テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 続・竜が招くは ~

2024-07-21 22:03:51 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 うほゥ! おうてッ、なのでス~!」

「がるる!ぐるがるるぐる?」(←訳:虎です!ほぼ決まりかも?)

 

 こんにちは、ネーさです。

 《ツール・ド・フランス2024》第20ステージに勝利し、

 総合優勝に王手をかけたのは、T・ポガチャルさん!

 最終ステージとなるモナコ~ニース間の個人TTに注目しながら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの文庫作品を、どうぞ~♪

  

 

 

           ―― 竜の医師団 2 ――

 

 

 著者は庵野ゆき(あんの・ゆき)さん、

 2024年3月に発行されました。

 『THE DRAGON KILLERS』と英語題名が付されています。

 

 ええ、前々回記事でご紹介しました第1巻では、

 英語題名が『THE DRAGON HEALERS』であったのに対し、

 第2巻では『THE DRAGON KILLERS』、

 『HEALERS』を『癒し』『医療』とするなら、

 『KILLERS』は『暗殺者』……?

 

「あわわッ! そんなァ!」

「ぐるがるぅ!」(←訳:不穏だよぅ!)

 

 第1巻は、

 憲兵に追われるヤポネ人の少年

 リョウ・リュウ・ジくんが、

 一種の治外法権を有する

 《竜ノ医師団》の拠点へ

 逃亡を試みる場面から始まりました。

 

 病気の竜を治療する《竜ノ医師団》の試験を受け、

 晴れて入団してしまえば、

 たとえ憲兵といえど、

 リョウ・リュウ・ジくんに手は出せない、のです。

 

「りょうくんッ、がんばりィましたでス!」

「がるるぐる!」(←訳:無事に到着!)

 

 無事……かどうかはさておき、

 リョウ・リュウ・ジくんは

 目的地《竜ノ巣》に到着しました。

 

 《竜ノ巣》には、

 《竜ノ医師団》が常駐している。

 

 そして、何より、

 竜が、いる。

 

 世界最古、

 最長老の竜である、

 ディドウスが。

 

「ふぁァ~…おおきいィ!」

「ぐるるる!」(←訳:山のよう!)

 

 爺さん、なんて仇名をつけられちゃってる

 老竜ディドウス。

 

 その巨体は、冗談ではなく、

 山に匹敵するウルトラスーパーなサイズで、

 近付くのも容易ではありません。

 

 けれど、容易ではないことをやり遂げねば、

 《医師団》への入団は叶わない……。

 

 リョウ・リュウ・ジくん、

 必死の思いで真正面から

 ディドウスと対峙しますが――

 

「……ことばもォないィでス!」

「がるるる!」(←訳:これが竜!)

 

 第1巻で描かれたのが

 『医療』『癒し』であったとするなら、

 こちらの第2巻で語られているのは

 他でもなく、『死』です。

 

 老竜ディドウスに死が迫っていると聞かされて、

 リョウ・リュウ・ジくんと仲間たち、医師たちは

 何を想い、どう動くのか。

 

「うゥ~むゥ、どうしたらァいいィ?」

「ぐるるるがる?」(←訳:打つべき手は?)

 

 生だの死だの憲兵だの治外法権だの、

 憂鬱でシリアスで暗~いお話……のように見えて、

 いやしかし、

 実は!

 リョウ・リュウ・ジくんをはじめ、

 登場人物さんたちは皆ユーモアにあふれ、

 会話には笑いが絶えず、

 まるで漫才か講談のような

 極上エンターテインメントを

 観賞している心地になりますよ。

 

 長~い夏休み、

 ファンタジーってやつを読んでみるか!

 とお考えの活字マニア初心者さんも、

 百戦錬磨の活字マニアさんも、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 

  

  ↑岩本ゼロゴさんによる表紙イラストにも拍手を~!

 

 

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~ ワチャワチャ!な最新作 ~

2024-07-20 22:03:17 | その他

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 がいしゅつゥ、ちゅういィ~でスよゥ!」

「がるる!ぐるるる~!」(←訳:虎です!暑過ぎる~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 気温の高さに恐怖さえ覚える週末になっちゃいました……

 こんな日はお家に籠って、

 涼しくなったら何をしようかな~?

