元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「恋愛適齢期」

2007-03-02 06:46:23 | 映画の感想(ら行)
 2003年作品。(原題:Something's Gotta Give)ダイアン・キートンの“復活”ぶりに嬉しくなってしまうラブコメ編。私が映画に興味を持ち始めた70年代末から80年代初頭にかけてのハリウッドはまさに彼女の天下だった。オスカー受賞はもちろん、そのライフスタイルまでもが注目されたものだ。

 ところが80年代も半ばを過ぎると、彼女の身上である“自然体の演技スタイル”よりも“熱演型”が持てはやされるようになる。しかもかつて彼女やジル・クレイバーグらが演じた“進歩的な女”の末路を描いた「危険な情事」なんていう映画が封切られるに及んで、ますます彼女の居場所が無くなってきた。

 しかし時代はまた移り、酸いも甘いも噛み分けた中高年男女の恋愛を自然なタッチで描く映画も作られるようになると同時に、彼女の出番が回ってきたのだ。今回の相手役がジャック・ニコルソンというのも感慨深い。いわば“70年代に翔んでいた女”と“60年代に極道者だった男”との恋愛だ(笑)。

 ナンシー・メイヤーズの演出は軽妙洒脱で、会話の面白さはもちろん音楽や舞台セットもセンス満点だ。フランシス・マクドーマンドやキアヌ・リーヴスといった脇のキャスティングも万全。少々上映時間が長すぎる気がするが、近年珍しい“大人の映画”としての存在価値は高い。

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