元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

スピーカーを替えてみた(その2)。

2009-10-04 06:43:43 | プア・オーディオへの招待
 B&Wの685はサイズ面では前のiQ3とさほど変わらない。低音ユニットも同じ16cmだ。しかし、サウンドは(当然の事ながら)かなり異なる。ひとことで言うと、685はスケールの大きい鳴り方をする。空間表現が得意なのだ。また情報量・解像度ともにiQ3をリードする。定価ベースではiQ3と1.5倍の違いしかないが、グレードとしては完全に上である(ただし、音像の太さと温度感に関してはiQ3に軍配が上がる)。

 685には“繋ぐアンプを選ばない”という利点がある。店頭で各社のアンプと接続して聴いてみたが、決してヘンな音は出てこない。これよりちょっと定価が上のB&Wの製品にCM1という機種があるが、これは完全にアンプを選び、セッティングも細心の注意が必要なマニア向けのスピーカーだ。それに比べれば685は数段使いやすい。



 そして、iQ3に比べれば聴感上の特性がややフラット傾向に振られ、聴くジャンルもあまり選ばない。中低域に適度な力感があり、iQ3では鳴らすのが少々辛かったロック系も難なくキメる。さすがにクラシックの管弦楽曲はサイズの面で苦しいが、小編成のものならば問題はない。通常、こういうフラットでモニター調のサウンドデザインを採用する際は、音色が無味乾燥になりがちだ。たとえばYAMAHAのモニター用スピーカーなど、音色が一本調子で音楽観賞用には適さない。ところが本機は音に明るさがあり、いくら聴いても疲れない。ヴォーカルに至っては色気やツヤまで感じさせる。このあたりはさすがに欧州ブランドである。

 ただし、能率はiQ3より若干低い。ヴォリュームの位置は高めの設定となる。カタログデータでは1dBしか違わないが、聴感上での音圧感は異なる。改めてスピーカーの能率というのは重要なスペックだと思う。最近はやたら低能率のスピーカーが目立つが、ハイパワーで駆動力の高いアンプを誰しも持っているわけではない。少しはメーカー側も考えて欲しいものだ。



 スピーカーケーブルは取り敢えずリファレンスで使っているBeldenの8460をバイワイヤリングで繋いだ。次にアンプとスピーカーとを繋ぐRCAケーブルをいろいろと付け替えて相性をチェック。結果、やはり無難な鳴り方をするのがMOGAMI(モガミ)のNEGLEX2534だ。すっきりと伸びたレンジ感と不要な強調感のない展開はサスガである。ただし、ソースによっては高域がキツく聴こえるときがある。買ったばかりでエージング(鳴らし込み)が足りないせいだと思うが、このあたりを解決したのが、同じくBeldenの線材を使ったRCAケーブルだ。

 Belden製のRCAケーブルは89463という線材を使ったコード、同じ88760、そして先日入手した8412(写真参照)の計3種類を所有しているが、89463と8412で良好な結果が見られた。音場はMOGAMIより狭いが、ピラミッドバランスで聴きやすい。一方、88760は、このシステムでは中高域がザラついてダメだった。

 いずれにしても、今回のスピーカーの更改は個人的には成功したと思う。末永く聴いていきたい。なお、実を言えば今回定価9万円~12万円までのスピーカーを参考までに何機種か試聴している。いずれ機会があればそれらのインプレッションを書いてみようと思う。

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