元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「ソードフィッシュ」

2010-11-24 06:30:17 | 映画の感想(さ行)
 (原題:Swordfish )2001年作品。なかなか面白かった。主人公は引退した凄腕のハッカー。彼のもとに、ジンジャーという女があらわれて仕事を持ちかける。以前、麻薬取締局が行った極秘作戦“ソードフィッシュ”によって生み出された95億ドルもの“あぶく銭”を、金融システムに侵入して奪おうというのだ。しかし当然のごとく事態はスムーズには運ばず、計画の裏には陰謀が張り巡らされている。

 1時間40分のコンパクトなサイズの中、登場人物たちの背景をくどくどと説明したりせず、ワルどもの派手な犯罪行為を即物的に連射しているのが潔い。しかも演出にキレがあるので観客が“あれはどうなったんだ”というツッコミを入れるヒマがなく、加速度的にエスカレートしてゆくアクション描写と、カリスマ的なジョン・トラボルタの悪党ぶりに目を奪われているうちに、いつの間にかエンドマークに到達してしまう。活劇映画はかくありたいものだ。

 珍しく“ケンカのあまり強くない男”に扮する主演のヒュー・ジャックマンや、気持ちよさそうに悪女を演じるハル・ベリーも印象的。ドミニク・セナの演出はテンポが良い。

 それにしてもテロの扱いはユダヤ人優先のハリウッド事情を表しているとも言えるが、現実的にはこんな冷徹な割り切り方もアリだと思う。しかし、それをこの映画みたいに一個人・一民間組織がやり出すと、それもテロと同じだということは言うまでもないが。

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