 と思い巡らせてみるのはいかがでしょうか。

 そこで本日は、↓こちらの映画情報を、どうぞ~♪

  

 

 

         ―― 怪盗グルーのミニオン超変身 ――

 

 

 監督はクリス・ルノーさん、

 昨日7月19日に公開されたばかりの

 《怪盗グルー》シリーズ最新作です。

 

「あはァ! みにおんッ!」

「ぐるるがるる~!」(←訳:破壊王だよね~!)

 

 ハッピーでのんびり……

 いえ、ハッピーなワチャワチャLIFEを送るミニオンたちのもとに、

 或る日やって来たのは、

 小さなグルーJr.ちゃん。

 

 ミニオンたちの眼に、はたして、

 おチビなグルーJr.ちゃんはどう映るのか……

 守護すべき幼い生命?

 それとも、仲間?

  

 ワチャワチャが秒速で拡大する

 グルーファミリーとミニオンたちの新たなエピソードは、

 You Tubeなどで予告編が公開されていますし、

 公式SNSやHPもにぎやかです。

 映画館に行く前に、いろんな情報を集めてみるのも

 けっこう楽しいものですよ。

 

 ……それにしても、

 ミニオンたちって

 どうしてあんなに歯並びがいいの?

 

「まいにちィ~はみがきィ!」

「がるるぐるるるるるがるるる!」(←訳:専属の歯医者さんがいるんだ!)

 

 自宅でDVDや配信映画を観賞しようかなぁ♫

 という方々におすすめなのは、

 夏休みですもの、

 オリジナルの『ゴジラ』をはじめとする

 ジャポネな怪獣映画作品です。

 ぜひ、咆哮するゴジラくんに戦慄してくださいね~♪

 

 

 

   では、ここでオマケ画像も!

   

   TV番組で大絶賛された

   『ミニストップ』さんの

   《台湾 蜜いも バターどらやき》は――

   「ふぱッ! これはァ!」

   「ぐるるがるるる?」(←訳:新しい美味しさ?)

   レンジで15~20秒ほど過熱すると、

   溶けかけたバターの塩味が

   甘いどらやき全体に広がります。

   人気になるのも道理!なお菓子ですね。

   「おみせでェ、みかけたらァ~」

   「がるるる!」(←訳:即入手で!)

 

   美味しいお菓子に大満足したあとは、

   どうか皆さま、

   水分と睡眠もしっかり摂って、

   涼しいところで静か&穏やかな休日をお過ごし下さいな♪

  

  

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~ 竜が招くは ~

2024-07-19 22:03:17 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 しぶさわァさァ~んッ、どこでスかァ~??」

「がるる!ぐるるるがる?」(←訳:虎です!いませんねえ?)

 

 こんにちは、ネーさです。

 新札の流通が始まって2週間余……

 ホログラム渋沢さんとお会いできるのはいつかしら?

 と真剣に悩みながら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの文庫作品を、どうぞ~♪

  

 

 

            ―― 竜の医師団 1 ――

 

 

 著者は庵野ゆき(あんの・ゆき)さん、

 2024年2月に発行されました。

 『THE DRAGON HEALERS』と英語題名が付されています。

 

「むむゥ! ちかよッちゃだめェでス!」

「ぐるがるるるる!」(←訳:竜は怖いからね!)

 

 竜――英語では、Dragon。

 

 ここ日本を含む東洋圏では、

 竜は聖獣の一種であったり、

 人間にはコントロールできない

 不可侵の存在として捉えられることが多いのに対し、

 西欧では、

 どちらかというと

 ドラゴンは害獣――駆除すべきもの、ヒトに害をなすもの、と

 考えられているようですね。

 小説やゲームの影響で、近年は

 新たなドラゴン像も生まれているようですが、

 この物語の世界では。

 

 竜は、豊穣。

 

「ほわわッ! ほうじょうゥ?」

「がるるぐるるぅ~♫」(←訳:それもアリかぁ~♫)

 

 この世は竜の創りしもの。

 竜あるところに豊穣あり。

 

 その国に住む竜がすこやかであるなら、

 天候は荒れることなく、

 花は美しく咲き、

 秋の実りは豊かで、

 一年は穏やかに暮れてゆく。

 

 けれどもし、竜が病んでしまったら。

 

 荒天が地を破壊し、

 実りは失われて、

 飢饉が国土を覆う……

 

 つまり、

 竜が病気になると国が傾いてしまう、んです。

 

「ふァ~…わかるゥきィがァするゥ~…」

「ぐるがる!」(←訳:健康第一!)

