山形建築研究所-BLOG-休憩室

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<見積書>の怪

2008年11月08日 | オープンオフィス
<坪単価の謎>の続編、<見積書>の怪

設計業界と施工業界は、同意の上で設計図に基づくこまやかな見積書を交わして値段と性能の設定をすることになっている。
使う鉄筋一本一本拾えるように図面をできるだけ詳細に書き、図面で書き切れない部分は特記仕様書にコンクリートはかくかくしかじかの比率で混合し、木材は農林規格何級のものを梁で何センチ×何センチを何本、柱では・・・・くたびれるくらい細かく書き込む。
さあ、ここまで詳細に示したんだから、詳細かつ綿密な見積もりを作ってくれよと
施工者側もそれを受けて釘の量、合板の枚数、仮設トイレの単価まで書き込んだ見積り書を出してきて、さあ数量は正しいか、単価は高すぎないかと何日かかけてチェックするのだが・・・。それも正しいかどうか怪しいというのだから「見積り」って分からない。

詳細かつ厳密なはずの見積書を、両者の社運をかけるような意気込みで検討しあう。
「ここで50㎡、㎡単価85,000円と書いてあるけど、も一度ひろってみてよ、45.5㎡しかないし、この前の現場で82,500円だったはず、ここで11,250円マイナスして」と設計者側、
「いや、現場のロスをみたら、そんなの無理、ギリギリ48㎡は見て下さい、単価だってあれ1ヶ月も前のものでしょ、84,000円は下さい」と施工者側が譲歩して
結果としてこの項目で2,000円マイナス、あそこで4,500円マイナス
ここで・・・場合によっては検討し直した結果、安すぎるじゃないのと、5,000円アップ等などのやり取りをして合計で100万円のマイナス
結果として、2,250万円でということに落ち着く。

設計者としてこの金額が妥当であると建て主に報告する。
建て主は、「もう少し安くならない?あと50万円下がらないか」と理不尽なことを言い出す。
それならと、仕様を落としたり、後から付けられる物は今回やめない限り無理だと説明するのだが
なかにはどうしても嫌だとゴネる建て主がいないわけではない。それなら、別の業者に変えるなどとゴネているうちに
施工業者の社長から、「いいです。それで、仕様もそのままでおっしゃる値段でやりましょう」などという声が入って一件落着。
検討した両方の担当者の2週間近い戦いは一体なんだったのか・・・・

『よい仕事だから赤字でやります』というのは公式発言で、そんな慈善事業やっていたら施工会社はつぶれるはず。
仕事がなくて、利益分一回くらいならありえるが、そう毎回毎回出来ることではないはず。
あの厳密風に見えた見積書自身がどれだけ正しいのか。

よく考えてみれば、大工の手間がいくらですとか、運搬費シカジカ、もっといえば柱一本いくらというのは本当に正しいのか
一体誰が決めているのかということになって、そうすると不動産と一緒で、あそこでいくらだからウチもいくらとあらかじめ決めておいて
後は説明用に詳細を書いているだけという業界裏の話は正しいのではないかと思えてくる。

世間では今、坪これくらいの値段でこの程度の家が建っている。
だとすればウチもこのくらいの値段をつけてよいだろう。
業者が数社いる場合は、この値段だったら仕事が取れるだろう。
などという社長の腹積もりに見積金額を合わせるという方法が使われるだとか。

実際、細かく拾ってくる業者は必ず高く、おおざっぱな拾い方をしてくる業者は比較的安いとうい傾向がある。

だったらもう一度原点に帰って
「社長、坪45万でどうですかねエ」「旦那、そりゃ無理でげすよ」
という話が一番簡単で確実という話になってしまう。
ほんとに「見積り」って、わかりませんネ

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