各車輌の調査結果を視覚的に表現する方法としては、形式図の作成が最良と考える。しかしながら、管理人に工業的な製図技術はなく、正確な図面を作成することは不可能である。そこで、形態の特徴がわかる程度のイラストと当該車輌に関して知り得た事項を記載した資料を作成することにした。
パイロット版として、身延線から大糸線に移って晩年を過ごした クモハ43804 の資料を作成した。
(資料はpdfファイル形式)
43804 の資料は試験的に作成したもので、身延線用資料は床下機器や屋根上もできるだけ明らかにしていきたい。
最終的には身延線の各車輌について、左記の資料を作成することを目標において調査を進める。イラストは各車輌の形態上の特徴を示すもので、たとえば運転席窓の形状や客用扉の種類、戸袋窓の位置などがわかるように記載するが、寸法は厳密なものではない。
イラストに併記する情報および表現の方法については、資料を作りながら検討するつもりである。一度作成した資料も後々手直しを行うことで全体の平仄をとるようにしたい。
車輌の分類においては、製造当初に「系」や「番台・代」の区分はなく後年に便宜的に付されたものであるが、本稿ではこれら便宜的な呼称を用いることが有効であり、鉄道専門誌や書籍の記述に倣って、以下のとおり分類して使用する。
32系
昭和5(1930)年に登場した横須賀線用の二扉クロスシート車。制御電動車は17m級、付随車は20m級。
40系
昭和7(1932)年度から昭和17(1942)年度に製造された三扉ロングシート車。出力増強型のモハ60を含む。
42系
昭和8(1933)年度から昭和12(1937)年度に製造された二扉クロスシート車。大阪近郊の電化に合わせ投入された車輌が中心であるが、横須賀線用のモハユニ44を含む。
51系
昭和10(1935)年度から昭和18(1943)年度に製造された三扉セミクロスシート車。当初より半流形で製造されたが、後に他系列からの編入があり平妻を含む。
昭和56(1981)年の身延線車輌に関連する系列を挙げたが、必要に応じて他系列に触れることもある。