 

 ええ、そうです。

 竜が健康であることが何より大事!とするこの世界では、

 竜を診察するお医者さんたち《竜ノ医師団》は

 特別な存在であるワケで、

 

   《竜ノ医師団》には、特権がある。

   医師団に入団してしまえば、

   俺はもう、憲兵にとっ捕まることもない。

 

 と、夜の町を必死に逃げ惑っているのは、

 16歳のヤポネ人の少年、

 リョウ・リュウ・ジくん。

 

「すぐにィ、かくれてッ!」

「がるるぐる!」(←訳:憲兵が来た!)

 

 ヤポネ人は、いうなれば”被差別民”で、

 ただそこにいるだけで

 憲兵に逮捕連行されてしまうのです。

 リョウ・リュウ・ジくんも、

 孤児院に隠れ住んでいたのが露見し、

 憲兵に追われている真っ最中。

 その心情は、

 

   ここが踏ん張りどころだ、

   全身全霊、知恵と体力をフルに使って

   竜と《竜ノ医師団》がいる

   竜の巣に向かうっきゃない……!

 

「いそいでェ~!」

「ぐっるがっる!」(←訳:走って走って!)

 

 危機を乗り越え、

 リョウ・リュウ・ジくんは

 竜の巣に辿り着けるのでしょうか。

 《竜の医師団》に入団……させてあげたいけど、

 次から次へとトラブルが?

 

 《竜》という、

 人類の夢であり悪夢でもある

 魔訶不思議ないきものを

 ぐっと身近に、活き活きと魅力的に描いた

 ”異世界青春医療ファンタジイ”は

 全活字マニアさんにおすすめですよ。

 いますぐ本屋さんの文庫コーナーへ、

 皆さま、ぜひ~♪

 

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~ 冒険ごはん、実食! ~

2024-07-18 22:03:51 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 つゆあけェ、しちゃッたでスよゥ~…」

「がるる!ぐるがるぐる!」(←訳:虎です!秋よ早く来て!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 関東地方の梅雨明けが発表されて、

 いっそう高まる蒸し暑さに

 気持ちがどんより落ち込んだ日の読書タイムは……

 さあ、↓こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

          ―― 平野レミの 自炊ごはん ――

 

 

 著者は平野レミ(ひらの・れみ)さん、

 2024年3月に発行されました。

 『せっかちな私が毎日作っている72品』

 と副題が付されています。

 

「あはァ! れみィさんッ!」

「ぐ~る~る~!」(←訳:観~た~よ~!)

 

 はい、先日のことでした。

 NHKの朝ドラが終わると……

 わっ! 画面に平野レミさんが!

 でも様子がちょっとヘンだわ……?

 放送が始まっているのに、

 レミさん、ポカンとしちゃって。

 

「れみさんッれみさんッ!」

「がるるぐるるぅ!」(←訳:生放送ですよぅ!)

 

 ドタバタしている朝のスタジオを眺めつつ、

 私ネーさ、思い至りました。

 そうです、7月15日は『海の日』の祝日。

 祝日といえば、

 レミさんがNHKでお料理をして大騒ぎを起こす日!

 いえ、特別番組『平野レミの早わざレシピ』の放送日、ですね。

 

 そして、期待を裏切らず、

 レミさんは今回も色々とやってくださいました♫

 

 ここはNHK――

 すなわち”商品名を言ってはいけないところ”。

 なのですが、

 レミさんの目の前にはかの有名な

 『タバスコ』の壜がある……。

 

 一方、明敏なアナウンサーさんは危険を察し、

 『商品名はお控えください!

 (それは)ホットペッパーソースです!』

 と叫んだものの。

 

 結局、なんだかんだ言ってレミさん、

 『タバスコ』を連呼してましたわね。

 

「ぷふふふふッ!」

「ぐるるがるぐるるるぅ~!」(←訳:お腹の皮がヨジれるぅ~!)

