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子供は子供部屋で何をしている?・・・続編

2008年12月06日 | オープンオフィス
どうして大部分の親が子供に子供部屋を持たせているのでしょうか?その答えのほとんどが『勉強に身が入るから』でしょう。
というのはやはり東大をトップとする確固たる学歴社会があるし、それが当たり前の事として、いい学校に入った人はいい会社に就職できて、いい地位と安定した収入を約束され、そうでない人はそうでないところに落ち着いてしまうという日本社会の仕組みが有り、それを目の前に見てきて、そうなれなかった自分対する補償作用として子供に個室を与えて勉強させよう。そういう意識が子供部屋をもたせているのでしょう。

小学生の頃は、親のお尻にくっついて歩いているから子供部屋などをつくっても全く無意味で、むしろ家中が子供部屋であり、寝る時も親のところにもぐりこんでくる。だから、この頃の子供部屋などは不要。
中学生くらいになると、もう反抗期であるし自分に個が生まれてくる。自分をコントロールできないくせに、自分の場、占有できるスペースが欲しくなる。
高校生になると、親は勉強部屋としての個室が必要と考えるようになり。でも、本人たちは勉強部屋が欲しいわけではなく、自分の空間、親から隠れられる空間が欲しくなる
大学以降は、もう子供部屋とはいえない。成人が同居しているだけの話で、下宿人の部屋と考えたほうがいい。世代別に考えると子供部屋らしい子供部屋は小学3年生くらいから、せいぜい高校生まででしょう。

日本の場合、往々にして子供は自分の支配下にある従属物、自分の命令によって勉強させているという意識が親の側にあるから、子供部屋はまさに勉強用独房になってしまう。
大部分の親は子供部屋に入るときにノックするという習慣をもっているが、子供の主権を認めているわけではない。その証拠に子供部屋の掃除も大部分母親がしているという事実。個を認めるなら子供が整理し、掃除をすればよいはずで、このあたりが子供部屋の現実の在り方といえる。

本来は、本当にひとりにならなくてはならない時だけ個室に引き上げ、あとは家族が団欒している、そういう在り方で個室とリビングが併存するはずなのだけれど。

勉強もしない子供部屋に子供を閉じこもらせないこと。基本的には親子間の心と愛情の問題だけれど、子供のみならず、動物がある場所に入り浸るのはそこが住み心地が良いからで、子供部屋の居心地が良すぎて出てこないのなら、方法は簡単、居心地を悪くすれば子供たちはそこへ行こうとしなくなる。

『子供部屋は最小限の狭さに、大きな部屋は要らない』

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