元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「ムーラン・ルージュ」

2012-02-16 06:55:24 | 映画の感想(ま行)
 (原題:MOULIN ROUGE)2001年作品。19世紀末のパリを舞台に、ナイトクラブ「ムーラン・ルージュ」の高級娼婦と若い作家との悲恋を描くミュージカル編。ユアン・マクレガーとニコール・キッドマンという有名どころが主演で、実際に吹き替え無しで歌わせた点も話題になった。

 冒頭からいかにもバズ・ラーマン監督らしいケレンとハッタリの洪水。映像ギミックを使いまくって“これでもか、これでもか”という具合に攻めてくる。ただし、10分ほどで飽きてしまう。これで2時間を超える上映時間は辛い。

 陳腐すぎるストーリーと平板な演技はミュージカル映画の常套だが、もはやハリウッドにおいてミュージカルという様式が安っぽい物語を余裕で支えていた古き良き時代は遥か彼方に過ぎ去ってしまった。作者はそのことに対するオマージュをパロディのつもりで描きたかったのかもしれないが、結果として昔のMGMミュージカルがいかに素晴らしかったかを再確認しただけである。

 既成曲の寄せ集めに過ぎない音楽も願い下げだし、こういうのを観るヒマがあれば「雨に唄えば」や「巴里のアメリカ人」をビデオで見ていた方がずっとマシである。
コメント
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