(英題:Barking dogs never bite )2001年韓国作品。年上の妊娠中の妻に頭が上がらない大学の非常勤講師の男と、マンションの管理事務所で働く冴えない女の子が、団地内で多発する飼い犬失踪事件に巻き込まれていくというアクション・コメディ。
まさに傑作である。ギャグに次ぐギャグの応酬。テンポの良すぎる展開。粒ぞろいのキャラクター。何より、考えてみればブラックでシリアスな題材にもかかわらず、後味がさわやかで感動さえ覚えてしまうのは素晴らしい。
監督のポン・ジュノはこの後「殺人の追憶」(2003年)や「母なる証明」(2009年)といった話題作を撮るのだが、私は彼が脚本も手掛けた本作がベストだと思う。いくつものモチーフがバラバラに並んでいるように見えて、終盤にイッキにまとめる手腕には舌を巻いた。
嫁さんの尻に敷かれっぱなしでヤケクソ気味の男に扮するイ・ソンジェもいいのだが、ヒロイン役のペ・ドゥナの存在感には圧倒された(彼女はこれがデビューから二作目だった)。美人ではないけど実に健気で可愛らしく、活劇場面での身体表現力には瞠目させられる。
黄色を主体にした画調(銀杏の黄葉、ヒロインのジャージetc.)、ジャズを活かした音楽も最高だ。
まさに傑作である。ギャグに次ぐギャグの応酬。テンポの良すぎる展開。粒ぞろいのキャラクター。何より、考えてみればブラックでシリアスな題材にもかかわらず、後味がさわやかで感動さえ覚えてしまうのは素晴らしい。
監督のポン・ジュノはこの後「殺人の追憶」(2003年)や「母なる証明」(2009年)といった話題作を撮るのだが、私は彼が脚本も手掛けた本作がベストだと思う。いくつものモチーフがバラバラに並んでいるように見えて、終盤にイッキにまとめる手腕には舌を巻いた。
嫁さんの尻に敷かれっぱなしでヤケクソ気味の男に扮するイ・ソンジェもいいのだが、ヒロイン役のペ・ドゥナの存在感には圧倒された(彼女はこれがデビューから二作目だった)。美人ではないけど実に健気で可愛らしく、活劇場面での身体表現力には瞠目させられる。
黄色を主体にした画調(銀杏の黄葉、ヒロインのジャージetc.)、ジャズを活かした音楽も最高だ。