弁護士としてのキャリアはあるが容姿にコンプレックスを持つ姉(トニ・コレット)と、見た目は良いが難読症のためまともな職につけない妹(キャメロン・ディアス)との確執と成長。
25年ほど前ならば当時隆盛の“女性映画”としてカテゴライズされ観る前から一目置かれるネタだったろうが、今なら単なるトレンディ映画(?)としか思われない題材と配役だ。しかしそこは才人カーティス・ハンソン監督、見応えのある人間ドラマに仕上げている。やっぱり映画は演出家だ(まあ、一概にそうとも言えないのだが ^^;)。
序盤のヒロイン二人の描写に浮ついたところがなく、内面の屈託を的確に掬い上げているところにも感心するが(特に、合わない靴ばかりが並ぶ姉のクローゼットに彼女の悩みを象徴している場面)、中盤に妹が存在も知らなかった祖母(シャーリー・マクレーン)の元に身を寄せ、それによって出生の秘密を知るようになる展開は実にドラマティックだ。
妹はこのフロリダの祖母の仕事を手伝うことにより、初めて“他人に尽くし、同時に他人から頼りにされる喜び”を知る。他方、姉は弁護士の職務に疑問を持ち、ドロップアウトするようになるが、ハッキリ言って妹のケースに比べると少し説得力には欠ける。ここはもうひとつ脚本を練り上げて欲しかった。でも、終盤の結婚式場面の感動はそれを補って余りあろう。
主演の二人は好演で、特にC・ディアスにとっては代表作の一つになるはず。こういう主題の作品はもっと地味なキャスティングの方が良いとは思うが、そうなると客は呼べないので、これで正解だと思う。