元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「スイミング・プール」

2008-12-26 06:28:36 | 映画の感想(さ行)

 (原題:Swimming Pool )2003年フランス=イギリス合作。南仏を舞台に、女流作家を巻き込む謎めいた殺人事件を描く・・・・と書けば何やら通俗サスペンス劇みたいだが、「8人の女たち」や「まぼろし」などで知られるフランソワ・オゾンが演出を手掛けると一筋縄ではいかないシャシンに仕上がる。

 実際この映画は、思わせぶりなネタ振りとプロットの積み上げといったミステリー映画の意匠は一応揃ってはいるものの、辻褄の合っていない箇所が多く、ラスト近くのドンデン返し(らしきもの)に至ってはストーリー自体を放り出したような印象さえ受ける。まあ、ゲイで女嫌い(たぶん)のオゾン監督にしてみれば、ミステリー等には最初から興味はなく、オールドミスの作家と生意気な娘の無軌道ぶりを意地悪く描くのが主眼だったのだろう。そのスタンス自体に興味は持てないが、割り切って“映画の外見”だけを楽しもうと思えば、これはこれで観る価値はある。

 南仏の美しい風景と、ヒロイン役のシャーロット・ランプリングのシニカルな暗さとが織りなす絶妙のコントラスト。そして何よりプールの吸い込まれそうな青さと、若手女優リュディヴィーヌ・サニエの伸びやかな肢体(美乳だぜっ! ^^;)を見るだけでも入場料のモトは取れる。フィリップ・ロンビによる音楽も良い。
コメント
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