(原題:Transamerica)性転換手術直前のおっさんの前に、昔自分が“正真正銘の男”であった頃に出来た息子が突然現れ、一緒に旅をするハメになる・・・・というアイデア“だけ”で作られた映画のように思える。筋書きはあまり練られていない。
そもそも、息子が男娼である必要があったのか? 息子をノーマルな男に設定して、それと“父親”とのギャップと葛藤がドラマティックに展開する方が、よっぽどアピール度が高かったのではないか? これでは“父親がアレだったから、息子もナニだ”という“語るに落ちる”ような話にしかならない。
一応ロードムービーなのだが、道中で面白いエピソードがあるわけでもなく、映像面も特筆できるものはない。印象に残ったのはヒッチハイクする彼らを拾ってくれる初老のカウボーイの扱いぐらいで、実家での話も、目的地に着いてからの顛末も、面白いところは何もない。有り体に言ってしまえば、これほど面白くないロードムービーも珍しいと思う。テンポも悪く、ダンカン・タッカーの演出は凡庸と言うしかない。
それでも最後まで何とか観ていられたのは、主演のフェリシティ・ハフマンに尽きる。まったくもって“男か女か分からない”妙演だ(爆)。ウィリアム・H・メイシーの奥方で、これまでは脇役専門だったらしいが、この仕事によって映画界から多くのオファーを受けることだろう。
それと息子役のケヴィン・ゼガーズ。一部では“リバー・フェニックスの再来”と言われているらしい若手二枚目で、役柄を選べば(笑)今後のブレイクも間違いなしだ。
男らしさ、女らしさの概念を、いったん壊してしまいたかったんだろうと思いますけどね。
それでは、今後ともよろしくおねがいします(こちらもTBさせてもらいます ^^)。
性別や親子、家族についていろいろ考えさせられる映画でした。
ケヴィン・ゼガーズはあのエルトン・ジョンをして“大ファンよ(はぁと)”と言わせたほどの(爆)ハンサムぶりで、これからも期待できます。今度はフェリシティと“ノーマルな親子”で共演してほしいと思ったりします(笑)。
それでは今後ともヨロシクお願いします。
GB賞での主演女優賞受賞やオスカーノミネーションされたフェリシティの演技に対する期待と評価が大きかった中、なかなか正直なレビューだなと思いました。
多少の見解の違いはあるものの、私も概ね同感です。ほのぼのストーリ-は大好きなので、この作品もは嫌いではありません(笑)
フェリシティの演技は素晴しかったですね。