
(原題:An Inconvenient Truth )元アメリカ副大統領アルバート・ゴアの環境問題についてのレクチャーをそのまま映画にしたような作品。
彼が伝えるメッセージをそのまま伝えること自体を目的にしているために、映画的興趣には乏しい。もちろん彼のスピーチを延々と映すようなことはせず、ニュース映像などを適時挿入して一本調子になるのを防いでいるが、メインは彼の主張のみであるため、このスタイルに乗れない観客にとっては辛いだろう。
しかし、地球温暖化に少しでも興味のある者、あるいは興味はあるが実態についてよく知らない者にとっては、絶好の入門編になる。ドキュメンタリー映画というより、教育映画とでもいうべきものだ。
まずは“地球温暖化は起きていないし今後も起きない”と主張する科学者が派閥を形成するほど数多くいる・・・・との認識を覆すあたりは驚いた。実際は“地球温暖化は起きていない”という主張はほとんど存在せず、その程度と期間及び影響度について意見が分かれていただけなのだ。さらに、環境保護と経済成長は決してトレードオフの関係にはなっておらず、うまく施策を選定してやれば環境に配慮しつつもちゃんと経済は伸びていくことが示される。二酸化炭素の排出規制をすれば経済活動が鈍るという理由で京都議定書の批准をしていないアメリカの現(共和党)政権に対する批判も忘れていない。
特定のイデオロギーによってではなく、冷静に検証データによって論理武装しているため、頻繁に映し出される近年の温暖化による深刻な影響----極地における氷の減少や、海面温度が上がることによる大型ハリケーンの発生、新たな病原体の蔓延など----がセンセーショナリズムに堕することなく違和感なく伝わってくる。
本当は劇中少し触れられるアル・ゴアの生い立ちや政治家としての権力争いなんかもクローズアップしてもらえれば面白かったと思うのだが、作品の性格上それは無理だったようだ。それにしても、啓蒙を目的にした本作が日本円にして30億円もの興収をあげるアメリカという国は、あらゆる意味で侮れないと思った。








政治家にとっての不都合が多くて、
票に繋がらないからって、
置き去りに出来ない問題なんですけど・・
と思っちゃいます。
関係ないですけど、ゴアのバックには非・石油会社(原発推進派)が付いていて、共和党のバックにはメジャー石油会社が控えているとか何とかいうことをネット上で読んだことがありますが・・・・バックが何にせよ、国民のことを考えているだけゴアはマシなのかなとも思いますね。
それでは、今後とも宜しくお願いします。