元・副会長のCinema Days

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「ドラッグストア・ガール」

2014-05-26 06:24:45 | 映画の感想(た行)
 2003年作品。宮藤官九郎が脚本を手掛けたわりには、まあまあ楽しめる映画にはなっている。彼氏に振られた勢いでひょんなことから地方商店街の大手ドラッグストアでバイトすることになった女子大生と彼女に惚れ込んだ中年男どもが、ラクロスで町おこしに乗り出すという話だ。

 「釣りバカ日誌」シリーズの監督でもあった本木克英の作品らしく、珍しいプログラム・ピクチュア的な雰囲気を持つコメディで、本来なら「釣りバカ」の併映で封切られるのがふさわしいような体裁だ(上映時間も1時間40分という適度なものである)。



 作品の性格がハッキリしているので、柄本明や三宅裕司、伊武雅刀、六平直政、徳井優、余貴美子といった一癖ありそうな面々のベタな芝居も笑って許してしまう。出てくるギャグはさんざん使い古されたものばかりだが、テンポ良いドラマ進行のおかげで爆笑ポイントが満載。ヒロイン役の田中麗奈(体育会系が実に似合う)の魅力も十分活きている。

 ただし、ラクロスの日米対抗戦を巡る終盤はほとんど盛り上がらず(「少林サッカー」のマネはちょっとサムい)、登場人物の“その後”を描くべき部分もスッポリ抜けている。ドラマを締めくくるべきラスト近くの詰めが甘いのは、やっぱり宮藤脚本であるからか。もっと推敲が必要だったろう。個人的にはエンド・クレジットに流れるバグルスの「ラジオ・スターの悲劇」が懐かしかった。

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