 

 前置きが長くなりましたけれど、

 この御本もまさに、

 『早わざレシピ』のノリである、と申しましょうか。

 

 味を望むすべての人――味望人(みぼうじん)のために、

 レミさんが考案するのは、

 

 シンプルな構成の、

 『にんじんだけサラダ』や

 『推し野菜だけサラダ』、

 

 えのきをバターで押し焼きする

 『えのきだけ根』、

 

 ボウルを使わずパックの中で具を混ぜ合わせる

 『手間が半バーグ』、

 

 スープにパスタを投じてゆで上げる

 『すいとりパスタ』各種、

 

 食パンと紅茶の出がらしで作る

 『出がらしパンクッキー』

 などなど。

 

「でがらしィ??」

「がるるる??」(←訳:すいとり??)

 

 これは……うん、ネーミングは突拍子もないけど、

 イケるかもしれないぞ?

 意外に合理的なんじゃないか?

 と思わせてくれるレシピの数々は、

 和洋に中華、韓国、レミさんのオリジナルもの、と

 何でも来い!な、フトコロの広さ。

 

 いつもと違う味わいのものを食べてみたいな~。

 今日のごはんはちょっぴり冒険してみたいな~。

 とお考えの活字マニアさんは、

 ぜひ、本屋さんのレシピ本コーナーで

 探してみてくださいね♪

 

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~ 旅への扉 ~

2024-07-17 22:03:55 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 わァおッ! おおたにィ~さんがッ!」

「がるる!ぐっるるがーるるる!」(←訳:虎です!打ったねホームラン!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 《MLBオールスターゲーム2024》、

 デコピンくんがプリントされた上着内側にも

 豪快な先制3ランにも驚かされましたね。

 全選手さん&スタッフさんにお疲れさま!の拍手を送ったら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

          ―― モモの医術史 3 ――

 

 

 ネーム原作は猶本三羽(なおもと・さんば)さん、

 作画は淺野のん(あさの・のん)さん、

 2024年7月に発行されました。

 『 MOMO'S MEDEICAL HISTORY 』と英語題名が付されています。

 

 敬愛する王子を救うために、

 伝説の医術書『アビスの書』を求め、

 世界各地を旅する天才少年医師・モモくんを主人公とする物語も、

 この第3巻で完結することとなりました。

 

「さがしてェいるのはァ~」

「ぐるがるぐる!」(←訳:生と死の秘密!)

 

 かつて、悲惨な境遇で育ってきたモモくんを、

 発見し、保護してくれたのは、

 大国ラディアニアのエンデ王子でした。

 モモくんに医術の才能があると見抜いたのも、エンデ王子。

 その王子が、いま、危篤状態にある――

 

 エンデ王子を救いたい。

 ただそれだけを願って旅をしてきたモモくん、

 ついに確かな手掛かりをつかみます。

 

 熱砂の国・ヴァ―ジス王国の国王は、

 心臓を刺されても、

 毒を盛られても、ビクともしなかったというのです。

 つまり、国王は不死身?

 それとも……

  

 死者蘇生の術を記した『アビスの書』を所有し、

 実践している?

 

「きけんッでスよゥ、ももくんッ!」

「がるるぐるる……!」(←訳:危険な秘密だ……!)

 

 『アビスの書』の在り処に肉迫するモモくんと、

 今にも黄泉への坂道を下ってゆきそうなエンデ王子。

 二人を繋ぐ糸は、

 儚くも断ち切れてしまうのか。

 

 この第3巻の後半部分は、

 疾風怒濤の勢いで”最終話”へと雪崩れ込んでゆき、

 読み手の私たちに思考を強います。

 

 医術って、何だ?

 医術に、何ができるんだ?

 

 ファンタジー世界だろうと

 この現実世界であろうと、

 どんな場所でも共通する問いかけの、

 迷路と闇。

 

 それへ、

 モモくんが、

 エンデ王子が、

 出した答えとは。

 

「さくしゃさんたちにィ、はくしゅゥ~!」

「ぐるるるるっるがる!」(←訳:素晴らしかったです!)

 

 モモくんの旅に、

 はたして、終わりはあるのか――

 

 ファンタジー好きな活字マニアさんはもちろん、

 いわゆる『医療もの』が大好き!という方々にも、

 今いちばんおすすめしたい快作です。

 ぜひ、本屋さんで探してみてくださいね~♪

 (続編やスピンオフも希望で~す!)

 

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~ 森を歩めば、出逢うのは ~

2024-07-16 22:03:24 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 おおゥ! しんはッけんッでスよゥ~!」

「がるる!ぐるがるるるるぐる?」(←訳:虎です!月に地下洞窟がある?)

