元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「メジャーリーグ2」

2009-07-08 06:21:56 | 映画の感想(ま行)
 (原題:Major Leage II)94年作品。大リーグのお荷物球団クリーブランド・インディアンズの奮闘を描いてヒットし「メジャーリーグ」(89年)の続編だが、観終わって感じたのは、ヒット映画の続編を作ることの難しさである。

 前作は劇場で観たしテレビ画面でも何回かお目に掛かっているが、やっぱり面白い。“友情、努力、勝利”という、どこぞのマンガ雑誌のキャッチフレーズのように、典型的な明朗スポ根ドラマをコメディ・タッチで描いた快作。この作品の続編なんて必要ない。ドラマはリーグ優勝を果たした翌年、すっかり増長して腰抜け集団になったクリーブランド・インディアンズの面々が、なんとかハングリーさを取り戻して2度目の優勝に突き進んでいく様子を描く。

 でも、この設定にどれだけ魅力があるのか。落ちこぼれ連中がガッツを見せて頑張るという“スポ根王道路線”に関する面白そうなネタは、前回すべて出してしまったのである。ちょっと設定が変わったぐらいで、観客ウケする要素がそれほど違うわけではなし。結果としてすべてが二番煎じの感が免れない。

 ブードゥー教から仏教に鞍替えしたペドロと、日本からの助っ人タカ・タナカ(石橋貴明)の掛け合いが面白いぐらいで、チャーリー・シーンもトム・ベレンジャーも手持ちぶさたのようだ。性格の悪い女性オーナーの再登場も意外性なし。野球選手としてのペーソスを盛り込んだ前作に比べ、全体的に“単なるお笑い”に終始しているようで、素直に喜べない。

 でもまあ、つくづく感じるのはアメリカ人の野球に対する思い入れの高さである。観客席の盛り上がりもさることながら、実況アナウンサーと解説者(?)の極端なまでの地元エコひいきの姿勢は見上げたものだ。対して日本のプロ野球は一見盛り上がっているようだが、大リーグに比べると閉鎖的で楽しくない。映画の題材にふさわしいような、真に面白いプロ野球になってほしいものである。

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