元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「フォーン・ブース」

2010-06-15 06:41:06 | 映画の感想(は行)
 (原題:Phone Booth )2003年作品。軽佻浮薄なプロモーターが、たまたま入った電話ボックスでライフルに狙われる。ワン・アイデアによるサスペンス編で、上映時間も1時間半弱。CGてんこ盛りの大味なアメリカ映画が目立つ中、こういうタイトな作劇に出会うとホッとする。ジョエル・シュマッカー監督も職人ぶりを発揮し、観客を最後まで離さない。

 ただし、万全の出来ではない。まず、コリン・ファレル扮する主人公が最初からいかにも“敵の多そうな男”である点はインパクトが弱いと思う。ここは一見平凡で没個性の人物にして、この事件により意外な“裏の顔”が発覚する・・・・という設定にした方が面白かった。

 また、ファレルの熱演を強調するあまり、プロットを追う過程がおろそかになっている。おかげでラストに意外性がない。また、そのプロットそのものも特段優れたものではなく、犯人も屈折度が足りない。もっと凄みのある“仕掛け”を用意するべきではなかったか。フォレスト・ウィティカー演じる警部がやたら善人ぶっていたりと、脇のキャラクターも甘い。

 映画にするより演劇の方がマッチすると思ったが、シュマッカー監督は舞台演出の経験もあるので、その方法論をスクリーン上でもやってみたかったのだろう。ともあれ「気の効いた小品だが、取りたてて誉め上げるレベルでもない」というのが結論だ。

コメント   トラックバック (2)   この記事についてブログを書く
« 「冷たい雨に撃て、約束の銃... | トップ | 「孤高のメス」 »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

映画の感想(は行)」カテゴリの最新記事

2 トラックバック

フォーン・ブース (Project Companyのblog)
映画「フォーン・ブース」について。 飛行機の中で観ました。シンガポール航空だった
『フォーン・ブース』 (erabu)
監督、ジョエル=シューマカー。脚本、ラリー=コーエン。2003年米。原題『Pho