 

 こんにちは、ネーさです。

 月の『静かの海』地下に巨大な洞窟があると

 イタリアなどの研究チームが科学誌に発表しました。

 うわあ、どんな空間なんだろう?と想い巡らせながら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

          ―― 射手座の香る夏 ――

 

 

 著者は松樹凛(まつき・りん)さん、

 2024年2月に発行されました。

 『Bood - bye, Our Perfect Summer』と英語題名が付されています。

 

 第12回創元SF短編賞受賞作を表題とする

 著者・松樹さんのデビュー作品集には、

 

 『射手座の香る夏』

 『十五までは神のうち』

 『さよなら、スチールヘッド』

 『影たちのいたところ』

 

 の4作品が収録されていますよ。

 

「ぱちぱちぱちィ~!」

「ぐるるるがるぅー!」(←訳:めでたきデビュー!)

 

 hale(はれ)さんによる

 涼やかな碧色の装画が美しい表紙を捲れば、

 目に飛び込んでくるのは、

 表題作品『射手座の香る夏』です。

 

 創元SF短編賞受賞作、ということで、

 読む側としては、ちょっと身構えてしまいますけれど、

 物語の始まりは……

 夜の山。

 

「ううゥ、なにもォ~みえないィ……!」

「がるるる~…!」(←訳:怖いよう~…!)

 

 陽は落ち、辺りは闇一色。

 そこを、懸命に歩いているのは

 10歳の少女・美菜(みな)さん。

 

 美菜さん、後悔しています。

 ひとりで山に入ったこと、

 日が沈む前に帰るべきだったこと……

 そういった”山の約束ごと”をきちんと守っていれば、

 こんな恐怖を味わう羽目にはならなかった、と。

 

 足元も見えない真っ暗な森の中、

 頼りになるのは音と匂いだけ。

 わずかな川の匂いを捉えて

 美菜さんは進んでゆき、するとそこに。

 

 遠くで、小枝の折れる音が。

 

「ひいィッ!」

「ぐるるるがる!」(←訳:ますます怖い!)

 

 鹿か、

 それともヒグマか。

 

 動揺した美菜さん、段差で転倒してしまいました。

 疲れ果てた彼女に

 起き上がる体力は残っていません。

 もう、いいか、とすべてを諦め、

 目を閉じると。

 

 不思議な匂い……?

 

「えッ? においィ?」

「がるぐるる!」(←訳:ああ本当だ!)

 

 ラベンダーのような、甘やかな匂いがする?

 

 顔をあげた美菜さんは、はっきりと目撃しました。

 

 狼が、いる。

 

 青い瞳の、

 真っ白な体毛の、

 この世の何よりも美しい

 狼がいる。

 

「……えッ?」

「ぐるっ??」(←訳:ええっ??)

 

 白い狼とは、いったいまた……?

 と考える間もなく、

 物語はここから一気に”SF”な展開へ

 突入してゆきます。

 

 白狼と邂逅した美菜さんは、

 どんな世界へ帰ってゆくのか、

 そこに彼女の居場所はあるのか――

 

 はい、これ以上は、ネタバレ禁止!ですので、

 皆さま、書籍を手に取って、

 美菜さんとともに旅をしてみてくださいね。

 巻末の、飛 浩隆さんによる解説も併せて、

 ぜひ、一読を♪

 

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~ ブロードウェイの、キツネとタヌキ? ~

2024-07-15 22:03:09 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ひゃほうゥ! にぎやかァ~なのでス!」

「がるる!ぐるるるるぅ!」(←訳:虎です!華やかだなぁ!)

 

 こんいちは、ネーさです。

 昨日7月14日は、フランスの革命記念日でした。

 前夜祭には花火大会があったり、

 盛大なパレードにオリンピックの聖火リレーが加わって、

 大いに盛り上がっているようです。

 日本の選手さんたちがパリで活躍できるよう祈りながら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

          ―― ガイズ & ドールズ ――

 

 

 著者はデイモン・ラニアンさん、

 原著は1932年に、画像の日本語版は2024年6月に発行されました。

 英語原題は『Guys and Dolls』、

 大ヒットミュージカル『ガイズ&ドールズ』の原作者さんによる

 笑撃の短編集です。

 

「わふふゥ! ものがたりのォ、ぶたいィはァ~」

「ぐるがるーるるぅる!」(←訳:ほぼブロードウェイ!)

