元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

北九州市のオーディオフェアに行ってきた。(その2)

2009-11-06 06:23:37 | プア・オーディオへの招待

 北九州市小倉北区のKMMビルで開催されたオーディオ&ヴィジュアルフェア会場には、プレーヤーとアンプ、スピーカーをメーカー側で組み合わせたセットステレオも数多く展示されていたが、興味を引かれたのが真空管アンプで有名な日本のメーカーTRIODEとデンマークのスピーカーブランドDynaudioとの共同企画によるSONOPRESSO(ソノプレッソ)というシステムだ。

 TRIODEの真空管アンプTRV-35SEBと真空管バッファ回路を持つCDプレーヤーのTRV-CD4SEB、そしてDynaudioのDM/7(国内未発売スピーカー)というラインナップである。これが実に音に暖かみがあり、なおかつ解像度と音場感も確保したなかなか魅力的なシステムなのだ。Dynaudioのスピーカーは、その高精細性を発揮させるためにデジタルアンプなどに繋げてスピード感を追求するという鳴らし方が一般的かと思うが、管球式アンプでマッタリと仕立て上げるのも良いものだ。価格は25万円だが、この音ならば高いとは思わない。ステレオなんてこれでいいじゃないか・・・・と割り切って、好きな音楽だけに浸りたいユーザーにはピッタリの商品かと思う。

 ヴィジュアル部門も少し覗いてみた。三菱電機の新型プロジェクターは高画質には定評のあるDLP方式であるにもかかわらず、20万円を大きく切った値段設定で驚かされた。数年前にはDLPプロジェクターは100万円は下らなかったのだが、時代の流れというのは凄いものだ。

 実際の映写デモにも接したが、他社のハイエンド機には及ばないものの、一般家庭で使うには十分すぎるほどのクォリティだ。120インチのスクリーンに映してもまったく違和感がない。本格的なシアター用の部屋さえ用意すれば、本当の意味での“映画館気分”が、そんなに大枚を叩かずとも家庭で味わえるようになってきたのだ。

 PIONEERの新型AVアンプによる自動音場調整機能のデモンストレーションも行われた。こういう機能に接するたびに思うのだが、AVシステムとピュア・オーディオシステムとは全く違う方法論で成り立っている。どちらもアンプとスピーカーを使うが、求めるものと使いこなしに関しては互いに相容れない立場だ。安易にAVシステムと2chステレオとを両立させようと思っても、苦労するだけである。別系統で、なおかつ別の部屋に構築すべきだろう。

 さて、この催しは春に福岡市で行われている九州ハイエンドオーディオフェアに比べると大掛かりではないが、一つだけ利点がある。それは交通の便だ。何しろ新幹線も停車するJR小倉駅のすぐ近くである。これは入場者にとっては実に有り難い。福岡市でのフェアも、少しはこのあたりを改善していただきたい。  (この項おわり)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 北九州市のオーディオフェア... | トップ | 「悪夢のエレベーター」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

プア・オーディオへの招待」カテゴリの最新記事