元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「ブラックキス」

2006-04-08 14:29:40 | 映画の感想(は行)

 連続猟奇殺人事件に巻き込まれた新人モデルたちを描くサスペンス編。

 監督としての手塚眞の腕前は相変わらず大したことがなく、クライマックスが盛り上がらないのはもちろん、話の辻褄が合っておらず、登場人物が深刻な顔をする割には展開は脳天気そのものだ。

 草刈正雄扮する犯罪研究家が“残された手がかりには意味がない。犯人は「恐怖」を煽ることだけが目的なのだ”と勿体ぶったように言うが、これが作者の意図を代弁していることは論を待たないであろう。しかし「恐怖」を煽るまでの段取りがなければ、ただの映像の羅列であり映画にはならない。何よりこのネタで2時間10分も引っ張るのは無理がある。

 いかにもC級のシャシンだが、ではまったく観る価値がないかといえば、そうでもない。それは死体を飾り立てる犯人のセンスが抜群だからだ(爆)。冒頭の生きたまま整然と解剖された遺体をはじめ、手足を切断し小綺麗な箱に入れて警察に直送、剥製にしてマネキンみたいなポーズを取らせるetc.どれも“見応え”たっぷりであり、この点だけは「セブン」だの「コピーキャット」だのといったハリウッド製猟奇スリラーよりも数段上だ。

 前述の草刈をはじめ松岡俊介や安藤政信、奥田瑛二といった男優陣の顔ぶれは多彩ながら印象に残らない。対してカメラは橋本麗香と川村カオリが扮するヒロイン二人の方に寄りっぱなしで、作者の好みを如実にあらわしている(笑)。特に“ハーフのモデルなんて、若いときには「キレイだね。可愛いね」とチヤホヤされるけど、ちょっとトシ取ればポイ捨てだ”とのセリフは実感がこもっていて笑えた(注:橋本も川村もハーフである ^^;)。

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1 コメント

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とろろ (まり)
2006-04-08 14:54:57
芸能人のヒミツ教えちゃいます♪

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