 

 米国に於いて、いわゆる『禁酒法』が施行されたのは、

 1920年から1933年まで。

 映画好きな方々は、すぐに思い浮かべるでしょう――

 『アンタッチャブル』や『コットンクラブ』といった

 禁酒法時代を背景とする作品の、

 奇妙に明るく、刹那的な、当時の文化や出来事を。

 

 著者・ラニアンさんのこの作品にも

 同じ空気が流れています。

 ただし、その空気は『アンタッチャブル』ではなく……

 

 ビリー・ワイルダーさんが監督した

 『お熱いのがお好き』!

 

「おおわらいィ~!」

「がるるるぐる!」(←訳:思い出し笑い!)

 

 NY、ブロードウェイ。

 そこは、米国中から、海外から、

 歌に、ダンスに、自分のルックスに、

 自信満々の”スター候補生”たちが集い、

 スポットライトを浴びる日を待ちわびる

 ショービジネスの聖都です。

 

 しかし、美しい花あれば、

 花に魅せられた虫たちがわらわらと寄ってくるのも、

 また自然な成り行きで。

 

 ブロードウェイのそこここに、

 怪しげな人物が巣食い、

 大小の事件を巻き起こしてしまうんですよねえ。

 

「まちはァ、おおさわぎィ!」

「ぐるがるるるるるるぐる!」(←訳:でもお巡りさんには内緒!)

 

 タフで筋金入り……のように見える男たちと、

 本当にタフで筋金入りの女たち、

 ブラッドハウンドやオウム、

 微笑ましくも小狡い語り手の『おれ』が、

 ブロードウェイを走り回って織り成す物語は、

 序文+短編19作品+おまけの1話。

 

 どのお話も、爆笑必至!なのですが、

 私ネーさのおすすめは、

 第六話『荒ぶる四十丁目界隈のロマンス』です。

 

 題名の通り、ロマンスをテーマに描かれた作品を、

 あ~面白かった♫と読み終えた後で

 おや?と気付くのは……

 ちょっと似たような御話、知ってるわよね私たち?

 恋人たちの入れ替わりと、

 心変わりのドタバタ喜劇?

 それって……『夏の夜の夢』じゃない?

 

「うふふッ! しぇいくすぴあァさんッ!」

「がるるるぐるるるがる!」(←訳:いやいやカン違いかも!)

 

 愉快でスットンキョ―な

 『ガイズ(野郎ども)』と

 『ドールズ(おねえちゃん)』たちの

 化かし合いと、助け合い。

 

 小森収さんによる解説では

 著者・ラニアンさんの来歴等が紹介されていますし、

 巻末にはラニアンさんの著作リストも

 掲載されています。

 特に、ミュージカル好きな方々にはおすすめですよ。

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

 

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~ ハナちゃんの、夢の缶 ~

2024-07-14 22:03:17 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

すおみさんのォ、おはなしをォしましょゥ~!」

「がるる!ぐるがるぐる!」(←訳:虎です!9月公開だよ!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 映画館やYouTubeで予告編が公開されていますね、

 三谷幸喜さん監督・脚本の新作映画『スオミの話をしよう』!

 これはミステリ?ミュージカル?それとも……と公開日を待ちながら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらのコミック作品を、どうぞ~♪

  

 

 

         ―― うちのちいさな女中さん 5 ――

 

 

 著者は長田佳奈(ながた・かな)さん、

 2024年7月に発行されました。

 昭和初期の《ちいさな女中さん》の暮らしを描く、

 ちょっぴり地味ながらも密かに大人気!なシリーズの第5作です。

 

「ひざしはァ、きびしィけどォ~」

「ぐるるるる!」(←訳:もうすぐ秋!)

 

 昭和9年の、夏の終わり。

 

 14歳の野中ハナ(のなか・はな)ちゃんは、

 翻訳家の蓮見令子(はすみ・れいこ)先生のお家に

 住み込みで働く女中さんとして、

 だいぶ東京の生活にも慣れ……てきているような、

 いないような。

 

「しかたがないィのでスゥ!」

「がるぐるがるるる!」(←訳:まだ半年そこそこ!)

