが切れ、モバイルバッテリーで強制充電しながら続行。

モデラー的にはジョイショップタグチさんでしょう。
聖地で唯一プラモデルを売っている老舗のおもちゃ屋さん。
ガルパンの原点はスタッフの皆さんによる1/35戦車プラモ愛だと思うので、
劇中には福本楼の隣ながらほとんど映りませんが、別の意味で、聖地の中の聖地と言っても過言じゃありません。

こちらのパネルはもちろん佐々木あけびです。
プロレスラー蝶野さんがお気に入りと明言したことで一躍全国区になりました。

中の人が模型好きの中村桜さんということでも、もっとも繋がりのある組合せ(笑)

 
ダージリン&オレンジペコの観戦中ジオラマが。
ガルパンパッケージのプラモは比較的高単価なものが多いですが、せっかくだからこちらで買うのもステータスですね。
(ピンクパンサーはガルパンパッケージがありません。このジオラマのままセットにならないだろうか・・・)


ウソみたいだろ。これ、信用金庫なんだぜ・・・


和菓子屋さん


釣具屋さん


確か肉屋さん

などなどなどなどなどなど。
多くのパネル設置店を回ることが出来ました。

ホントに沢山あるので、聖地巡礼とパネルでしっかり丸1日は確保したほうがいいと思います。



以下雑感など。

で、前述した、聖地巡礼で盛り上がった他の町との違和感についてですが・・・

・大洗町全体がガルパンのテーマパークと化してること。
・そしてその企画にちゃんと地元のお店がついて来てくれていること。

ですかね~?

聖地っていう突如降って沸いて来たものを福音として、継続してイベントを行う町はこれまでもありましたが、
町全体でここまで拡大大攻勢に持って行ったのは、他に例がないような気がします。

ハッキリ言って、ガルパン自体は放映前にさほど注目されていた作品ではなかったと思います。
深夜に3ヶ月放送される原作の無いオリジナルストーリーで、女子高生が戦車に乗って戦うアニメ。

「この町が美少女アニメの舞台になるのでみんなで盛り上げましょう!」

って言われても、平均年齢の高そうな商店街店主がそうそう乗り気になるとは思えません。
ミニスカのパッチリおめめのイラストを見せられた時点で、無条件に拒否反応が出た方も少なくなかったんじゃないかと想像します。

だってこんなブログ書いてる筆者ですら、企画を知った時点で「どうなの?」って1回眉をひそめましたから。

実際、等身大パネルの設置を希望した店舗は、当初設置予定数に達しなかったみたいです。

 
それが4話放送以後、商店街に聖地巡礼客が殺到したことで、地元の意識が大きく変わったんですかね。
そこから商店街は、どのお店も公式ポスターやのぼりはもちろん、ファンからのプレゼントなどにも惜しげ無く店頭のスペースを提供したり。
結果、放映開始から3年経ってなお、この姿です。


もはや画像だけでは何屋さんか分からないショーウインドウ・・・


塾にもガルパンが。そういう網戸があるらしいです。


広い道路のガソリンスタンドは遠目にも分かるイラストでお出迎え


自販機もガルパン。ホント、プロ球団と同じ扱いですね。


そしてお店ごとのオリジナル商品。

たまたま割り当てられたパネルのキャラクターを、自分の娘と愛する酒屋さんは、
オリジナルの日本酒にして出しちゃった。


喫茶店さんはペパロニがパネルということもあってオリジナルのパスタセットを。
 
店主さんの持ってるイラストがとても素敵でした。

他にも前述の釣具屋さんは88mm砲弾ウキ(880円!)とか売ってました。

個人商店がキャラクターを使ったオリジナル商品や企画を行いたい場合は、
地元の団体さんが許諾申請を代行してくれるなどしっかりバックアップしてくれるそうです。

自店だけのオリジナル商品なんて、商売やってたら夢の1つですから。
しかも全国からのお客さんがそれを買い求めてくれる。
これはテンションあがりますよね。


そして、商売以上に地元の方々から感じられたのが、聖地巡礼客の存在が、東日本大震災からの復興の一助になったという感謝の思い。
年配の方も、結局アニメについては全く分からないけど、せっかく来てくれるんだからと、戦車をイメージしたお菓子を作ったり、メニューを考えたり。
ずっとネットで大洗の活動を眺めていて、感謝の想いと嬉しさがひしひしと伝わっていました。

自分が商店街に入ったバスから見えた光景にグッと来たのは、まさにそんな作品とお店が一体化した姿を目の当たりにしたからです。
そしてその町を歩き、店を見て、店の人と話をして、町の想いを実感することができました。

だからこそかな、現地を離れる時に凄く暖かい気持ちになれる。
これはロケ地巡り(聖地巡礼)で今まで味わったことのない感情だったと思います。
何度も何度も訪れている人は、多分同じ気持ちを味わったんだろうなと、素直に納得しました。

そしてそんな大洗町の感謝に応えたのが、製作者サイド。
劇場版序盤のエキシビジョンマッチの舞台を再び大洗町とし、前述したゴルフ場や水族館からアウトレットまで、
端から端へ、メインの商店街は小さな路地に至る隅から隅まで描き挙げ、
さらなる聖地巡礼客のリピートに繋げることで、こちらも町への恩返しを作品にこめているのではと思います。


今やロケ地は確実に観光客を増やすことができる、町おこしの切り札となります。
そのため、自分で調べなくても、ロケ地が自らアピールする時代となりました。
これからは聖地を目指して積極的にアニメ作品を誘致する自治体もあることでしょう。
ただ、大洗を見て、一過性で終わらせるかどうか、最後は地元の個々の意識なんだろうなと思います。
(もちろん作品の質もありますけどね・・・ガルパンはその面でも奇跡的な部分がありました)

個人的に大洗町は、ひこにゃんで彦根城築城400年祭りに匹敵する成功例と思います。
ていうか、聖地巡礼のお化けです。
彦根では自治体から派遣された視察の方を多く見かけました。
大洗町でも、この熱を感じちゃったら、ちょっと意識が変わるんじゃないかと、
全国の自治体や商工会の皆さんに視察をオススメしておきます(笑)


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