元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「ベルベット・レイン」

2006-01-09 08:38:00 | 映画の感想(は行)
 黒社会の大ボス(アンディ・ラウ)と彼に引退を勧める組織のナンバー2(ジャッキー・チュン)との確執、それと暗黒街で名を上げるために大物の暗殺を請け負ったチンピラの若造二人(ショーン・ユー、エディソン・チャン)とを平行して描く香港製ギャング映画。

 二つのエピソードが最後で思わぬ形で一つになるという、凝った構成の作りであるが、あまり面白くない。とにかく観客を惹きつける仕掛けというか、エピソード自体が不足している。語り口も平板極まりない。1時間半の上映時間ながら、かなり長く感じられた。

 監督のウォン・ジンポーはこれがデビュー作だというが、たぶんラストの扱いだけで観る側を納得出来ると勘違いしたのだろう。いくら気の利いた結末を思い付いたとしても、それだけでは映画にならない。大事なのはそこに至るプロセスである。

 それにしても、ベテラン二人に対して若手コンビの何と頼りないことよ。香港では四天王の時代があまりにも長く続いたため、それに続く中堅の人材が育っていないのだろう。ここに来ていきなり20代の若造に四天王の向こうを張れと言っても、無理な注文である。

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