 

 ハナちゃんが東京にやって来たのは

 春の終わり頃でしたので、

 東京という都市とそこでの暮らしは

 依然として《未知の世界》であり、

 驚くことばかりです。

 

 今日もまた、蓮見先生に勧められ、

 ご近所の喫茶店『みちくさ』で

 お昼の定食、つまりランチをいただこうとしたら、

 メニューに載っていたのは……!

 

 サンドウヰッチ。

 オムレツ。

 牛肉の玉子巻揚げ。

 

「おォ! おいしそうゥ~♫」

「ぐるるがるるぐる~?」(←訳:どれにしようかな~?)

 

 どれも本で見て、気になっていた洋食でしたから、

 

 どのお料理も食べてみたい!

 ああ決められない!

 

 と迷うハナちゃんに

 『みちくさ』の店主さんは提案します。

 いま東京で話題の、

 或るスペシャルな新料理はいかが?

 

「あはァ! これはァ、たのしィ~!」

「がるぐるがるるぐるる!」(←訳:現代でもみんな大好き!)

 

 なるほど、このお料理は

 この頃に発明されたのね、と頷かされる

 第25話『ミチクサランチ』。

 

 『ホッチキス自動紙綴器』が登場する

 第27話『整える』。

 

 『泉屋』さんのクッキー缶に心躍る

 第30話『夢の缶』。

 

 20世紀の文化史を掘り起こす

 ハナちゃんの物語は、

 派手なアクションやサスペンスとは無縁なんですけど、

 なんだか目が離せないんですよね。

 

「むかしのォ、とうきょうゥ!」

「ぐるるるがる!」(←訳:昔なのに新鮮!)

 

 昔日の東京の、文化、文物。

 ハナちゃんの驚きと、感激。

 そして、現代の私たちの驚きと、溜め息。

 

 近代史・現代史好きな活字マニアさんに

 激おすすめのシリーズです。

 書店さんのコミックコーナーで、

 ぜひ、探してみてくださいね~♪

 

 

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~ 春も夏も、とろける美味しさ♪ ~

2024-07-13 22:03:30 | ショコラ

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 れんきゅうゥ~なのでス!」

「がるる!ぐるるるがるる!」(←訳:虎です!15日は海の日!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 京都では祇園祭の前祭鉾曳き初めが始まっていて、

 明日は前祭の宵山(宵々山)ですね。

 良いお祭りになりますようにと願いながら、

 さあ、本日は、読書も展覧会情報もサボって、

 久々の完全ショコラdayを、どうぞ~♪

  

「うおッ? これはッ!」

「ぐるるがるっ!」(←訳:何かが来たっ!)

 

 は~い、そうです。

 クール便で我が家に配達されてきたのは――

  

 『リンツ』さんの、

 《 リンドール ギフトBOX さくら 》。

 

 チョコレート専門店『リンツ』さんの人気製品、

 丸い形の《リンドール》チョコ10種類を詰め合わせた

 スペシャルなBOXですよ。

 

 実は、先週末から『リンツ』さんでは

 リンツテナブルという、

 サステナブルなキャンペーンが行われていたんです。

 

 フードロス削減のためにも

 賞味期限が近い商品などを

 特別価格で販売しよう!

 という企画、ですね。

 

「それェ、のッたァ!」

「がるるる!」(←訳:乗ります!)

 

 ええ、私ネーさ、乗りましたとも!

 およそ50%OFFのお値段で、

 ↑上の画像のギフトBOXを購入しちゃいました。

  

「ざッくざッくゥ、でス!」

「ぐるがる~!」(←訳:大漁だよ~!)

  

 このBOXの特長は、

 春季限定の製品だった《さくら》のリンドールが

 たっぷり入っていることでしょうか。

 

 淡いピンク色の包装紙が可愛らいい《さくら》、

 とても美味しいので、

 出来れば通年販売していただきたいです。

 

「このォなつのォ、おすすめはァ~」

「がるるるぐるるーる!」(←訳:ミントのリンドール!)

