元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「きょうのできごと a day on the planet」

2007-04-05 06:48:40 | 映画の感想(か行)
 2003年作品。面白くない映画だ。大学院に進学した友人の引越祝いのため新居に集まる若者たちを中心に、複数の場所で同時進行する“一日の出来事”を追う柴崎友香の同名小説の映画化。

 たぶん作者側では、このような何の変哲もない日常茶飯事が人生を決めてゆくものであり、映画の題材として扱う価値は大いにある・・・・と思っているのだろう。しかし、それを劇映画として人様に見せるには、面白可笑しく各エピソードを描くか、あるいはリアリズムに徹して観客の共感を呼ぶように仕向けるか、どちらかのアプローチが必要だ。

 ところが実際には「自殺志願の女子高生が見つけた、砂浜に打ち上げられた鯨」だの「ビルとビルの間にはさまれて身動きが取れなくなった男」だのといった「絵空事ではあるが、全然面白くない話」が微温的に流れるだけ。要するに中途半端なのだ。時制をバラバラにしているのも鬱陶しいだけ。

 妻夫木聡や柏原収史、山本太郎、池脇千鶴、北村一輝といった多彩なキャストにも演技らしい演技はさせていないし、田中麗奈と伊藤歩のわざとらしい舌っ足らずな「関西弁もどき」には虫酸が走った。とにかく、監督の行定勲は「GO」だけの“一発屋”だということを認識できた。
コメント (1)
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