 

 お得プライスで『リンツ』さんのショコラが味わえる

 リンツテナブル キャンペーンは、

 好評すぎてアッという間に終了となりましたが、

 今後も不定期にキャンペーンが行われるらしいので、

 ショコラマニアさんは『リンツ』さんのHPなどを

 こまめにチェックしてみてくださいね。

 

 

 私ネーさ、熱中症の症状がなかなか良くならず、

 自宅でぐったりしています。

 皆さまは、どうか健やか&穏やかに、

 楽しい連休をお過ごしくださいな♪

  

  

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~ 《ざんねん》に限界なし? ~

2024-07-12 22:03:40 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 むゥ! またまたァ~やッてきましたでスねッ!」

「がるる!ぐるるがっるぐる~!」(←訳:虎です!今回もヒット確実~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 はい! いまや本屋さんでも定番の、

 大人にも子どもにも大人気の、あのシリーズ!

 最新の2024年版といえば……

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

        ―― まだまだ ざんねんないきもの事典 ――

 

 

 著者は今泉忠明(いまいずみ・ただあき)さん、

 2024年4月に発行されました。

 『おもしろい!進化のふしぎ』と副題が付されています。

 

 《ざんねんないきもの事典》シリーズの9冊目となる、

 この御本では、

 

 ◆見たことがないざんねんな生態

 ◆もう見ることのできない、

  いなくなったざんねんないきものたち

 

 を中心に、

 『すごい』と裏表になっている

 『ざんねん』を探しにゆきますよ。

 

「あッ! これこれッ! これでスゥ!」

「ぐるるがるるるぐる!」(←訳:早々に真打登場だよ!)

 

 ここ数年で知名度が急上昇、

 グッズを販売すると売切れになり、

 カプセルトイやフィギュアにもなり、と

 大人気を博しているのが、

 ハシビロコウくん。

 

 そもそもは中央アフリカの水辺に棲む、

 全長1.5メートル程の鳥さん……なんですけど、

 川や池の浅瀬に立つハシビロコウくん、

 動かない……何時間もじっとして動かないので、

 置物か、作り物か、と思ってしまうんですよね。

 

「のんのんッ! ちがいィまス!」

「がるるるぐるるがる!」(←訳:やる時はやる子だよ!)

 

 ええ、そうなんです。

 水底から、待ちに待った標的――魚が上がってくると、

 ハシビロコウくんもサッと素早く動いて、

 魚をキャッチ!

 

 動画サイトなどでは、その

 ”ハシビロコウくんが動いた!食べた!”映像が

 やっぱり大々人気!

 バズることもしばしばです。

 

 しかし、実はもうひとつ、

 見逃せない”ハシビロコウくんの動き”があって、

 それは、

 

 アクビ。

 

「……あくびィ?」

「ぐるるがるるる?」(←訳:アクビするんだ?)

 

 疲れた時など、ハシビロコウくんも

 大きなアクビをするのだそうです。

 するとその時、

 ぱくッと開いた口の中に見えるのは

 ピンク色の奇妙な物体で、

 その正体は……

 背骨。

 

 そう、ハシビロコウくん、

 首をすぼめて口を大きく開けると、

 のどにある袋が内部から

 背骨に押されて、

 口から出ているように見える……

 って、どういう構造になってるの、それ?!?

 

「わッかんないィでスゥ!」

「がるる~…!」(←訳:謎生物~…!)

 

 アクビが終わるとね、

 背骨は元通りになる、んですって。

 これは、なんというか、

 『ざんねん』というより、

 ”トランスフォーマー的な何か賞”をあげたい感じだわ。

 

「もッとォしりたいィ~はしびろこうゥ!」

「ぐるるるがるるる~!」(←訳:定点観測したいね~!)

 

 他にも、

 《ヘビは自分のしっぽを間違えて食べがち》

 《ウサギは上手に寝転がれない》

 《オカヒジキは秋になると転がりながら旅に出る》

 と、奇妙千万な『ざんねん』情報がずら~り。

 

 ちょっと泣けてしまうのは、

 『いなくなったざんねん』という、

 絶滅した恐竜たちについての章です。

 

 かつて地上を闊歩した巨大生物たちも

 それぞれ『ざんねん』を抱えていて、

 それは歯周病であったり、

 重過ぎる頭であったり、

 潜水病や腰痛であったり……。

 

「ふむゥ! それはァ、ほとんどォ~」

「がるるぐるるがる??」(←訳:人間の世界と同じ??)

 

 いつの時代も世界に絶えることのない、

 『ざんねん』。

 

 ホントなのそれ?

 ウソでしょお?

 等々にぎやかにツッコミを入れながら、

 夏の読書タイムに、

 皆さま、ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

  

 

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